「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      2016年五輪 東京は落選したけれど

2009-10-03 04:46:13 | Weblog
2016年に開かれる夏季五輪の開催地を決める國際オリンピック委員会(IOC)総会
で、東京はリオデジャネイロ(ブラジル)に破れ落選した。後期高齢者の身であり、
果たして開催まで生きていられるかどうか判らない。前回1964年の東京五輪前の
ような興味は正直いってなかった。でも、石原慎太郎・東京都知事が"老骨にムチ
打ち”あれだけ情熱を傾け、先頭にたって働いてきたのに残念なことだ。

僕の家の近くの目黒通りや駒沢通りは、戦争で中止になった昭和15年(1940年)の
東京五輪のさい、計画され着工が始まった道路だ。その頃小学生だった僕らの世代
はベルリン五輪の記録映画「民族の祭典」を見て育っただけに、五輪への愛着がひと
しお強いのかもしれない。1964年の東京五輪前の国民あげての沸き立ちも実感して
いる。

それに引き換え、今回の五輪立候補に対しては、石原知事が"笛吹けども”の感がな
いでもなかった。4年も前に立候補しながら野党民主党は、政争に明け暮れて国家的
事業でもある東京五輪に関心を示さなかった。政権の座につき、やっと鳩山首相が
IOC開催地のコペンハーゲン入りして誘致演説をした。失礼な言い方だが、総理もやっ
と"国”の重さを実感されたのではないだろうか。

リオデジャネイロの当選は、五大陸を意味する五輪のマークからいって当然である。マ
スココミの事前の予測ではシカゴ有利という説もあったが、最下位であった。大国の
エゴが災いしたのかもしれない。東京誘致運動は大変な散財だったかもしれないが、
一つの国家的な事業をするには国民の和が必要だという教訓を学んだ。とすれば、落
選も高いものではない。