井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

料理に例える音楽と音楽に例える料理

2015-12-09 20:04:00 | 大学
入試の日、問題点検という作業をすることがある。

例えば英語教育。英文を英文で要約せよ、などという問題を、大して読めない自分も含めて、数人で点検をするのである。

一応読むと、グーグル翻訳について、そのチームのオックという人のコメントを取材したものだった。

911の時にアラビア=英語のトランスレイターがいなくて、アメリカでは往生したらしい。そこから翻訳開発は急務になる。

やはり親戚同士のような言語、例えばセルビア語とクロアチア語みたいなものはかなり精度を上げられるけれど、アラビア=英語みたいなものは、まだまだとのこと。

最後の方に、インタビュアーが「それではいつか通訳者がいらなくなる日がくるのか」と問うと「オー、それは20年後か、いや50年後、いやいや500年後かも」

と、日本語ならば要約できるのだけれど…。

「そもそも国語とは何を教える教科なのか」とは国語教育の問題文。

例えば数学や音楽など、絶対国語教育ではないというものを除いていった残り、と消去法で考えた方がわかりやすい、とあった。
そして、まず他教科では取り上げられない「文学」が、読本の教材として主流になった…。

こんなことが問題になる分野なんだ…。

家政教育の食物学、「○○という料理を、テクスチュアまで含めて解説しなさい。」

食べ物のテクスチュア?!

ピアノ曲と室内楽曲やオーケストラ曲で、テクスチュアという言葉を時々使う。主に声部が絡み合うときに、テクスチュアが明瞭だとか透明感があるとか表現する訳だが、率直に言って、問題点を指摘する時にしか使わないような言葉だから、ちょっとドキッとする訳だ。

その場にいらした家政教育の先生に、これは何かと尋ねたら、知らない、と言われてしまった…。

が、すぐに携帯電話で調べてくれてわかったのは「舌ざわり、噛みごたえ」、いわゆる食感のことらしい。

そうか、それを文章で説明するのは難しそう。

音楽を料理に例えることは時々ある。楽章で構成されるのはフルコースの料理みたいだとか、テンポルバートは砂糖みたいなもので、入れりゃいいというものではないとか。
そしてdolce(甘く)は立派な音楽用語だ。

では、その逆はあるのか?

このレタスにこのドレッシングだとサンサーンスのテクスチュアのようでとても良いとか、この煮物の味付けではモーツァルトとワグナーのテクスチュアが混在していて良くないとか…

…ある訳ないよな。

問題点検が終わると、事故が起きない限り、超ヒマな仕事なので、こんなことを考えてしまったのであった。

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