「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”もういくつ寝るとお正月”

2007-12-30 06:47:52 | Weblog
       ▽ お正月(作詞 東くめ 作曲 滝廉太郎 文部省唱歌)
               
         もういくつ寝るとお正月 お正月には凧あげて
         コマをまわして遊びましょう 早くこいこいお正月

明治34年発表の歌だが、このメロディを聞くと、僕らの世代はあの楽しかった子供の
頃のお正月を想い出す。今や歌に出てくる凧もコマもまりも追いはねも、子供の遊び
の世界から消えかかっている。あの日本の暮れの風景も変容してきた。”あと2日”に
迫った昨日、買物をかねて”暮”を見に街に出かけた。かって歳末大売出しで賑わった
駅前商店街の姿はない。僅かに正月の飾り物を売る店があり、松と輪飾りのセットを
1200円で購入した。

「普通の家族が一番怖い」(岩村暢子 新潮社)の本の広告によると、元旦の食卓に
全員がそろわない家族が四割、おせち料理を食べない家庭が三割、正月からトースト
に牛乳という家庭もあるという。

この風潮をどうみるか?嘆き悲しんでばかりもいられない。老夫婦だけになったわが家
でもここ数年、昔のような本格的なおせち料理は家で作らなくなった。作っても年賀の
孫達は箸をつけない。結局おせちは夫婦だけの簡単なものになった。立派なお屠蘇セッ
トがあっても祝うのは夫婦だけだ。都会では”核家族”化が進み、どこの家でも残念なが
ら古来から伝わる伝統破壊が進行してきている。町中には歌にある"松竹立てて”賑や
かに正月を祝う家は見当たらなかった。