「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

手さぐりの「道徳教育」と二宮金次郎

2007-04-12 06:22:24 | Weblog
茨城県は県下106高校に対し、政府の教育再生会議に先がけて
「道徳教育」を全国で初めて今年から必修化する。県教委は2003
年から「道徳教育」研究推進校を設けて研究してきた。唐突の決定
ではないが、地元の「茨城新聞」によると、教育現場では教師は授
業の経験がなく手さぐり状態だという。

「道徳教育」というと僕らの世代は昔の修身を想い出す。何を習った
のか、人によって違うと思うが、僕ら”似たもの”夫婦は二宮金次郎
の事だった。薪を担ぎながら本を読んでいる、あの石像とオーバー・
ラップしてくる。”柴刈り縄ない、わらじを作り、親の手を助け、弟を世
話し兄弟仲よく孝行つくす”の歌も共に覚えていた。

「道徳教育」がなぜ必要なのかー。再生会議の討論などを見ていると
戦後の日本人全体のモラル低下が、その原因の一つだ。たしかに僕
ら年寄りはゼネレーション・ギャップもあってか毎日の生活でハラのた
つことが多い。若い世代が僕ら修身教育世代がやってはいけないと教
わったことを平気で、無神経にするからだ。

このモラル・ダウン現象を「道徳教育」で解消できるだろうかー。文科省
の示す道徳指針は「自分自身」「他人とのかかりあい」「自然や崇高な
もものとのかかりあい」「集団や社会とのかかりあい」ーだそうだが、
現場の教師が果たしてこれを理解し、生徒に教えれば、生徒のモラル
は向上するだろうかー。しかし「道徳教育」はないよりあった方がよい。
時間をかけてでも日本人のモラルアップをしよう。即効薬は給食費を支
払わない親の世代の成人教育なのだが。