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A&K の NOTES

陽はまたのぼり、陽はまたしずむ。あちこち歩き回りながら、スケッチを楽しんでいます。

絵はすぐに上手くならない:成冨ミヲリ

2016-01-12 | 

 

この手の本にすぐにひっかかって、たち読みするんですね。
イラストが可愛いので、購入です。
どっかでみたなこのスタイル。

普通の読み物として読む。
内容は、
まぁ、それとして、
でもまぁ、ある意味、そうだよねと読後感想。

とにかく、王道はデッサンです。
形にしないと、絵の話はできない。
デッサンして、掘り起こす。
それだけなんですけど、、、。
難しい話はいらないよ。
(やっとここまできた)

★絵はすぐに上手くならない
著者:成冨ミヲリ
出版社: 彩流社 (2015/10/21)

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等伯 (上、下)

2015-11-14 | 

本を読んだ。

★等伯 上、下(文春文庫)
著者:安倍龍太郎
出版社: 文藝春秋 (2015/9/2)

絵描きの葛藤、生き様がどこまで描かれるか。
興味をもって読みました。

表現者は古今東西の名作に学んでいるので眼は肥えているが、自分の表現力はなかなかそれに及ばない。
それゆえ何度も絶望の淵にたたき落とされ、そこを乗り越えようと懸命に研鑽をつむ。
ところが大半の者は、ある程度の水準にたっしたところで妥協してしまう。
研鑽を続ける辛さに、身も心も耐えきれなくなるからだ。(文中より抜粋)

等伯の愚直なまでの《正直さと根気強さ》という人物像はしっかり描かれていましたが、
絵描きとしての表現者の葛藤が少し物足りなく感じました。

二十歳辺りの頃、
初めて《松林図》を観たとき震えました。
その後、何度か出会っています。
しばらくご無沙汰です。
また観たくなりました。
どんな感覚におちるのでしょうか?

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旅のラゴス

2015-09-05 | 

本を読んだ。

★旅のラゴス (新潮文庫)
著者:筒井康隆
出版社: 新潮社(1994/03/25)

久しぶりに読んでみました。
2度めです。
(以前は単行本で読みましたが、今回は文庫本です)

筒井さんにしては珍しく
びっくりするような仕掛けやトリックのない、淡々とした物語です。
時間がゆっくり過ぎ去ります。
「愛おしい」という感覚に満たされます。

20年前に読んだ時もこんな感覚に陥ったのだろうか。
たぶん、そんなことはなかったでしょう。
たぶん、やっつけ的に読んだことでしょう。
さらり感覚に不満を持ったかもしれない。
よく覚えていませんが。

こんかい、ゆっくり読みました。
手品師のような、とろりとした世界に浸りました。

それにしても
恐るべし
筒井康隆

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京都の平熱――哲学者の都市案内

2015-08-15 | 

本を読んだ。

★京都の平熱――哲学者の都市案内(講談社学術文庫)
著者:鷲田清一
出版社:講談社 (2013/4/11)

鷲田さんは京都生まれの、京大卒業の、そして哲学者。
これだけで、彼はどういうタイプの人か、大体は想像できるでしょう。
初めて、鷲田さんの文章を読みましたが、予想通りでした。
京都人らしく、ちょっと斜め視線も取り入れ、
青春の想い出を語りながら、リアルな京都案内です。

ほとんど全てにおいてオカシイくらい納得でした。
京都人はほとんど同じ空間に生きているんですね。
ほんとに狭い空間ですが、
オカシイくらい不思議な空間です。

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一路(上、下 )

2015-07-21 | 

本を読んだ。

★一路(上)(下) (中公文庫)
著者:浅田次郎
出版社: 中央公論新社 (2015/4/23)

読んで字のごとし。
とにかくまっすぐな物語である。
これだけまっすぐだと、
これは可笑しい。
これは笑える。
読後に残る爽快感と生きる事の辛さと哀しみ。
日本版ドンキホーテです。

時代は幕末。
その後の彼らは、
怒濤の時代をどのように生きたのだろうかと気になった。
浅田さんは、《一路》の眼を通して
幕末、維新の時代をどのように描くのだろうかと。

五月、
妻籠宿の松代屋さんに泊まりました。
夜には、静かな宿場街を歩きました。
コヒーがほしく、宿のすぐ横の珈琲ショップに入りました。
ジャズの音が軽快に響いていたのです。
テーブルの上にさりげなく置いてあったのが
この浅田さんの《一路》。
しおりがはさんであったので開いてみると
主人公の一路が、松代屋さんで鯉を食べる所でした。

京都に戻り、
このことはすっかり忘れていたんですが、
たまたま本屋さんで文庫本が眼に止まり、
買い求め読んだ次第です。

なるほどに、ねぇ。
面白い本でした。

 

 

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「無所属の時間で生きる 」城山三郎

2015-05-11 | 

本を読んだ。
★無所属の時間で生きる
著者:城山三郎
出版社: 新潮社

 

 

この本のタイトル「無所属の時間で生きる」は、以前、新聞の書評欄で読んだ事があり、気に留めていた。本屋さんでもよく目にしていたので、今回、ひょいと手にして、読んでみた。といっても実は、城山さんの文章をまとめて読むのは初めてである。

とっつきにくいような先入観で今まで避けていたが、かなり読みやすい、というより、とても素直に自分の普段の思いをさらけ出した文章である。あのテレビに出ていた顔が好爺(失礼ですが)として思い出される。

「無所属の時間に生きる」という意味は非常によくわかる。組織に頼らず、筆一本で生き、生活を支えた向こう意気の強さは時々見えるものの、むしろ多くは、不安と焦燥と、そして、支えてくれた多くの仲間への感謝の気持ちが綴られている。「無所属」だからこそできたこと、考えたこと。そしてさらに、老いてゆく時間の中で、充実した豊かな時間の過ごし方として、「無所属の時間を生きる」という境地を述べている。

さらに城山さんは、生きる時間の残り少なくなった自分に言い聞かせる。

一日に一つでも、爽快だ、愉快だと思えることがあれば、それで「この日、この私は、生きた」と自ら慰めることができるのではないか。つまり、これは私の造語なのだが、「一日一快」でよしとしなければ。それでも、どう見ても快いことがないというならば、奥の手がある。「珊瑚の時間」つまり、晩餐後に、寝そべって好きな本を読む事である。短時間でもよい、好きな時間だけ読み、眠りに落ちる。

自分の時間を大切にしたいと想う。

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先を読む頭脳

2015-05-02 | 

 

★先を読む頭脳(新潮文庫)
(伊藤毅志と松原仁)が、羽生善治氏へのインタビュー
出版社: 新潮社

おなじみのポーズは羽生善治。この人は言うなれば至極普通の人であり、特にずば抜けた知能を持っている人という訳ではありませんが、将棋の世界ではずば抜けた「先を読む頭脳」の持ち主です。7冠達成の新聞特集は我が家では大切に保管されています。彼のサインももらいにいったこともあるくらいの大ファンです。

将棋の世界で、いかに彼はこれほどの高い勝率を保ち続けることができるのか。羽生善治が話す、勉強法、対局で大事にしていることなど興味深いことがいっぱい詰まっています。へぇーと驚くより、うんうんとうなづくことが多いお話です。

「持ち時間と思考」の中で、
《どんなに時間があっても、読みきれないものは読みきれません。ですから、仮に持ち時間が何十時間あっても結局、残りが一時間とか三十分にならないと踏ん切りがつかないのです。変な言い方ですが、時間はなくならないと意味がないのです》

絶妙な言い回しです。
名人ならではの言い方です。

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2015-04-20 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本を読んだ。

★猫
・著者:有馬頼義/猪熊弦一郎/井伏鱒二/大佛次郎/小高京子/
 坂西志保/瀧井孝作/谷崎潤一郎/壷井栄/寺田寅彦/柳田邦男/
 クラフト・エヴィング商會
・出版社:中央公論新社

僕はがちがちのネコ派です。
猫の姿を観るだけで幸せなります。
猫に触るだけで体調が良くなります。
外で野良に声をかけると、たいてい彼らの方から寄ってきます。
どうやら仲間だなと感じるようです。

さて、今日の本、
猫好き作家の愛情たっぷり文章が味わえます。
作家のそれぞれの個性があり、
それぞれの時代があるんですが、
それぞれの猫に対する滋味あふれる心情が綴られています。

中でも、
猫を異常なほど溺愛していると思われたのが、
文豪、谷崎潤一郎でした。
ただならぬ愛で方です。

まず、文章を紹介。

ねこ
動物の中で一番のきりょう好しは猫族類でせうね。猫、豹、虎、獅子、みんな美しい。美しいがどれが一番いいかといえば猫ですね。第一眼がいい、それから鼻の格好が素的だ。獅子や虎や豹は、鼻筋が顔面に比べて長過ぎます。だから間がのびてきりつとしたところがない。そこへいくと猫の鼻は理想的です、長からず短からず、ほどよき調和を保って、眼と眼の間から、口もとスーッと伸びる線の美しさは何とも言えない。中でもペルシャ猫のが一等よろしい。あんなにキリッと引き締まったいい顔をした動物が他にあるでしょうか。

と、まず顔の賛美からはじまり、
猫の媚態の限りを尽くした甘え方まで見事に表現している。

猫ちゃんの美しさを的確にとらえています。
さすが文豪と唸ります。

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葉桜の季節に君を想うということ

2015-04-19 | 

 

 

★葉桜の季節に君を想うということ
著者:歌野晶午

《現代ミステリーのベスト1です》と文庫版の帯に書いてあります。
(これは誇大広告です!たぶん)
2004年のあらゆるミステリーの賞を総なめにしたということらしい。
そういえば、あの頃、タイトルの素敵なミステリーがあったなと想い出しました。

さっそく文庫本購入、途中、何度も何か変だなーと思いながら読み進め、
ラスト、作者のとんでもないトリックに
《えっ?》
とガクンです。
やっぱりなー、妙にシニアっぽい雰囲気、レトロっぽい雰囲気でおかしいなとは思ったけど。
トリックを知ってしまうと、それまで読んだページが急にセピア色に色褪せました。
こういうのはトリックというのだろうか?
情報操作というのでは?
巧妙です。

 

こういう手法を《叙述トリック》という。
人物や事件に関する記述を意図的に伏せることで、読者の先入観を利用し、ラストの予想外の衝撃をもたらすというやり方。
ミステリーではよく使われる。
が、できればこの手法を使わず、心地よく騙してほしい。

でも読んで愉しかった。 

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新参者

2015-02-01 | 

本を読んだ。

★新参者(文庫本)
著者:東野圭吾
出版社:講談社

着任したばかりの刑事・加賀恭一郎、未知の土地を歩き回る。
人形町界隈が舞台だというので読んでみました。
人形町といえば、時代劇にもよく登場する地。
今も江戸情緒がほんのりただ酔う。
京都と東京のスキヤキ食べ比べということで、とある有名なお店さんへ行ったことがあります。
ゆらりゆらり辺りを散策した時、京都にも良く似た懐かしい雰囲気を感じました。

さて、お話は、
初めは、《これは推理物か?》と。
ミステリー物というよりは、江戸の人情物といったほうがいいような気がしたくらいです。
しかしさすがストーリーテラー東野さんです。
被害女性の人柄を少しずつ明らかにしながら、彼女に関わる人々の《想い》が語られます。
刑事・加賀恭一郎の眼は、東野さんの眼そのもの。
東野さんの人柄を改めて知らされる作品となりました。

 

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セカイからもっと近くに 現実から切り離された文学の諸問題

2015-01-13 | 

本を読んだ。

★セカイからもっと近くに 現実から切り離された文学の諸問題
著者:東浩紀
出版社:東京創元社 (2013/12)

ぼくたちはどうやら、想像力と現実、虚構と現実、、文学と社会が切り離された時代に生きています。文学が社会に与える影響はかってなく小さく、逆に社会が文学に影響を与える影響もかってなく少ない。(略) 本書は、以上のような状況認識のもとで、それでも想像力と現実を、あるいは文学と社会を、それぞれの方法で再縫合しようと試みてしまっている四人の作家を選び、主要作品の読解を試みた本です(「はじめに」より)
第一章 新井素子と家族の問題
第二章 法月綸太郎と恋愛の問題
第三章 押井守とループの問題
第四章 小松左京と未来の問題

本の詳しい内容については
⇒⇒⇒東京創元社ウェブマガジン

押井守と小松左京に関する評論は非情に興味があった。
そもそもこの二人を文学評論として取り上げること自体が驚きである。
押井守はアニメ映像作家であるし、
小松左京は今はほとんど読まれない忘れ去られたSF作家である。
現代作家論から、この二人に辿り着くという設定は、
多少無理のある言葉遊び的要素もないではないが、
簡潔明瞭で読んで面白い。
面白いということは意味のあることだ。
東浩紀は小説家に転身したらしいので、彼の文学も読んでみよう。

 

 

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雪のひとひら

2015-01-05 | 

本を読んだ。

★雪のひとひら(文庫本)
著者:ポール・ギャリコ
訳者:矢川澄子

出版社:新潮社 (2008/11/27)
本屋さんで見つける。
《おお、ポール・ギャリコではないか。読んでみよう》
先日の猫の本が鮮やかに蘇り、さっそく読んでみました。

ある寒い日、雪のひとひらは生まれた。地上に舞いおりたときから、彼女の長い旅がはじまった。伴侶となる雨のしずくとの出会い、新たな命の誕生。幸福なときも試練のときも、彼女は愛する者のために生きた。やがて訪れた、夫との永遠の別れ、子どもたちの門出。雪のひとひらは、その最期の瞬間、自らの生の意味を深く悟る――。自然の姿に託して女性の人生を綴る、優しく美しい物語。(新潮社紹介文より)

かわいい、美しいお話でした。
《女の一生》を童話風にしたら、こんなすてきな物語ができましたということでしょうか。
寒いこの季節にぴったりです。
女性の心情にピッタリ寄り添った
ポール・ギャリコのキラキラした物語にはびっくりします。
訳文も奇麗な響きです。

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京都嵐電殺人事件

2014-06-28 | 

 

★京都嵐電殺人事件
西村京太郎
出版社:光文社

モボ21型のレトロな嵐電が好きだ。
太秦や三条通り辺りを走っている姿は、かっての京都市電を思い出させる。
運賃が均一というのが嬉しい。
凄い!の一言に尽きる。

感激ついでに告白すると、
西村京太郎さんの本を読むのが、今回初めてである。
あの有名な十津川警部を文章で読むのが初めてである。
ちょっと不思議な感じがしたが、、、。
事件を追いかける手順はさすが手慣れたもんです。

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時のみぞ知る(上、下)ークリフトン年代記 第1部:ジェフリー・アーチャー

2013-05-30 | 

 

 

ちょっと興奮するストーリー。
読み終えた今、
すぐにも続きが読みたい。
たのむ、読ませてくれー。

とはいっても、日本では続編はまだ出ていない。
イギリスでは三部まで出版されているそうなんで、(とにかく売れているそうです)
何とか手に入れることはできるが、やはり英語読みはストレスがかかる。
やはり翻訳を待ちましょう。
しかし、その後の展開が気になるなるなぁ。

訳者あとがきで。
アーチャーは毎朝鏡に向かって、「どのみちフィッツジェラルドのようにはなれっこないだろう。彼は作家だったが、君はストリー・テラーに過ぎない」と自戒の言葉をつぶやくのがつねだったそうですが、彼がいかに偉大なストーリー・テラーであるかは(よしんば作家でないとしても)その後の作品群をみれば疑いの余地はないでしょう。

納得。

★時のみぞ知るークリフトン年代記 第1部 上巻、下巻(新潮文庫)
著者:ジェフリー・アーチャー
訳者:戸田 裕之
出版社: 新潮社 (2013/4/27)

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★ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上)(下)

2012-01-21 | 

 

 ★ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上)(下) 

2012年 01月 21日 

★ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上)(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:スティーグ・ラーソン
翻訳:ヘレンハルメ 美穂 、岩澤 雅利
出版社: 早川書房


まずは第一部《ドラゴン・タトゥーの女 》を読む。
映画以上に濃厚な、深遠な、そしてエキサイトな《ミレニアムの世界》に突入。
読み始めたら止まらなかった。
先に映画の方を観ているので、あらすじはわかっているが、原作の方がはるかに面白い。
人物描写、彼らの心の動きが詳細に語られ、
読者をどんどん引き込んでゆく筆者スティーグ・ラーソン の筆力が凄い。
筆者はいわゆる仕事中毒者のヘビースモーカーとか。
彼の仕事ぶりが眼に浮かぶ。
しかし、彼はもういない。
有能なヤツほど先に死ぬ。

ミカエル・ブルムクヴィストとリスベット・サランデルは
《ibook》をモバイルマシンとして使っている。
そしてリスベットは当時最高性能と言われた、
PowerBookをつかってハッキングをした。
そして、さらに新発見は、
リスベットのバイクは《カワサキ125cc》。
思わず心が躍る。

 

 

 


★ミレニアム2 火と戯れる女(上)(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:スティーグ・ラーソン
翻訳:ヘレンハルメ 美穂 、岩澤 雅利
出版社: 早川書房

映画より面白いんだから。


第二部の主役はリスベット・サランデル。
頭脳明晰、映像記憶能力を備えた天才ハッカー。
《本書ミレニアムの魅力》は彼女の個性に負うところが多い。
読み始めは、第一部の余韻に浸っているが、凄惨な殺人事件が起こり、
そしてしだいにリスベットの壮絶な過去が明らかになる。
彼女の孤独な戦いには心が痛み、
これからさらに巨大な組織に戦いを挑む姿に胸が打たれる。


呆れるくらいに登場人物が多い。
しかも、個性的人物ばかり。
筆者のスティーグ・ラーソンはこまめに一人ひとりを詳しく描写してくれる。
カタカナ名詞を整理しながら読み進めるのはかなり大変な作業だが、
怒涛の展開に飽きることなし。

 

 

 


★ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上)(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:スティーグ・ラーソン
翻訳:ヘレンハルメ 美穂 、岩澤 雅利
出版社: 早川書房

 


《ミレニアム2》の続編、ラストまで、とにかくイッキ読みです。
ここまでいれこむ本は最近には珍しく、
読み終えた後も、しばらくボーと余韻に浸るのも珍しい。
登場キャラの凄さと、作家スティーグ・ラーソンの仕事中毒ぶりに圧倒されっぱなし。
読後数日経て、今、ようやく麻痺状態から回復です。

 

これだけのものを書くと、やはり命を縮めるなぁとマジに思ってしまう。
とはいえ、クリエーターは命を賭けないと《凄み》を生み出せない。
4部、5部とさらに続きが構想されていたようですが、
作家自身がいないのでただただ惜しい、惜しいと、
続きの《ミレニアムの世界》を勝手に想像するだけ。

 

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