「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      (付録)わが大君に召されなば(4) 今沢栄三郎

2013-04-22 10:09:13 | Weblog
チャンギ―兵舎は南十字星があざやかに傾いてやはり異国の風景らしく、にわかに郷愁を覚えるのだった。いつ終わるのかという戦争への疑念も、心のすみに別の感慨が猛け猛けしくおいやる。
アジアの天地から白人を追い払えば、アジア民族の黎明がくると信じて戦争に身体ごとぶつけてきたが、英国の頬る東洋艦隊の牙城、シンガポールを陥落させれば大手を振って日本に帰れるという、ほのかな夢も今は遠く、激戦のあとなまなましいシンガポール島も船上の視野から消えていった。
♯ 流れ流れて落ち行く先は  北はシベリア南はジャワよ
  何処の土地を墓所と定め  何処の土地のの土とかえらむ
からゆきさんの哀調は兵隊に通ずるかもしれないが、「さすらいの唄」の文句からしか知っていないジャワの言葉を口ずさみ,未知への期待と不安を秘めながら、1500トンの機帆船大明丸は南へ舵を向ける。(中略)350年の長い間、和蘭の植民地政策の犠牲となっているインドネシアの民衆を俺たちが、今こそ救うのだという気負ったヒロイックな自負心は純粋な若者たちの心を奮い立たせるのであった。(中略)
汽車が停車場に着くたびに、果物売りがどんどん売り込みにくる。その新鮮な果物を食べすぎた野か、スラバヤに着くまで前夜の腹工合の悪いのに拍車をかえ、ジャワ島の線路に黄色の肥料をまき散らし続けた。スラバヤの宿舎はキリスト教会の隣であった。下痢は泊まっていたが、健康診断の結果、パラチブスとのことで、アンボンやニューギニア方面へ前進する主力部隊いおいてきぼりにあり、ソンゴリテイというマラン郊外のスラバヤ陸軍病院に入院した。(中略)
病院というより山荘のホテルという感じで、3千haほどの敷地にはプールもあり、朝晩療養所内で自然に出る温泉にしたって過ごした。(中略)おのあと、部隊を追及するためスラバヤの第五師団連絡所に1か月くらい待機、一路アンボン、ニューギニアへとスラバヤを後にした。

          年寄り泣かせのカタカナ言葉の氾濫

2013-04-22 06:38:05 | Weblog
原則的に毎日更新している小ブログだが、時には何を書いたらよいのか困ることがある。先週末も旅行ボケもあって題材がなく、酔眼でテレビを見ていたら“氾濫するカタカナ言葉”という恰好な案組をやっていた。早速、メモ帖を取り出し要点を書いたが、やはりダメだ。翌朝メモを見たら、どこのテレビの何の番組だかも書いていない。

多分NHKの「クローズアップ現代」だと思うのだが、ネットで調べても確認できない。確かに番組でも指摘があったが、最近はインターネットの普及からか耳慣れないカタカナ言葉が急増している。しかし、それとは関係のない「みんなの党」の例の「エージェンダ」のような言葉もある。申し訳ないが、渡辺代表がしたり顔をして、この言葉を使うとテレビのスウィッチを切りたくもなる。

民主党の「マニュアル」が空手形で色あせたので、代わって「エージェンダ」を使用したのであろうが、手元にある旺文社英和中辞典によると、「エージェンダ」には議題、協議事項、備忘録、予定表とあるが「みんなの党」のそれは、どれに当たるのであろうか。

一般の人より多少外国語に通じていると自負している僕だが、時には理解できないカタカナ言葉もある。インセンテイブ、タスクフォース、アドボカシ―、コラボレーションetc。新聞の見出しに「LINEでSOS女子高生救出」という記事があった。僕には何のことだか解からない。記事の内容は犯人によって軟禁状態にあった女子高生がスマートフォン(高性能携帯電話)向けの無料通話「アプリ」でSOSを送り、かけつけた友人によって救出されたというものだ。僕はいよいよ理解できなくなった。