見ないフリ

一時的な対応策にしかならない現実逃避をずっとするブログ

ズートピア

2016-06-05 | 本と漫画と映画とテレビ
沈没間際の豪華客船。救命ボートが足りず、
船員は各国の乗客に対して、海に飛び込むよう説得する。

アメリカ人には「飛び込めばヒーローになれますよ」
ロシア人には「海にウォッカのビンが流れていますよ」
イギリス人には「紳士はこういう時、海に飛び込むものです」
イタリア人には「海で美女が泳いでいますよ」
フランス人には「決して海には飛び込まないでください」
ドイツ人には「規則ですので海に飛び込んでください」
中国人には「おいしい食材(魚)が泳いでますよ」
日本人には「皆さんもう飛び込みましたよ」





『ズートピア』
2016年、ディズニー製作の
3Dコンピュータアニメーション、バディ・アクション映画。

「面白い!」「深い!」「みんな観てる!」
なんて、周囲の評判がやたらよいので
気になって観に行く。


いや~、クッソ面白かった。

過去のディズニーアニメの小ネタがてんこ盛り! だったのらしいけれど、
ディズニー作品に疎いわたしにはさっぱり・・・
深さについても・・・チョットよくわからなかった。。。深いの?

それでも、序盤の電車と駅のシーンだけでテンションは上がりまくり!

なにより、
登場人物たちのかわいいことかわいいこと。
みんな、フワッフワのモッフモフ。

まず、
主人公のウサギ(ジュディ)の両親は、なかなかのシルバニアファミリー。
(1980~90年代前半頃のシルバニア)


もう一人の主人公であるキツネ(ニック)は、雰囲気が
ウェス・アンダーソンの『ファンタスティック Mr. FOX』。


実際は、ディズニーの『ロビンフッド』や
『ジャングルブック』なんかを下敷きにして制作されているらしい。



副市長さんの日本語吹き替えは、
あのかすれ声&個性的ファッションから
ぜひ、篠原ともえに担ってほしいところ。


そして、誰よりかわいいのが
免許センターで働くナマケモノのフラッシュ。


なんでも、職員がみんなナマケモノという設定は、
アメリカの免許センター(DMV)が、
すんごい待たされるという事実を皮肉っているからなんだとか。
そんなこと、1ミリも知らなかったけれど、
免許センターのシーンは面白すぎる。かわいさに笑いがとまりません。

赤ちゃん役のフェネックギツネもかわいいし、
(ゾウの着ぐるみがやばい。モンスターズインクのブーを彷彿させるかわいさ)
受付のチーターもかわいい。
つられて遠吠えするオオカミ達も、超絶かわいい。
(MAN WITH A MISSION・・・?)



こうやって魅力的な登場人物をいっぱい配置し、
事件の捜査という名目のもと、
主人公のウサギとキツネにいろんな気候のエリアを案内させることで、
映画だけでは終わらせない、スピンオフやキャラクターグッズ、
ランド&シー方面での商売も視野に入れているであろう展開力。脱帽。

よ! 商売上手! 

は~ハマってしまった~。もう、ディズニーの思う壺。
やられたわ~。(単純だな)
ディズニーさん、マジぱないっス。


ストーリーだって
老若男女が楽しめるよう、よく練られている。(上から)
広げた風呂敷もキュッときれいに包んでくれます。
監督・脚本だけでも6~7人いるらしいよ。すごいね。
だから、物語にスキがない! たぶん!


物語序盤、夢いっぱいの主人公・ジュディが
「ズートピアでは自分がなりたいと思えば何にでもなれる! ゾウにだってなれる!」
的なことを目をキラッキラさせて言うのに対して、
キツネのニックは
「ズートピアに来たからって、自分以上のものにはなれない」
と、なかなか耳の痛い言葉を発する。

この辺りのシーンから、
肉食動物と草食動物が共に暮らす巨大都市「ズートピア」は、
自由の国「アメリカ合衆国」の比喩なんだろうなぁと思う。

「バスケットの国アメリカの―― その空気を吸うだけで
僕は高く跳べると思っていたのかなぁ・・・」
つって、漫画『スラムダンク』なかで
谷沢が安西先生に宛てた手紙で語ってたのを思い出します。

自分が動かないと誰もパスをくれない、大都会あるある。


あと、根底のテーマであろう「差別」や「偏見」は
アメリカにかかわらず、どこの国にでもあることなんだろうけども、
ほんと、海のむこうの人たちはそれに対しての意識が高い。
よくも悪くも、最先端。

「ニガー」とかは同じ人種間では使っていいけど、
他者が使うとNGらしい。なんじゃそりゃ。
日本でいうところの「オカマ」とかか?

複雑な歴史的背景もあってか
年齢性別人種・・・いろんなことに神経質な欧米さんに比べ、
血液型診断が大好きな私は、相当劣っているなぁ。と反省するのです。

日本だって何かと敏感。
「障害者」は「障がい者」って・・・ねぇ?

中島らもの言うところの、
「問題は言葉の響きのなかになど存在しない。
それを使う人間の意識の在り方にあるのだ」
っていうか。


しかし、よくよく考えてみると、年齢を重ねるにつれて
自分の中の差別意識や偏見の思考は増大している気がする・・・。
こ、これは恐ろしい。

想像以上に己の心が腐っていたので、
世間から白い目で見られないためにも、
取締りで捕まらないためにも、当面は
「みんなちがってみんないい」
っていう金子みすずの言葉を呪文のように唱えてやり過ごす。





コメントを投稿