「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           関東大震災 東日本大震災

2011-08-29 05:42:07 | Weblog
最近”しんさい”という言葉がちょくちょく耳に入ってくる。僕ら後期高齢者にとっては”しんさい”と言えば1923年(大正12年)9月1日の関東大震災だけだったが、今は3・11の東日本大震災のことだ。戦前、僕らが子供だった頃は、関東大震災の体験者が周囲に沢山いて、わが家にも震災後の火災で焼け崩れた銅貨が記念として残っていた。が、88年経った今、その体験者は97歳の先輩一人だけだ。

昭和35年にこの関東大震災の教訓を後世に残そうと、当時の政府は閣議で9月1日を「防災の日」に設定した。それまで9月1日は、どちらかといえば、大震災で犠牲になった14万人の人々を慰霊する行事が中心だったが、たまたま9月1日は二百十日に当たり、昔から台風の被害が多かったので、自然災害をいかにして防ぐか、防災意識を高める日となった。

昨日の日曜日、わが家の近くの小学校校庭で、区主催の防災行事が行われた。老妻も町会の誘いで参加、僕もブログの材料にと自転車で見学に行った。会場には炎天下にもかかわらず沢山の参加者があった。今年は3・11の大震災があっただけに特に参加者は多かったようだ。会場の小学校も特別にこの防災行事に全員参加させていた。

"備えあれば憂いなし”である。今回の被災地の中でも過去の津波の被害を教訓にして避難訓練を行っていた地域では被害を少なく食い止めたという。天災がどうしても宿命であるわが国は、やはり、こういった事前の備えが必要なのだ。「防災の日」参加のお土産に貰ってきた、非常食品を食べながら、つくずく僕はそう思った。