NHKの朝のドラマ「おひさま」でヒロインの赤ん坊が赤い麻の葉模様の着物を着て出演している。昔は赤ん坊の産着といえば麻の葉模様が定番だったが、今はどうなのだろうか。麻は生長が早く丈夫だということから、赤ん坊が生まれると、祖父母から縁起をかついで 孫に麻の葉模様の産着が贈られたものだ。
老妻の話によると、50年前長女が産まれたとき、僕の亡母も初孫用にと手縫いで青と赤の二着の産着を用意してくれた。その産着がまだ家のどこかに残っているという。昔は生前に性別が判定できなかったから男用には青、女用には赤の二着を用意したのだろう。
戦前のわが国では、ほとんどの日本人は親と同居していた。そのため出産前後のしきたりや育児はきちんと昔からのものが守られていた。例えば出産前には安全を祈願して戌(いぬ)の日に帯を貰いに水天宮に参拝するとか、出産百日目には”お食い初め”の儀式をするとか子ども(孫)の無事成長を祈って産土神にお宮参りをした。
戦後の高度成長時代の頃からだろうか、親との同居を嫌う風潮が出てきた。いわゆる”核家族”化である。それとともに昔からの日本人の家族関係にも変化が出てきて弊害も目立ちはじめてきた。千葉県柏で39歳と27歳の夫婦が2歳10か月の長男にじゅうぶん食事を与えず餓死させた、と新聞に出ていた。昔のように親との同居の生活だったら考えられないことだ。この夫婦に限らず、最近はこういった子どもの監護育児を放棄する親が多くなってきたという。”ネグレクト夫婦”というのだそうだが、かって子どもの無事成長を祈って麻の葉模様の産着を赤ん坊に着せた日本人の優しい心はどこへ行ってしまったのだろうか。
老妻の話によると、50年前長女が産まれたとき、僕の亡母も初孫用にと手縫いで青と赤の二着の産着を用意してくれた。その産着がまだ家のどこかに残っているという。昔は生前に性別が判定できなかったから男用には青、女用には赤の二着を用意したのだろう。
戦前のわが国では、ほとんどの日本人は親と同居していた。そのため出産前後のしきたりや育児はきちんと昔からのものが守られていた。例えば出産前には安全を祈願して戌(いぬ)の日に帯を貰いに水天宮に参拝するとか、出産百日目には”お食い初め”の儀式をするとか子ども(孫)の無事成長を祈って産土神にお宮参りをした。
戦後の高度成長時代の頃からだろうか、親との同居を嫌う風潮が出てきた。いわゆる”核家族”化である。それとともに昔からの日本人の家族関係にも変化が出てきて弊害も目立ちはじめてきた。千葉県柏で39歳と27歳の夫婦が2歳10か月の長男にじゅうぶん食事を与えず餓死させた、と新聞に出ていた。昔のように親との同居の生活だったら考えられないことだ。この夫婦に限らず、最近はこういった子どもの監護育児を放棄する親が多くなってきたという。”ネグレクト夫婦”というのだそうだが、かって子どもの無事成長を祈って麻の葉模様の産着を赤ん坊に着せた日本人の優しい心はどこへ行ってしまったのだろうか。