教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

イギリスのEU離脱について

2016-06-26 01:55:23 | 経済/経済/社会
イギリスがEUを離脱するらしい。

我輩は
「そんなわけあるかwww」
としか思っていなかった。

もしEUを離脱する可能性がそこそこ高いと思っていたら日経225のプットオプションを買っていたろう。
しかし今回は買わなかった。

ただ。
唯一、その予測に相反する重要な事実があり、それを意図的に無視していた。

それは何か?

↓これだ。



アングル:ミセスワタナベがポンド逆張り、英離脱ならドル/円下落加速も
http://jp.reuters.com/article/watanabe-idJPKCN0Z30R0

> 日本の個人投資家「ミセスワタナベ」が、ポンド/円GBPJPY=Rを買い増している。英国の欧州連合(EU)残留を見込んだ得意の逆張りだ。



ミセスワタナベとは日本人の個人投資家の総体を指す。
記事にはEU残留を見込んだと書いてあるが、ミセスワタナベにはそんな思慮はなく、単に値段が下がったから買うだけだ。
得意の逆張りなどと言っているが、得意でもなんでもなく、負ける確率のほうが明らかに高い。

そう。
わたしも逆張りで儲けているタチなのため、同じポジションになりやすく、このため負け越しのミセスワタナベと同じポジションを取らないように日々注意している。

たとえば去年はフォルクスワーゲン排ガス問題でプラチナが大暴落したが、そのときミセスワタナベはプラチナの現物を全力買いしているというニュースを見て買うのをやめた。
つまりそういうことだ。

そして今回もミセスワタナベは敗北したのだった。

今回はシグナルが出ているのに意図的に無視してしくじった我輩にとって反省すべき悪しき事例である。



そもそもなぜイギリスは独立するのか?

我輩にはようわからん。
ただ、日本の鳩山政権のデジャブを感じる。

今そこにあるエスタブリッシュメント(支配階級)がとにかくダメだから何でもいいから引きずり降ろせば今より良くなると信じて疑わないおバカどもにより成された政権交代のアレだ。

アメリカではトランプやサンダースが支持され、しかも左に極端なサンダースの支持者は右に極端なトランプに流れはじめたという、あの鳩山支持層と同じくらい頭の悪い現象がいま起きている。

こいつらにはどれだけ経済的なデメリットがあるかを理詰めで説明しても無駄であることは、鳩山のときを思いだせば日本人なら誰でも理解できるはずだ。

だから
「なんでこいつらはこんなおバカな選択をしたがるのか?」
というのは論点がたぶんずれている。

某氏にこの話をしたら
「日本の政治は世界の最先端をいっていたのですね」
と言われたのだが、これぞまさに的確な表現と感じる。
なんら誇れることはないけどさ(笑)。

まあ、むりやりに理屈をひねり出すとすれば、移民に寛容すぎるEUの政策や、EUへの上納金が高すぎることに対する不満や、こいつら日本人かと思うほど意思決定の遅い運営を見限った説などを述べることは可能だ。
だが何が決定的ともなかなか言い辛いものがあろう。

まあ過ぎたことはこれくらいにして次のことを考えよう。



イギリスのEU離脱によって日本にはどんな影響があるのか?

リスク回避傾向になり、円高になり、株価が下がり、製造業は為替による打撃を受ける。
だがそれだけだ。

我輩の感覚でいうと、1ドル100円~120円くらいのところが顕著なデメリットもない水準で、それより高くなると製造業が苦しくなり、それより安くするとアベノミクスの物価上昇の目的完遂のためにだいぶ無理をしているという感じかと考えている。

本項執筆時点で1ドル102円。
悪くはないだろうくらいではなかろうか。
というか、輸出比率の高い会社で1ドル100円でも耐えられないなら、そりゃもうハナからダメでしょうに。

EU圏輸出向けにイギリスに建てた工場の売上比率が高い会社は打撃がありそうだが、全体としては大した割合ではない。



イギリスにとってはどんな影響があるのか?

GDPがマイナス3~4%になるほどの打撃を受けるという試算をいくつか見た。
直感的にはだいたいそんなもんだろうくらいではなかろうか。

しかし。
金融の中心街としてのロンドンの機能が大幅に損なわれるとは考え難い。
したがってイギリスの強みは大して損なわれない。

イギリスの製造業は打撃を受けるだろう。
だいたいEUとして結んでいた条約が全部使えなくなり、全部いちから結び直しとなるので、膨大な時間がかかり、その間は関税障壁に苦しむだろう。
だがイギリスは製造業の国ではない。

イギリスにとって最もヤバいのはスコットランド。
独立に反対して敗退した主な勢力はロンドンとスコットランド。
そのスコットランドはイギリスから独立してEUに加盟しようとすると言われている。
これはダメージがでかい。
ロンドンすらイギリスから独立しようという署名が何万人も集まっただとかいう笑い話のような展開になっている。

ポンドをロングするのはまだ早いという感じかもしれぬよのう。



EUにとってはどんな影響があるのか?

さっそくスコットランドと同じくオランダも独立しようという動きがあるらしい。
つまりギリシャのときと同じくまたEUの存続が危ぶまれる事態になりつつある。

「人は自らの行為に恐怖した」
というファーストガンダムのアレを思いだす事態になりうる。
それに引っぱられて日経225もさらに下げるやもしれぬ。

ユーロゴシップ劇場はまだまだ続くよ!



では漁夫の利を得るのはどこか?

ロシアだ。

ロシアはEU陣営とは対立関係にある。
とくにウクライナ問題で。
そこでEUの結束が弱まることは願ったり叶ったりというのがロシアである。
最近は何とかしてプーチンから離脱歓迎のメッセージを引き出そうとしてマスコミが変な質問を繰り返しているのをよく見るほどだ。

ロシアはヤクザ気質なところがあり、経済より政治を優先するため、離脱によって自国経済が多少打撃を受けるくらい許容範囲内としか思っていないだろう。
だいいち原油安による下げに比べれば大して下げていない。

ロシアにとって最も困る影響はロンドンで資金調達できなくなることだが、先に述べたように金融の中心街としてのロンドンの機能が大幅に損なわれるとは考え難いというのがわたしの読みだ。

いまはロシアを買う絶好の機会である可能性があり、わたしはいつも以上に注目している。


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