「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       生活保護者増と日本人の勤勉さ

2009-02-06 07:43:15 | Weblog
生活保護者が昨年11月の時点で全国で159万を越えた。これは前年同期に比べ
5万人近くの増加である。この傾向は”派遣ぎれ”が本格化して以降、さらに増え
ているという。それだけ経済が悪く生活が逼迫していることはよくわかる。

しかし、一方でこんな数字もある。読売新聞が日本人の「勤労観」について調査した
ところ、日本人の勤勉さが今後も続くか、という設問に対し”思わない”と回答した人
が61%、特に20歳代では66%もあったという。これと生活保護者の増加と直接関係
があるとは思いたくないが、老人の僕には少々気になる。

僕らの世代は戦前、日本は国土が狭い。資源も少ない。だから働かなければならな
いーと教えられ育った。手本は二宮金次郎であった。実際に都会でも田舎でも小さい
時から家の手伝いをしたものだ。戦後すぐの昭和20年代、わが国がまだ貧しかった
頃、都会では家で”内職”をする家庭が多かった。わが家でも夜、暗い電灯の下で老
父母と一緒に袋張りをした想い出がある。

詳しい事情はわからないが、暮の東京・日比谷の"年越し派遣村"の騒ぎのさい、数十
人が年が越せず、生活保護を申請して受理されたという。彼らは本当に病気であったり
高齢で働けないのだろうか。好い悪いは別として、戦前の日本人は国から生活保護を受
けるのを不名誉と感じていた。若い世代の中には生活保護は当然のことと思っている者
が出てきていなければよいが。僕の周囲には後期高齢者でもまだ、学校の夜勤をして保
護の世話になっていない。