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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

ブッシュ大統領への残暑見舞い

2006-09-02 23:07:37 | Weblog
米合州国大統領 ジョージ・ブッシュ様

 蝉の声も心なしか勢いが感じられぬ今日この頃、ブッシュ様におかれましては、○○○のこととXXX(読者の感性で字を当ててください)申し上げます。

 マスコミの方たちから漏れ伝わってくるところでは、あなた様はこの夏も相変わらず精力的に(?)夏を過ごしておられたとのこと。一部マスコミは、長期休暇を取って何を考えているんだ、などと訳の分からぬことを言っているようですが、ブッシュ様に限って遊び呆けていたなどということはないはず。恐らく、ハンティングをしながら対イラク戦争の想定訓練をして作戦を練られ、釣り船に乗って大物を釣り上げるのを「ビン・ラーディン拘束」に見立てるなど、24時間、「テロとの戦い」を念じながらお過ごしになられた御様子、尊敬こそすれ、揶揄するなどもってのほかと考えます。

 世界の人たちを苦しめて、いや失礼、世界平和のために日夜頑張っているお姿を見ると、頭がおかしく、失礼、頭が下がります。あなた様の側近の話では、夏期休暇中も、世界情勢の把握と今後の世界戦略の構想に余念がなかったとのこと。ということは、「Non-Proliferation Treaty(核拡散防止条約)」が記者団の前でも言えるように頑張ったということでしょう。また、イランの大統領の名前をメモなしで言えるようになったことまで含むかもしれません。近い内にその成果が記者会見なり、演説の時に見せていただけるのではと期待してお待ち申し上げております。

 前口上が長くなり申し訳ありませんでした。実は遅くなりましたが、残暑見舞いを申し上げようと思い立った次第でございます。残暑見舞いは確か8月中に出すものですが、時差もありますからその点は御容赦ください。

 私が残暑見舞いを書こうと思ったのは、あなたの8月31日にユタ州ソルトレイク・スィティで行なった演説を聞いたからです。あなた様は、「テロとの戦い」への国民の支持を訴えておられました。私はそれを聞いていたく感動いたしました。

 演説では、いつものように雄雄しく、世界が恐れるイラクやレバノンの武装組織を「20世紀全体主義者の末裔(まつえい)」と分かりやすくたとえ、イスラーム急進派組織との戦いを「21世紀を決するイデオロギー闘争」と高らかに宣言されました。

 演説の中で、あなたは御自分が主導されるイスラーム組織との戦いを「自由」対「ファシズム」という枠組みで説明されました。これは非常に分かりやすい例えだと思います。イスラームの自由の戦士に対して力を誇示する超大国アメリカはファシズムそのものですものね。マスコミの意地悪な下衆どもは、あなた様のお顔が猿に似ているからというだけで、知能程度も「猿と大して変わらない」などとするものもあります。また、常に主観的で余裕がないと言ったりもします。しかし、今回の発言を聞けば分かるように、ブッシュ様、あなたはそのような低レヴェルの政治家ではありません。どのような時でも冷静さを失わず、御自分のお立場をきちんと俯瞰なされています。だからアフガニスタンやイラクに対して兵を送り、多くの無辜の市民の命を奪ってしまった御自分を潔くファシストであるとお認めになり……ん?いや、失礼、よく読むと、なんとなくこの部分は私の勘違いのようでした。

 気を取り直して書き進めます。

 そう、あなた様こそが自由の戦士と呼ばれるのに相応しいお方であることは、世界の誰もが認めることでございます。あんなビン・ラーディンのような虫けら同然の連中は、ファシストと呼ぶのももったいない存在ですよね。彼らをファシストと呼んだのは、あなた様の優しさです。

 あなたの優しさは他にも演説の随所に見られます。私共に分かりやすく説明するために学生時代にその言葉を聞いただけで蕁麻疹が出るほど嫌いであったという「政治学」を引き合いに出されました。さらに、政治学の授業で聞き漏らしてしまったイデオロギーという言葉さえも、その何たるかも分からずに使われています。「イデオロギー闘争」というキーワードを使えと恐らくラムズフェルド国防長官様辺りから助言されたからでしょう。英語では、アイデオロジーと発音しますが、恐らくあなた様はこれまでにほとんど使ったことがなかった言葉なのでしょう。Non-Proliferation同様、かんでいました。そして、首筋にはうっすらと蕁麻疹が出ていました。

 そんな、御自分の健康が阻害されるのを構わずに「テロとの戦い」を実践されるあなた様は、まさに21世紀の救世主でございます。これからもますます多くの難局に直面されるとは思いますが、御自分の台所が火の車になろうと気にしないというこれまでの高潔な姿勢を続けられていくことを祈念して止みません。あなた様のお陰で「米帝国の凋落」「一大帝国の支配の崩壊」は予想外に早く訪れることになるかもしれませんが、歴史家は後にその功労者としてあなた様を称えることでしょう。

 残暑厳しき折、健康にくれぐれも留意され、あ、それと、あなたが落とした爆弾で亡くなられた方たちのことも留意され、忙しい毎日をお過ごしになられるよう最後に付け加えさせていただきます。また、文中の不適切な表現は、どうぞ切り抜いて台所の冷蔵庫のドアに貼り、「座右の銘」にしていただければ幸いです。

2006年

浅井久仁臣

防災と国防

2006-09-02 01:05:41 | Weblog
 9月1日の「防災の日」、全国各地で防災訓練が行なわれた。

 「東海大地震」を想定した訓練では、60万人を超える人たちが参加、「首都直下型地震」が対象の首都圏でも約7万人が参加したという。東京を中心とした8都県市の訓練には、今回初めて在日米軍や韓国の救助隊が参加した。

 参加者の中には、そういった「迷彩色」の参加を心強いとする人もいるようだが、かつてヴォランティアの立場でこの訓練に参加していた私には、強い違和感がある。11年前に起きた阪神大震災の時、自衛隊はマスコミや世論に気兼ねして、恐る恐る出動したものだ。それからすれば、隔世の感がある。

 この10年の流れを見ていると、国や自衛隊は、防災にかこつけて自衛隊を街に出し、「自衛隊アレルギー」を払拭させようとしているように思えてならない。この流れをどこかで止めないと、防災をお先棒担ぎにした「愛国心」作りが始まりそうな勢いだ。もっと多くの優秀な人材をこの分野に引きずりこむことが緊急の課題だ。