あるBOX(改)

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思い出の名勝負「カルロス・モンソンvsエミール・グリフィスⅠ 」

2011年03月04日 | ボクシング
亜 ブエノスアイレス ルナパーク
1971年9月25日
【世界ミドル級タイトルマッチ15回戦】  

たまにはビッグネームの試合でも(笑)。
知人の好意で見せて貰いました伝説の1戦。
ベンベヌチに引導を渡した(我が少年時代のアイドル)モンソンが、
ベンベヌチのライバルだったグリフィスを打ち砕いた新旧交代の1戦。

序盤から大柄なモンソンがジャブで距離を取る展開が続く。
ウェルター上がりのグリフィス、ナポレス程では無いが体格で見劣りする。
いきなり左フックで飛び込み、モンソンを大きく退け反らすトコロなどは、
モンソンvsナポレスのデジャブを見る思いが(笑)。

それにしてもモンソンのボクシングは不思議だ。大味な動きかと思うと、
ジャブは細やかに出る。そして、左リードが実に多彩。相手がジャブを
ダックしたらアッパ―を軽くダブって起こす。
ライフルの右が当たる状況を作って作って引き金を引くから、右の的中率が
高いのだ。

第7R、最初の山場が訪れる。このラウンド、やや疲れたかグリフィスの
動きが落ちた。ラスト30秒、得意の右から左を引っ掛けてグリフィスの
オフバランスを誘うモンソン。振りかえった挑戦者に連打!
ロープへ追ってアッパーの連打。手首で掬い上げるだけの様だが効果はある。
そしてワンツー。入ってきたらフックもあり。
モンソンの強打は長い距離オンリーでは無い。実に厄介だ。それなのに、
普段は相手パンチの届かない距離でしか戦わないから、なおさら厄介だ。

第8R・1分過ぎ、モンソンが決めに掛かった。ジャブ以外のパンチが
明らかに増えるからハッキリと分る(笑)。しかしグリフィスは流石に
歴戦のタフガイ。
並の選手なら倒れるパンチに耐えて左フックのダブルをヒットして王者を
脅かす(しかしモンソンもタフだからビクともしないんだコレが。

でも自分では「そんなにタフでも無かったよ。ブリスコのパンチでロープに
飛ばされた時は半分気を失ってたから」なんてコト言うから、なお不気味だ)。

第9R~
再びボクシングペースに戻したモンソンだが、例によってジャブ突きながら
チャンスを窺う。

第11R。
モンソンの置きに行くジャブの間隙を突いてグリフィスが肩越しの右と
左フックを強打。
後半モンソンもプレッシャーを掛けるが、この回はグリフィスと見た
(しかしモンソンがジャブで追っただけで グリフィスは明らかに圧力感じて
下がるんだから、大きな壁が前に出てくるような威圧感があるんだろうな)。

第12R。
モンソン、警戒を強めてか長い距離に設定修正。ワンツーをヒットしても、
すぐバックステップして反撃を躱す。袋小路のグリフィス、後半ややピンチ。
それにしてもモンソンのボクシング、既に出来上がっているなぁ。
後年との違いと言えば、クリンチが少ない事くらいだ(笑)。

第14R。
いよいよモンソンの圧力が強まる。
上体の動きが無くなったベテラン・グリフィスに較べ、スタミナも凄い。
ワンツーからの連打でビッグチャンスと見るや、大味なフックも交えて大攻勢。

ここまでは良く耐えていたグリフィスだがコーナーに詰められ下を向きっぱなし!
「かんべんしてくれ!なんて厳しい連打なん!」とグリフィスが本当に叫んだか
どうかは定かでないが(笑)、それでも連打するモンソンを制止してレフェリーが
王者の手を上げた。

モンソン防衛だ!

ナポレス戦のワンツー連打ツルベ打ち程のインパクトは無かったが、新米王者
モンソンの荒っぽい詰めが堪能できた1戦でした。

こうなるとボクシングファンの性、「もしも今モンソンが居たら」って事を
考えてしまう私。

クリチコやマスケのような体格を生かしたオーソドックスなボクシング、今でも
通用するんですよねぇ(笑)。
パンパの先住民戦士がボクシングの基本を仕込まれたようなモンソン。
その距離勘、頑強さ、身体のパワー、普段はパパラッチ殴ったり浮気の挙句ヨメに
銃で撃たれたりのエキセントリックガイ(でもタイソンの獣性と違って天然児っ
ぽいのでOK!)なのにリングの中では超冷静。そんなストレンジさは、今の目で
見てもインパクト充分!

やっぱりカルロス・モンソンは今でも私のアイドルです。 
コメント
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