「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         ”イタ食”の流行と新野菜

2009-10-07 04:58:46 | Weblog
群馬県の嬬恋(つまごい)に家庭農園を持つ娘の友人から巨大なズッキーニを頂戴
した。長さ58㌢、重さが4・2㌔もある(写真)。さて、いかに料理して食べるものか老
妻は料理本に首っきりでレシピを探したがでてこない。趣味の絵に描きとっていたが、
彼女の料理にはあまり期待していない。どんな料理が出てくるか不安だが楽しみだ。

ズッキニーという言葉の語感から僕はイタリア原産の野菜と思ったら、原産地はメキシ
コで、イタリアでは”zuchina"といい”zuchini"という呼び方は米国やオーストラリア流
だそうだ。が、戦後ズッキーニで食べられるようになったのは、イタリア料理を通じてで
はないだろうか。ズッキニーだけではない。老人には舌をかみそうな発音のルッコラ、プ
ンタレット,バジル、エストルなどなど、イタ食流行前は日本にはなかった野菜だ。

そういえば、日本人の食べる野菜は戦後、とても豊たかになった。今やサラダには定番
のパセリ、セロリを始めオクラ、ちんげん菜など戦後の野菜だ。アスパラガスも戦前はカン
詰めの白いアスパラだけで、緑のアスパラを食べるようになったのは、せいぜいこの40
年前からだ。

ものの本によれば、日本原産の野菜といえば、ふき,せり、うど、わらびなど限られていて
キューリ、ナス、大根、人参なども元をただせば外来種だという。今やイタリア料理にはか
かせないトマトも明治の日本人は悪魔の食べ物と敬遠していたらしい。

ビニールハウスの普及や改善で、昔は年を通じて日本では栽培できなかった野菜が色々
生産できるようになった。食が豊になって幸せである。しかし、バイオテクノロジーなどで危
険な食品が食卓にのぼることだけは勘弁である。