教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

オタクの恋愛と閉鎖性

2010-03-15 00:03:53 | オタネタ全般
オタクは家にこもりっきりでコミュニケーションを好まず、極端に閉鎖的であると言われている。
少なくとも、オタクではない者たちから見た立場では。

果たしてこれは正しいのだろうか?

ある意味で正しい。
しかし、ある意味で間違っている。

オタクと閉鎖性の問題に関しては、あまりにも範囲が広すぎてblog1~2回分で語るには重すぎる。
そこで今回は恋愛についてだけ、オタクの恋愛と閉鎖性について考えてみる。



恋愛とは何か。

まず比較のために一般的な恋愛とは何かを考える。

いろんな定義のしかたがある。
その中の1側面として、少なくとも
「不特定多数の異性の中から特定の誰かを選択する」
という条件は含む。

そしてこの選択が双方向となったとき、つまり
「不特定多数の同性の中から自分を選択される」
も同時に成り立った場合、恋愛は成立する。
あたりまえといえばあたりまえだ。

しかし!

ここに重大な問題がある。
不特定多数の中から特定の何かを選択し、選択される事だ。

キホン的には人間は量産品ではない。
したがって誰かが何かを選択すると、それ以外の全ての人はそれを選択することができない。
何かを選択するということは、他の全てを排除することでもある。
極めて排他性が強い。

では、オタクの恋愛とは何か。

先のものと同様に、
「不特定多数の異性の中から特定の誰かを選択する」
のところまでは共通である。

しかし、明確な違いがある。
ここでいう異性とは、ギャルゲーやアニメのヒロインである。
こういったモノは量産品として提供される。
したがって誰かが特定のヒロインを選択しようとも、それ以外の全ての人にとってそれは関係ない。
オタクの恋愛において何かを選択するということは、必ずしも他の全てを排除することとはならないのだ。
そこには排他性など全く存在しない。



一般的な恋愛は極めて排他性が強いため、極めて強い排除傾向を示す。
他人が介在することを許さない。
あたりまえといえばあたりまえだ。

しかしオタクの恋愛においてはそれは違う。
排他性など全く存在しないため、わざわざ他人を排除する必要はない。
求める者全てに対して等しく恋愛が提供されるからだ。

むしろ、同じ作品や同じ人を好きになった者同士が緩いつながりをもつコミュニティーを形成する場合さえある。
たとえばわたしはアイマスの千早が好きであり、「如月千早を愛でる会」(※1)というニコニコミュニティーに参加しているし、千早メインのMAD動画(※2)まで投稿したこともある。



この違いは情報工学用語でいうところの排他的論理和と論理和に相当する違いのように思うがどうだろう。

リアルの恋愛を情報工学で例えてみる。
不特定多数のデバイスと接続されている現実という回線において、特定の誰かと排他的論理和の双方向通信をしていることに相当する。

オタクの恋愛は違う。
不特定多数のデバイスと接続されている現実という回線において、特定の誰かの設計情報を要求する。
たとえば、アイドルマスターというゲームの如月千早というヒロインのグラフィックやセリフを要求し、たとえばゲームソフトを買うことで要求を満足する。
そして設計情報からヒロインの人格というインスタンスを自分の心の中に発生させる。

オタクの恋愛は自己の内で完結する。
排他的論理和の双方向通信など必要としない。
そして外部との通信はコミュニティーという立場で常にオープンなのだ。



さて、どうだろう。
はたしてオタクのほうがより閉鎖的と言えるだろうか。

一般的な傾向としてオタクのほうがより閉鎖的と言われるのはしかたがない面もある。
しかし、こと恋愛に関しては、わたしはリアルのほうがより閉鎖的と感じる。

これはどちらが良いというものでもない。
個人の好みによって選択すれば良い。
そもそも恋愛とは究極の嗜好品であるからだ。

このどちらか一方を完全に無くすのは社会に良くない歪を発生させる。
わたしはリアルの恋愛を閉鎖的だと批判して共産主義のような悪平等を推奨する気はさらさらない。
その逆もしかりであり、オタクの恋愛を完全否定し、法律により世間から全廃してしまおうというような民主党副代表の円より子議員のような悪意ある極論もまた正しくない。

大事なことは、お互いを理解しお互いに危害を加えないこと、ようは大人の対応をして棲み分けることだろう。
恋愛に正しいも間違っているも無いのだから。



【※1 如月千早を愛でる会】
http://com.nicovideo.jp/community/co236

【※2 千早メインのMAD動画】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9680568