あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

やっぱり生ドラム!

2015年09月24日 | ライヴ
宙明先生トーク・イベントでは数々の話題が出たのだが
「ドラムのスネア音」に関しても、頷かされる話があった。

スネアってのはドラマーの両太もも間に位置する、
ある意味メインのタイコですが、
この打撃音の録音というか、音の「抜けの良さ」って
凄く大事である・・・と。

ツツ「ダン」ツツツ「ダン」と、主にハイハット
(シンバル)を刻みながら叩く、このスネア。

特にロックでは、このアタック音が重要で。
ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)や、コージー・
パウエルなんて、そのパワフルさで伝説になってる程だ。



※「レッド・ツェッペリンⅣ」のドラムは古城の吹抜け
 構造部で録音された・・・なんて語られたもんです。

バニラ・ファッジのカーマイン・アピスは60年代の
モノラル時代に「キープ・ミー・ハンギン・オン」で
ドラム缶ブッ叩いてるようなパワフルでテクニカルな
ドラミングを披露。
世界中の音楽ファンを驚かせたと言います。



しかもステージ・アクションも強力!
こんなスティック捌き、誰を真似たの?
※ジャズの人なんだろうけど・・・


※動画は
 「キープ・ミー・ハンギン・オン」。

 さすがに今はこんなに時代がかったアクションして
 くれないだろうなぁ・・・


※「ショット・ガン」
 この曲のドラミングも最高。
 ベースとの絡みも強力この上ない!
 そりゃジェフ・ベックも惚れ込みますわ。

The Whoのキース・ムーンも超絶なれど、とにかく
乱打型なので、さすがに一打一打のインパクトでは損を
してるかな?
もっとも、LIVEの「サマータイム・ブルース」では
むしろタムをスネアのように使って迫力を出してます
けどね。

フリーのサイモン・カークはLIVEアルバムの音が
スネア中低域を強調しているせいか、
やはり「ドラム缶ブッ叩き系」の迫力を感じさせてくれる。



イエスの初代ドラマーのビル・ブラフォードは、弾力
ある音色が特徴で、インパクトより間とサウンドが
優先・・・で、それも素晴らしい。

~さてさて

ちょっと前にゲイリー・ムーアの打ち込みリズムを
取り上げて「ワイルド・フロンティア」は当初違和感を
感じつつも、やはり名盤!・・・と思った事を告白し
ましたが。

「オーバー・ザ・ヒルズ・アンド...」の乱打系は平気
なんだけど、「テイク・ア・リトルタイム」みたいな
シンプルなビートの曲では段々居心地が悪くなって
来るんだよなぁ・・・。

打ち込みですから。登録音ですから。
とうぜん毎回同じアタック音なんですよ。



これが段々とキツくなってくる。
人間が叩くと毎回微妙に違ってたりするのだが、実際は
それが味になってて、気付かないまでも普通に耳に
入ってきてるんだよね。

私もドラムを齧ってたから分かるけど、
シンバルもスネアも叩く場所で音が変わるんですよね。
中央に近い所を叩くか、隅に近い所を叩くか・・・で。

スネアは中央を叩くと「バシッ」とか「スパン!」って
いう音がするし、隅を叩くと「カン!」という硬い音が
する。(隅は張が強いから)。

キレの良いビートを刻みたい時は、隅っこを叩いて悦に
入ったりしたものです。

イメージはザ・ローリング・ストーンズの「ネイバーズ」。



81年のアルバム「刺青の男(Tattoo You)」収録の
アップテンポ曲だが、そもそもアルバム全体のクリアな音
輪郭が、かつてないほど凄いし、スネア音のヌケっぷりは
度肝を抜かれるほどだった。

もうベテランと言われたストーンズなれど、この若々しい
音でシーンを再席巻、公演もツアー映像も大受けし、21
世紀まで生き残る原動力になったともいえるサウンドなのです。

実質的に音を作ったのは外部の2人と言われている。
クリス・キムゼイとボブ・クリアマウンテン。

ストーンズで箔を付け、そのクリアな音作りを世界に
知らしめた。

ミックとキースばかりに注目が行きがちのストーンズだが
実はチャーリー・ワッツのドラム・サウンドにも相当
気を使ってると思うんですよね。

「ネイバーズ」のスネア・アタック音なんて、それだけ
聞いてても気持ちイイくらいの音作り!

たまに「スカッ」と芯を外したような音も混じってるが
それさえも「これが生ドラムの醍醐味だよ!」と嬉しく
なってくる。



「ベガーズ・バンケット」のブルース曲「パラシュート・
ウーマン」も「スネアに砂でも撒いてるんじゃないのか」
と思わせる程のザラザラっぷり。
曲の雰囲気を決定付けてます。

チャーリーあってのストーンズ。
まさに「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン」。

分かってらっしゃる。
60年代~70年代のジミー・ミラーも分かってらした。
80年代のクリス・キムゼイ&ボブ・クリアマウンテンも。
(Tattoo Youには関わってないけど)スティーヴ・
リリーホワイトも。

そして、90歳を越えた渡辺宙明先生も、スネア音の
大切さを語っていらっしゃる。

21世紀になっても音楽は人間がやるもんですから。
※そうじゃない物もあってイイけれど。

今後も生音を聴き続けて行きたいと思います。


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