「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      1世紀ぶり 孫が曽祖父の大學に合格

2010-03-05 07:02:00 | Weblog
孫が”都の西北”にある亡父の出た大学に合格した。彼からみれば曽祖父だが、明治
38年に卒業している。だからわが家にとっては105年ぶりの"快挙”だ。まずはおめで
とう。でも僕にとっては複雑な気持ちである。孫は僕も息子も出ている大学にも合格し
たが、それを袖にして”都の西北”の大學を選んだ。でもこれは本人の希望だから仕方
がない。

僕の大學入試は昭和23年、もう62年も前のことだ。今とは入試事情は随分ちがう。当
時もセンター試験もあったが、アチ-ブメント・テストといい、国公立大学だけのもので
あまり直接合否には関係がなかった気がする。今は大學入試にも偏差値があるそうだ。
受験生は、この偏差値に左右され、塾の指導で偏差値にあった大学を選ぶ。偏差値は
各大學の学部によっても違うのだという。

大學の学部の名称も変わってきた。105年前、亡父は政経学部を卒業、僕は文学部を出
ているが、孫が選んだのは「社会科学部」。新聞社のセクッションみたいで、何を学問する
のか名前を聞いただけではわからない。大學案内のパンフレットを見て初めてわかった。
"社会科学を総合的、学際的に学ぶことが出来る構想の下に1966年創設された”新学部
である。

学部案内には「人間科学部」「文化構想学部」というのもある。これも名前だけでは何を学問
するのか判らない。50年も100年も経てば大学が変わるのも当然である。僕が62年前入學
した当時、僕の大学は男子校で、女子学生は一人もいなかったが、今は女子学生のほうが
多いという。昔”都の西北"の大學の憧れは"角帽だったが、孫はそんなものは欲しがらない。