「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

給食”残飯”の持ち帰りと”食品ロス”

2019-12-28 08:56:32 | 2012・1・1
大阪府堺市の定時制高校の教諭(62)が学校給食で残ったパンや牛乳を家に持ち帰っていたとして市教委から減給3か月の懲戒処分を受けた。教諭は過去にに持ち帰った分として31万円を支払い退職した。これをめぐって是か非か色々な意見が出ているが、戦中戦後の食糧難時代を経験している僕ら老夫婦は、どうせ捨てるのだと教諭に同情的だ。

教諭は年齢からいって、食糧難は体験していないが、その名残の昭和の給食時代で育っている。脱脂ミルクからテトラポット型の牛乳、鯨肉の立田焼き、コッペパン、カレーライスがご馳走の世代だ。今の飽食時代と違って”もったいない”気持ちがあったのだと思う。

どうみても堺市教委の処分は厳しすぎると思い調べてみたら、20年ほど前の平成8年、堺市では学校給食で大腸菌0157の中毒事故がり、学童2000人が罹り3人が死亡している。市民にとっては忘れられない事件だ。こんな背景の中での教諭の持ち帰りであり、わからないでもない。

ユニセフによると、世界の飢餓人口は8憶2000万人、9人に一人は飢えに苦るしんでいるという。わが国も恵方巻やクリスマスケーキの売れ残りから、食品ロスの無駄に気がつき始めてきた。その意味で今回の堺市の話は食品ロスを考えるのにはよい機会である。