goo blog サービス終了のお知らせ 

井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

組曲「一寸法師」

2018-09-10 20:10:33 | 井財野作品

お陰様で、再演を7月と8月にすることができ、好評のうちに終わった。

ピアノを練習している子供とヴァイオリン、チェロによる三重奏の組曲である。

次は「かぐや姫」がリクエスト上位に来ている、ということを今日知った。

日本人は、子供でも悲劇が好きなのか、月に登って行くところがロマンチックなのか・・・。

私は苦手なのだが、リクエストとあらば考えなければ・・・。


ポロ・チュプ

2016-01-16 08:14:40 | 井財野作品
来週23日に発表する、ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲だが、やっと完成した。3楽章構成で10分弱の曲である。やれやれ……。

12音の音列を使いながら、12音主義ではなく、協和音になるべく近い響きを選んで作ったので、聞きやすい曲に仕上がった、と言いたいところだが、演奏してみたらそうでもなかった。
どれだけ協和音的響きが連続しても、一定の調の中で動くのでなければ、やはり調性感は弱い。

作曲期間も2ヶ月半かかったので、最初に書いた第1楽章は、今見ると何だか別の曲のように感じる。同じ音列を使い、しかも第3楽章に第1楽章の主題を再現させているのだが。

なんか変な曲を作っちゃったな、と思う一方で、使用した音列はとても気に入っていて、これをもとにもう1曲作れるな、と思っているところである。

題名はアイヌ語で「ポロ(大きい)チュプ(太陽)」。
アイヌの神様に縁を感じてつけたタイトルなのだが、初演地の南九州と北海道、遠く離れているが、案外縁があるようだ。

旭川に忠別川というのがある。これはアイヌ語でチュプ・ペッ(太陽・川)に由来、だから普通に考えれば、旭川市ではなく、忠別市と名づけるところだろう。

そうならなかった背景がいろいろあるようだ。上川地区に離宮を誘致し「北京(ほっきょう)」という新都市を建設する計画、北海道長官二代にわたって推進されたが、札幌側の反対等で、ついに実現しなかった。

北京がダメなら忠別…

二代目の永山長官にとって、我慢ならない地名、という説があった。忠義の人、永山長官。明治天皇にもかなり目をかけられ、「永山」という地名をつけなさいと言われたくらいの信任ぶり。それなのに、町の名前が「忠と別れる」とは…

それで、チュプ・ペッを一度日本語に置き換えて旭川。

その説が正しいかどうかはともかく、旭川の発展に身を捧げた永山長官、その後すぐ地名になり、神社も建てられた。その名も永山神社というのが今もある。(ちなみに俳優の瑛太氏は本名永山瑛太で、この長官の子孫だそうだ。)

そして、初代岩村長官、二代目永山長官、共に旧薩摩藩士なのである。(ここでやっと話がつながる。)

広大な平原に、理想の天地、理想の都市を作る夢。狭い九州では全く不可能。二人の長官が大いに思ったであろう夢、そこに私はとても共感してしまう。

それを知った今、旭川という場所が、限りなくロマンをかきたてる存在になってしまったのだった。

なので、この音列で作るもう1曲は忠別ファンタジーだなぁ、と思っている。

ドタキャン・サバイバル

2012-11-29 00:14:25 | 井財野作品

フリーランサーだった20代の頃、38度くらいの熱でも本番をこなしたことが数回ある。多分インフルエンザだと思うが、それで休んだらクビになるので、他の人にはちょっと風邪気味くらいにふるまって無理して弾いていた。

これは当たり前だった。同様のことをしていた先輩後輩も、珍しくなかった。

一般の会社勤めではどうだったのか? 正確にはわからないけれど、SARSだ新型インフルエンザだと、変な病気がいろいろ出る前は、現在ほど「外出禁止」ということにはなっていなかったような気がする。

21世紀になって、このあたりは変化したようだ。

それにしても、先日何とか終った九州・沖縄現代音楽祭のリハーサルはドタキャンの連続で、気が狂いそうだった。

リハーサル初日

 この日の出来次第ではコンサートミストレスに大抜擢できるかも、と淡い期待をかけていたらば、それがプレッシャーになった挙句、リハーサル開始の2時間前・・・

「体調不良で休みます」

 私に言わせれば、前述の通り、これは理由にならないのだが、来ないのだから如何ともしがたい。その日、他の第1 ヴァイオリンは実習中で参加できないので、私が第1ヴァイオリンを弾きながら指揮することで何とか終えた。

初日に参加できなかった人の臨時練習日

 その数日前「言い忘れていましたが、その日は前から予定があって参加できません」と二人から連絡があった。もっと前に言えよ、こっちだって準備ってのがあるんだよ・・・。

 その練習日は、ある卒業生の予定に合わせて決めたのだが、その卒業生はついに来なかった。後で訳を聞いたら「家庭の事情で・・・」

 このあたりがアマチュアは哀しい。

本番10日前あたりに連絡が入る。

 「前日にリハーサルがあるとは聞いていませんよ」とバレエ関係者から話があったとのこと。

 そんな馬鹿な・・・。こちらは半年前にはそう決めていて遅くとも数か月前には話しているはずなのに。

バレエとの初合わせ

 また1名いないと思って電話したら「今日は兄の四十九日で・・・」

 これはドタキャンではなくて、私の記憶違い。

本番前日

あきらめていたバレエ・ダンサー、それでもある程度来てくれた。

 しかし、頼んでいたステージ・マネージャー、いっこうに連絡がないから、午前中に5,6回電話をかけたら、やっとつながったは良いが「本番の時間が空いておりませんで」とのこと。

本番当日

さすがに演奏者は全員揃ったのだが、

 作曲者が一人来ない。電話したら「知り合いの葬式で・・・」

 実はこの作曲者、本番欠場は前科がある。年長者曰く「こういう人に頼んだ方が悪い」と私が悪者になってしまった。やれやれ。

本番の最中

 練習に欠席していたパートが案の定数え間違って何小節か先にとびだした。すかさず私はヴァイオリンを持って、そのパートの正しい音をフォローするが、残念ながら、その奏者は飛びだしに気づかず、(ひょっとしたら作曲者も気づかず) 終ってしまった。

本番カーテンコール

 作曲家協会の主催なので、主役は作曲家なのだ。カーテンコールの練習も念入りに何回もした。

 前日に急遽ステージ・マネージャーをやるはめになった会員も作曲者の一人だから、ここで出演者に変わる。全員が自主的に動かないといけない瞬間、上述のドタキャン作曲家以外にもう一人がステージ袖に見当たらない。

 あとちょっとでステージに出なければいけない時に、ステージ・マネージャー補佐があわてて客席に飛びだす。

 件の年長者作曲家は観客に混じって、じっと舞台に見入っていたそうだ。ステージ上には7人いるべき作曲者が、このような次第で5人並び、観客の拍手の中、緞帳は下りていった。

 「ずっと出ずっぱりのステージで、しかもヴァイオリンも指揮もして、大変でしたね」と、ねぎらいの言葉をかけてくれる方もいらしたが、この連続ドタキャン環境を耐え抜いて、処理する方がよほど大変。それに比べれば、出ずっぱりなんて、そう大変なことではなかった。

 これだけのドタキャン試練を耐え抜いて生き延びてこそ、脚光を浴びる恩恵に浴する、ということなのか何なのか、よくわからない。が、少なくとも観客には、そのほころびが見えなかっただろう。神様がついていてくれたのだと思うことにしている。めでたしめでたし。


バレエ・ファンタジー「鴻臚館」2

2012-11-21 22:32:22 | 井財野作品

今日、カーテン・コールのための音楽を作り上げて、ようやく全ての音楽を作り終えました。もっともこの音楽は、シーン4の音楽の一部を作り変えただけなので、それほど大変なことをやった訳ではないのですが・・・。

福岡近辺にお住まいの方、23日は福岡市ももちパレスへぜひご来場を。

以下の音楽はフィナーレ。打ちひしがれた主人公の空虚な心情を2本のフルートで表現しています。ずっと不協和音程が続くのですが、このモチーフを作ったのは吉岡会員、ところが偶然、黒田会員作品の基調になっている「リディア旋法」と一致していて、真の意味での合作が成立している瞬間でもあります。

</object>

続く部分は、一転して喜びの音楽になっています。ご覧の皆さまにも喜びが訪れることを祈って・・・。


バレエ・ファンタジー「鴻臚館」

2012-11-15 21:34:58 | 井財野作品

いよいよ来週23日に発表が迫っている。

「第32回 九州・沖縄現代音楽祭~響・舞・鴻臚館(そなーれ・ばらーれ・こうろかん)」

その第2部で7人の作曲家が競作・合作したバレエ音楽である。

正確に表現すると6人が、それぞれの作品を持ち寄り、それとは別に4人の作品の構成要素を井財野が責任をもってまとめた、というようなかっこうになる。

冒頭部分の紹介ビデオができたので、まずはそれを紹介したい。

</object>

初めての練習の際の録音なので、演奏は不完全だが、一定の雰囲気は感じていただけることと思う。

これはオープニングで、祝宴の準備をしているという設定。黒田会員作のテーマと拙作のテーマがからむ中、次に続く中村会長の作品「みむら節」の断片が顔を出す、という曲である。

次にもう一つ。主人公ミオが悲嘆にくれる場面。

</object>

これは上野会員の原曲に井財野がオーケストレーションを施した。その関係で移調されているが、元々はイ短調で冒頭がBACH音になっている。

バッハゆかりの音型にも関わらず、素早く演奏すると東洋風のメリスマに聴こえるところが面白くて、ついに全編にちりばめてしまった。結果的に重要なモチーフになったのであった。(そんなことは専門家以外は知らなくても良いことですね。)

とにかく、興味関心のある方は、ぜひご来場いただきたい。

2012年11月23日 福岡市ももちパレス

お問い合わせは黒田(090-3736-7469)までお願いします。