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「エンダムvs村田諒太」戦の余波

2017年06月06日 | ボクシング
ボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦での、いわゆる村田諒太が
「不可解な判定で」敗れた案件。

スポーツニュースやワイドショーでコメンテーターが苦々しい表情で
「あれで負けか」「勝っていたはず」と発言している。



まぁ、そうでしょう。
反面「手数が少なかった」と現在の採点法の趨勢を説く意見も見られり
して、視聴率も好調だった試合だけに、ちょっとした社会現象になった
感があります。

日本の論調にヤバイと思ったのか、WBA会長もが「自分の採点では村田が
勝っていた」とコメント。
エンダム勝利に点けたジャッジをサスペンドするなど、スタンドプレイ
めいた動きも見せている。

ワイドショー・コメンテーターからは「ノーコンテストに出来ないのか」
なんて意見もあったが、それは現実的ではないというか…。
※この手の騒ぎは結構あるので、その度に無効試合にしてたら収拾が
 つきません。
 逆があったら「じゃあ、村田のタイトルは返上させます」とかする?
 絶対にしないよね。



仏メディアもエンダム勝利を疑問視する意見があるが、エンダム陣営の
セコンドは「手数の差だ。よくある判定だ」と涼しい顔。

村田本人は、「試合の内容は第三者が判断すること」と試合直後から発言
しているように、努めて冷静な態度を見せている。

WBAのヒルベルト・メンドサJr.会長は「委員会に再戦を要求する」と表明、
リマッチへの動きも見えている模様。



TVで本音を語るタイプの竹原慎二氏は、倒しに行かなかった村田の姿勢に
言及していた。
「自分の時は戦争のつもりで行った。やるかやられるかの気持ちだった」
…とコメント。

確かにカストロ戦の竹原氏の攻めは鬼気迫るモノがあったし、そうそう
チャンスの来ないミドル級で一世一代の試合をやってやろうという気合に
満ちていた。

対戦相手のタイプが違うとは言え、村田が淡白に見えたのは確かだ。
輪島功一さんの思想を借りるなら、「より良い結果を得るために奮闘する
べき」…という事だ。



競っているなら勝ちを確定させるために攻める。
勝っているなら大差の勝ちへ持っていく。
大差で勝ってるのなら倒しに行く。
大差で負けているなら逆転KOを狙って攻めに行く。

それが「プロ」だ。

そういう意味では物足りない試合だった。
敢えて言わせてもらうと、「ジャブも足りない」「徹底的にダメージング・
ブローを打ち込む姿勢も足りない」!



再戦があっても同じ心根では、同じ結果になりかねないし、劇的な奪取も
あり得ないだろう。

ガードを上げた構えからでもビシビシ強烈なジャブを放つ選手は居た。
アイク・クォーティなど、その典型だ。
※トリニダード・ファンの村田なら直ぐ分かるだろう。

肩の柔軟性、関節の伸びなど、一概に比べられないが、「世界で勝つため」
現在の採点の趨勢を把握し、柔軟に対応するのも「プロ」だ。

もし、村田vsエンダム再戦が決まっても、私は楽観視できませんね。