イラム・ビトーン・スタジアム
サンファン プエルトリコ
1984年11月3日
【WBC世界ライト級タイトルマッチ12回戦】
アルゲリョ返上を受けた決定戦として、両者の間で行われた第1戦は、
無敗のロサリオが、際どく判定勝利で新王者に就いた。
しかし、アルゲリョもてこずった強打のメキシカン、ラミレスの馬力に
大苦戦。この試合は、その19ヶ月ぶりの再戦。
防衛戦でロベルト・エリゾンドを1RKO。元ゴールド・メダリストの
H・デービスからダウンを奪って判定勝ち。
ラミレスとの再戦は、勢いの差でロサリオ有利と言われた。
試合は最初から波乱含みとなった。
開始15秒、ロサリオの右ストレートがサウスポー、ラミレスのチンに
ヒット!
タフなラミレスが尻餅を付いた!
ロサリオの愛称は「チャポ」。
これはスペイン語で「ビリヤードのキュー」の事で、まるでキューで
つつくように急所を捉える、ロサリオのカンの良さを指しているという。
まさに愛称そのままのストレート。ロサリオ、最高の出だしだ。
その後もビシビシと強打を決め、身体を横に曲げサイドに回っては、
アッパーを決め、2度目のダウンを奪う。
第1戦から1年半、これほど両者の間に力の差が出来たのか?
以降、前半KOを狙う王者と、抵抗する挑戦者の間で激しい打撃戦が
展開された。ほとんど休みなく両者が手を出す、壮絶な打ち合い。
ラミレスのパンチも当たっている。ラミレスの馬力も凄い。
第3ラウンド、それでもロサリオは、手を緩めない。
またも火が出るような打撃戦。
ラミレスのアッパー、フックも当たるが、構わずロープに詰めるロサリオ。
ここでラミレスの左フックがカウンターで当たった!
ロサリオの身体がユラユラと揺れながら後退。実況も驚きの形勢逆転だ。
必死で体勢を立て直し、王者は反撃。またも打撃戦。
ピンチでもチャンスでも、ポーカーフェイスのラミレス。
第4ラウンド、さすがにロサリオもボクシングを始めた。
しかし勢いずいたラミレスの攻撃を持て余し気味。
次第に打ち合いペースになる。
ロサリオが打ち勝つ場面もあるが、ラミレスの手は止まらない。
ジャブの相打ちでも、ロサリオのアゴが上がる。ロサリオの様子が少し
おかしい。
ボディストレートももらって動きが鈍った。
ラミレスの連打の回転が上がり、ロサリオ棒立ちに!!
クリンチもままならないロサリオを打ちまくるラミレス。ラミレスの手が
止まらない!ロープを掴み、コーナーと自分の間にラミレスを挟みこもうと
するロサリオ。
しかし、スルリと身体を抜いたラミレスは、ロサリオの背後からなおも連打。
振り返る事も出来ないロサリオに、レフェリーのスティーブ・クロッソン氏は
即座に試合をストップ!
ラミレス、驚異の逆転勝利だ!!
呆れるほどの粘りで王座を奪ったラミレス。
敗者陣営のJ・ジェイコブス氏も「長くボクシングを見てきたが、こんな凄い
試合は初めて。それにしてもラミレスのガッツは凄い」と兜を脱いだ格好。
ロサリオ陣営のマニー・シアカ氏は「作戦の失敗。前半KOを狙いすぎて
パワーに頼った試合をしてしまった」とコメント。
新王者のホセ・ルイス・ラミレス(メキシコ=26才)は、これで89勝74
KO4敗 。
ショッキングな敗北を喫したエドウィン・ロサリオ(プエルトリコ=21才)は、
28勝25KO1敗となった。
休みない打撃戦、パワーとガッツ、紙一重のスリル。
ディス・イズ・ボクシング!
私は、ボクシングに興味持ち始めた知人には、必ずこの試合を見せるように
しています。
サンファン プエルトリコ
1984年11月3日
【WBC世界ライト級タイトルマッチ12回戦】
アルゲリョ返上を受けた決定戦として、両者の間で行われた第1戦は、
無敗のロサリオが、際どく判定勝利で新王者に就いた。
しかし、アルゲリョもてこずった強打のメキシカン、ラミレスの馬力に
大苦戦。この試合は、その19ヶ月ぶりの再戦。
防衛戦でロベルト・エリゾンドを1RKO。元ゴールド・メダリストの
H・デービスからダウンを奪って判定勝ち。
ラミレスとの再戦は、勢いの差でロサリオ有利と言われた。
試合は最初から波乱含みとなった。
開始15秒、ロサリオの右ストレートがサウスポー、ラミレスのチンに
ヒット!
タフなラミレスが尻餅を付いた!
ロサリオの愛称は「チャポ」。
これはスペイン語で「ビリヤードのキュー」の事で、まるでキューで
つつくように急所を捉える、ロサリオのカンの良さを指しているという。
まさに愛称そのままのストレート。ロサリオ、最高の出だしだ。
その後もビシビシと強打を決め、身体を横に曲げサイドに回っては、
アッパーを決め、2度目のダウンを奪う。
第1戦から1年半、これほど両者の間に力の差が出来たのか?
以降、前半KOを狙う王者と、抵抗する挑戦者の間で激しい打撃戦が
展開された。ほとんど休みなく両者が手を出す、壮絶な打ち合い。
ラミレスのパンチも当たっている。ラミレスの馬力も凄い。
第3ラウンド、それでもロサリオは、手を緩めない。
またも火が出るような打撃戦。
ラミレスのアッパー、フックも当たるが、構わずロープに詰めるロサリオ。
ここでラミレスの左フックがカウンターで当たった!
ロサリオの身体がユラユラと揺れながら後退。実況も驚きの形勢逆転だ。
必死で体勢を立て直し、王者は反撃。またも打撃戦。
ピンチでもチャンスでも、ポーカーフェイスのラミレス。
第4ラウンド、さすがにロサリオもボクシングを始めた。
しかし勢いずいたラミレスの攻撃を持て余し気味。
次第に打ち合いペースになる。
ロサリオが打ち勝つ場面もあるが、ラミレスの手は止まらない。
ジャブの相打ちでも、ロサリオのアゴが上がる。ロサリオの様子が少し
おかしい。
ボディストレートももらって動きが鈍った。
ラミレスの連打の回転が上がり、ロサリオ棒立ちに!!
クリンチもままならないロサリオを打ちまくるラミレス。ラミレスの手が
止まらない!ロープを掴み、コーナーと自分の間にラミレスを挟みこもうと
するロサリオ。
しかし、スルリと身体を抜いたラミレスは、ロサリオの背後からなおも連打。
振り返る事も出来ないロサリオに、レフェリーのスティーブ・クロッソン氏は
即座に試合をストップ!
ラミレス、驚異の逆転勝利だ!!
呆れるほどの粘りで王座を奪ったラミレス。
敗者陣営のJ・ジェイコブス氏も「長くボクシングを見てきたが、こんな凄い
試合は初めて。それにしてもラミレスのガッツは凄い」と兜を脱いだ格好。
ロサリオ陣営のマニー・シアカ氏は「作戦の失敗。前半KOを狙いすぎて
パワーに頼った試合をしてしまった」とコメント。
新王者のホセ・ルイス・ラミレス(メキシコ=26才)は、これで89勝74
KO4敗 。
ショッキングな敗北を喫したエドウィン・ロサリオ(プエルトリコ=21才)は、
28勝25KO1敗となった。
休みない打撃戦、パワーとガッツ、紙一重のスリル。
ディス・イズ・ボクシング!
私は、ボクシングに興味持ち始めた知人には、必ずこの試合を見せるように
しています。