都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

聖母美術院ビル

2022-07-19 | 文京区  
聖母美術院ビル
所在地:文京区 本郷1-1-1
構造・階数:木・2+B1
解体年:2015(平成27)
Photo 2006.5.14

 外堀通り、お茶の水坂の途中、元町公園のわきにあった建物。外堀通りから見ると3階建てに見えるが、下記リンク先の「ぼくの近代建築コレクション」内の記事「聖母美術院/本郷1丁目」についたコメントのリンク先画像によれば、かつて(少なくとも昭和32年頃まで)は地上2階+地下1階だったようだ。その後、どこかの時点で、中央の階段の両側は外堀通りから直接地階へ入れる構造に改装されたらしい。正面中央の階段は外堀通りからかつての1階へ上るためのものだったようだ。

 上記の記事でも指摘されているが、中央の階段が歩道にはみ出しているのが奇妙だった。古い建物なので建てられた後に道路(歩道)の拡幅がされたのかもしれない。

 古そうな建物で、戦前に建てられたのではないかと思われたが、竣工年は不明。財団法人聖母美術院の設立は1923(大正12)年だったそうだが、1951(昭和26)年発行の火災保険特殊地図では、この場所はKK東雲堂、板倉理佳と記されていて、いつから聖母美術院ビルになったのかも結局分からず。上記リンク先には「1986年の住宅地図ではこの建物に「聖母美術院、お茶の水医院、トーキョー書店、アテネ書房」の記載。」とあるので、ある程度前から聖母美術院が入居してはいたのだろうが。
 またこの写真には「財団法人国民美術院」の看板が大きく掲げられている。聖母美術院と国民美術院の2つが入居していたのか、昔は国民美術院だったものが後に聖母美術院になったのか、そのあたりもあまり把握できなかった。
 それと、アテネ書房は1976年設立、2006年頃廃業の模様。


 神田川の反対側、駿河台の側から  Photo 2014.3.16

 夏場は外堀通りの街路樹の葉が繁って全景が見えなくなってしまっていたが、冬期は川の反対側の離れた場所から全景を眺めることができた。屋根は寄棟造で、前述の昭和30年代の写真では瓦葺きだが、1990年代頃には既にトタン葺きになっていた。

 また、遠景なので分かりにくいが、この写真では中央の階段は建物内でクランクしたものに改造されている。この頃には歩道への飛び出し問題は解消されていたようだった。

 Googleストリートビューで確認したところ、2015年4月版ではビルは健在で、建物から出てくる人も写っているが、2ヶ月後の2015年6月版では解体されている。ストリートビューは1、2年間隔の画像のことが多いが、たまたま直前・直後の画像が撮られていた。なお、現在、跡地は順天堂大学の寮になっている。

聖母美術院/本郷1丁目 - ぼくの近代建築コレクション
聖母美術院と元町公園 | 一応、カンパネルラ

Tokyo Lost Architecture  
#失われた建物 文京区  #近代建築  #商業系  #オフィス   タグ一覧

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