梅雨のないハンガリーでは、5~6月は初夏と呼ぶに相応しい快晴続きの暑い天候になり、
そのせいか夕方には落雷の多い季節でもある。この夕立がハンガリーに肥沃で緑美しい大自然
を与えてくれるのではなかろうか。 今回はその恵みがもたらすバラトンの草原事情を。
1.ピパチ(芥子の花、英Poppy)の群生
誰の手も意思も入らないピパチの群生が、この時期にバラトン湖界隈でよく見られる。
ピパチは種子が風に載って散らばって旅するのだろう。 群生する場所が毎年変わるようである。
特に、路肩でよく見かけるが、クルマによって運ばれてくるのだろう群生までとはいかない。
ピパチの花ことば; 「慰め」「怠惰」「無気力」
<今年見つけた群生場所>
① M7高速道路Exit90付近
左の麦畑と対称的なピパチの群生。 右の造成中の道路はM7の新分岐点(R711との結合)
May 19 2018
向こうが、フォーカヤール(Balatonfőkajár)の村と丘。 2017-09-12 に投稿記事有り。
向こうはバラトン湖方面、横に走るのがR71号線。
② バラトン・ウドヴァリ (Balatonudvari) R71号線沿い
バラトン湖をバックにした最も美しい群生風景 May 20 2018
③ トートヴァージョニィ (Tótvázsony) 付近
恐らくバラトン湖界隈で本年度最も大きなピパチの群生であろう。
丘の向こうがバラトン湖でバラトンフレド (Balatonfred) 湖岸に出る。
May 21 2018
向こうに霞む山並みは、東バコニィ山脈(標高599m)
④ パールケーヴェ (Pálköve) R71号線沿い
ピパチの赤色とカミッラ(英語カミール)の白色とのコラボが見事。
May 20 2018
よく整備されたサイクリングロードには、チャリオ君達でいっぱい。
2.群生に対抗する傍らに咲く薬草達
① ニオイスミレ(Illatos ibolya)
ピパチとカミッラの群生の中で彩りを添えるニオイスミレ。
at Balatonudvari May 20 2018
② ラジャカクコマ(Rétikakukkorma)
消化器と食欲増強剤としての薬草で重宝されている。
at Balatonudvari May 20 2018
③ ポテンシラ(Vérontófű)
整腸、歯肉炎または喉の炎症を抑える薬草として使われる。
at Pálköve May 20 2018
④ 野イバラ (洪 Vadrózsa、英 Dogrose)
ピパチの傍らで可憐に頑張る。 薬草や化粧水として使われている。
at Tótvázsony May 21 2018
3.日本でもお馴染みな庭を彩る草花
① 牡丹(英 Peony、洪 Bazsarózsa)
葉の形より赤が牡丹、白がシャクヤク。 さすが、立てば芍薬、座れば牡丹。
花ことば; 牡丹は「風格」「富貴」「恥じらい」、芍薬は「恥じらい」「はにかみ」
at Balatonvilágos May 10 2018
② フジの花 (英 wisteria、洪 lilac)
at Balatonvilágos May 04 2018
花ことば;「優しさ」「歓迎」「決して離れない」「確固たる」
これにて「バラトンの草花を賞でる(初夏1)」は、お終いです。
「ハンガリーで......」 http://motsukahu.web.fc2.com