安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ヴァイ・ヴェラスコ CANTANDO BOSSA NOVA

2012-02-08 21:52:50 | ヴォーカル(S~Z他)

寒い日が続くので、真っ直ぐ帰宅する日が多くなっています。ちょうどTUTAYAのセールもあったので、DVDを借りることにして、懐かしい「ベニー・グッドマン物語」も選択。カーネギーホールコンサートの場面では、マーサ・ティルトン(vo)とジギー・エルマン(tp)をフューチャーし、「And The Angels Sing」(「そして天使は歌う」)を演奏しています。僕は、この曲の浮き浮きするメロディが大好きなので、この場面には嬉しくなりました。同曲が入っているアルバム。

VI VELASCO (ヴァイ・ヴェラスコ)
CANTANDO BOSSA NOVA (COLPIX 1962年録音)

 Cantandobossanova

「And The Angels Sing」は、ジギー・エルマンの曲に、ジョニー・マーサーが詞をつけて、1939年にグッドマン楽団(歌:マーサ・ティルトン)が録音してヒットした歌です。ユダヤ系のダンス音楽からとったといわれるメロディは、いかにも舞踏向けのものという感じがします。歌詞の大意は、「私たちがあうと天使たちが歌う、聴いたことのないような美しい歌声で」という恋愛賛歌です。

ヴァイ・ヴェラスコは、1939年1月、フィリピンのマニラに生まれ、すぐに家族でカリフォルニアに移住して、ハリウッドなど西海岸で育ちます。シンガーを目指して、高校卒業後ニューヨークに出、57年にヒットしたミュージカル「ジャマイカ」の全米巡業ツアーの一員となり、62年には「ノー・ストリングス」にダイアン・キャロルの代役として出演。クラブでも歌っています。

タイトルどおり、リズムはボサノヴァですが、曲はスタンダードが多く、古い曲も含まれています。「I Got Rhythm」、「Recado Bossa Nova」(リカード・ボサノバ)、「I Got Plenty O' Nuttin'」、「Zing Went The Strings of My Heart」(心の糸をかき鳴らせ)、「Cheek To Cheek」、「And The Angels Sing」(そして天使は歌う)、「Don't Fool With Love」、「You and I」、「Don't Call Joe」、「Exactly Like You」の10曲。

ヴェラスコは、くせのない温かな声で、リズムに乗り生き生きと歌っています。伴奏は、ズート・シムズ(ts)、ジム・ホール(g)、マーキー・マーコウィッツ(tp)らで、ズートのソロが絶好調。「Recado Bossa Nova」はスキャットで演じられ、「I Got Rhythm」、「Zing Went The Strings of My Heart」、「And The Angels Sing」あたりがいいムード。ここでのジム・ホールは、結構ブルージーな音を出していて、好感が持てました。

【映画ベニー・グッドマン物語】

  Bennygoodmanstorydvd

綺羅星のごとく登場するミュージシャンがすごく、ことに、ハリー・ジェイムス、ジギー・エルマンを擁したトランペットセクションは、千両役者が揃った趣です。残念ながら、エルマンの演奏は吹き替え。

Beverly Knnney の歌うAnd The Angels Sing】
「And The Angels Sing」は、いろいろな人が歌っていますが、ビヴァリー・ケニーのものは、可憐で、クールな感じ。アルバム「Like Yesterday」(Decca)に収録。

 Like_yesterday


J. J. ジョンソン FIRST PLACE

2012-02-05 09:07:36 | トランペット・トロンボーン

松本市内に用事で出かけたついでに、松本城の界隈を久しぶりに歩いてみました。勤め始めたころ、仕事の合間に立ち寄っていたビリヤード屋があった建物に、輸入雑貨とカフェの「エレガンス」という面白いお店が出来ていました。ビリヤード屋の話をしたら、かなり昔に営業していたと聞いているけど、このお店に来るお客さんから言われたのは初めてだとおっしゃっていました。時の流れは早いものです(笑)。カウンターで、珈琲を飲みながらゆっくりと過ごしました。ゆったりとした気分で聴きたい作品。

J. J. JOHNSON (J. J. ジョンソン)
FIRST PLACE (COLUMBIA 1957年録音)

  Firstplacejjjohnson

J. J. ジョンソン(tb)については、ブルーノートへの録音などから急速調のバップばかりやっているという先入観があり、名前もごつごつしたイメージで、僕にとっては、とっつきにくいミュージシャンでした。長い間敬遠していたのですが、コロンビアへの録音を聴いてから、ようやく身近になりました。

トロンボーンのワン・ホーンアルバムですが、バリバリと吹いているかと思えば、意外に静かなムードです。曲がそういう傾向で、ミュートを使っているものがあることに加え、テクニック上のミスもなく、フレーズを作るのに余分な音がないせいだろうと想像しています。なにしろ、メンバーは名手ばかりなので。

メンバーは、J. J. ジョンソン(tb)、トミー・フラナガン(p)、ポール・チェンバース(b)、マックス・ローチ(ds)。曲は、スタンダードの「It's Only A Paper Moon」、「For Heaven's Sake」、「Be My Love」、「Cry Me A River」に、ソニー・ロリンズの「Paul's Pal」、マット・デニスの「That Tired Routine Called Love」J. J. ジョンソンの自作が「Commutation」、「Harvey's House」、「Nickels and Dimes」で全9曲。デニスファンの僕としては、「That Tired Routine Called Love」を取り上げてくれたのは嬉しい。

J. J. ジョンソンのスインギーでスムースな演奏は「It's Only A Paper Moon」で堪能できますが、たいへん軽快なプレイで、この歌の曲想にも合っています。また、バラードの「For Heaven's Sake」や「Cry Me A River」では、ジョンソンは絶妙なミュートプレイを披露しています。フラナガン(p)以下のリズム陣は、控えめながら端正なソロなどでこの作品に貢献。

【エレガンス】

輸入雑貨・寄せ植え&蚤の市カフェの店です。ご主人と奥さんが、珈琲など喫茶の担当で、息子さんが古物商の許可を受けて、バイヤーとして海外などに買い付けにいっているようです。陶器などイギリスのものが目立ちましたが、いろいろバラエティに富んだ品揃えです。開店して5年ほどになるそうですが、遠いところから訪れる方も多いようです。

住所:長野県松本市大手3丁目4ー22
電話:0263-32ー1833

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