井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

卒業式の「ミレド」

2009-04-12 10:07:45 | 大学

過日、我が大学では昨年に続き、入学式で「大地讃頌」を演奏したが、NHKによると、この曲は卒業式で2番目によく演奏される曲なのだそうだ。で、現在その次に位置している曲は「手紙」。

それは昨年、NHKの合唱コンクール中学校の部の課題曲だった。ゆえあって、そのコンクールを聴衆の一員として聞いてしまったので、イヤという程聞いて……イヤになってしまった。

理由はいくつもあるのだが、最大の理由は、ある曲に「似ている」からである。(「似ている」話は、これで3回目かな?多分、今後も何回もするでしょう…。)

まず、ビートルズTHE BEATLESの「レット・イット・ビーLET IT BE」。 「手紙」の冒頭「拝啓」、「LET IT BE」のサビ“Let it be”はどちらも、旋律の音の並びが「ミレド」。

コード進行も両者はよく似ている。フレーズの終わりがⅤ度からⅠ度に行く前にⅣ度が割って入る「弱進行」という型、それから平行調に転調するあたり…と専門用語を使ってもわからないかもしれないが、とにかくビートルズの「LET IT BE」を聞いていただきたい。ビートルズの中でも名曲中の名曲、「手紙」の作者A.A.さんには申し訳ないが、「手紙」とは次元の違う存在だと思う。

ひょっとしたら、「手紙」は「LET IT BE」のパロディとして作られたのか、ということも考えた。 しかし、以下の事実でパロディとは考えにくい。それは、サビの部分で「なごり雪」になってしまうこと。 「イーマー春が来てー」かと思いきや、 「イーマー負けそうでー」に変容している。

実はイルカさんの「なごり雪」も、あまり好きな曲ではない。ガロの売れなかった曲「ピクニック」に似ていたからだ(似ている第4話)。私は「学生街の喫茶店」「君の誕生日」「ピクニック」と、どれも結構好きだった。だけど「なごり雪」のあまりのヒットで「ピクニック」など誰も知らない、私も歌詞は忘れてしまった、そんな存在になってしまったので、渋々「なごり雪」の存在を認めている。なので、それにさらに似た存在は、全く受け入れる余地がない。

ただ、そのような次第で「なごり雪」の音楽的価値はさほど認めていないから、その件は「ご愛嬌」で済ませられる。しかし「手紙」に涙する中学生が「LET IT BE」を知らないという現状は由々しき事態と認識するので、吠えまくる訳だ。

ビートルズの名曲はクラシックであり、ガーシュイン等と同列に論じるべきだと常々思っている。「手紙」が好きな人がいるのは構わないが、「LET IT BE」を知らないでいるのは良くない。「LET IT BE」を卒業式で歌う学校が増える日を待ち望もう?!

そう言えば「大地讃頌」もロ長調の「ミレド」で始まるなぁ。卒業式は「ミレド」が似合うのか……?