「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       66回目のインドネシア独立式典に参加

2011-08-17 05:52:25 | Weblog
今日8月17日はインドネシアの66回目の独立記念日である。今年も招待をうけて早朝8時から東京目黒の大使公邸庭で開催される式典に参加するため7時に家をでた。66年前の1945年8月17日午前8時、ジャカルタのスカルノ(初代大統領)邸前で、独立宣言は発表になった。これを模して、東京でも同じ時間に式典は始まった。

インドネシアの独立宣言の起草は発表の前夜の17日、ジャカルタの前田精・海軍武官府邸で行われ、宣言文の起草には西嶋氏重忠通訳らが立ち会ったのは、スパルジョ初代外相らの書簡からも明らかである、しかし、これをもって、インドネシアのの独立が日本の完全支配下で行われたとするのは間違いである。

日本は敗戦を予期せず、南方総軍はジャワの第16軍司令部に対して8月19日に独立準備委員会を結成させ、9月7日に独立させる準備をしていた。しかし、インドネシアの独立宣言は、これとは別であって、インドネシア人による、インドネシアのための独立宣言である。

僕はここ数年、毎年東京の独立式典に参加しているが、かっては数十人も招かれていた日本人の数が例年減り、今年は僅か10人ぐらいになった。しかもインドネシアでの従軍経験者は僅か二人である。僕も従軍経験者ではないが、独立宣言を起草した西嶋重忠氏とは生前親しくさせて頂いていた一人である。西嶋氏の著書「インドネシアの独立革命」(昭和52年 新人物往来社)には、インドネシアの独立前夜の真実が詳述されている。スパルジョ初代外相は、独立の真実を知っているのは、西嶋氏ほか数名しかいないと述べている。

日本では数年前製作された映画「ムルデカ」などで意図的にインドネシアの独立に日本が関与していることを強調しているが、これは両国間の友情を損なうだけである。インドネシアでも誤まった説が学校で教えられているそうだ。両国の友好のために正しい史実を伝えるべきである。