「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        ”酒の上でのこと” では許されないが

2009-02-18 07:19:24 | Weblog
中川昭一財務大臣がローマでの中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見でロレツの
回らない酩酊ぶりが問題となり辞任した。大臣は会見前の昼食会でワインを口に含
んたが”ごっくん”とは飲まなかったと弁明していた。多分そうかもしれないが、テレビ
画面の大臣の顔には宿酔がありありとうかがえた。

酒は良薬の長である一方、イタリアでも”きちがい水”(アクアバッツア)という言葉が
あるそうだ。僕も若い頃、この”きちがい水”のため、なんどか失敗を起こしており、中
川大臣の”酩酊会見”をみて内心忸怩たるものがあった。その最たるのは、ある外国
高官との会見で、暴言を吐き高官(女性)を怒らせた。

大臣の酒の上での醜態には、昭和23年、当時大蔵大臣だった泉山三六氏が国会食
堂で大酒を飲んだあげく、他党の女性議員を抱擁し接吻を迫った。当時は酒飲みには
割り方寛容だったが、さすがに泉山氏は「議場内粛正に関する決議」で大臣を解任され
議員も辞任した。

昔だったら中川大臣程度の醜態だったら許されたかもしれない。泉山氏は辞任後の参院
総選挙で全国区第6位で帰り咲いている。しかし、時代が違う。それに今は”百年に一度”
という経済不況である。GDPが前期比3・3%減、年率換算12・7%、先進国中最悪の数字だ。

中川大臣の辞任で、この問題はけりをつけてもらいたい。民主党など野党は麻生総理の
任命権まで追及するといっているが、国民は一日も早く、政治を前に動かして貰いたい
と思っている。