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The Picture of Dorian Gray

2010年06月13日 | ★YL3
The Picture of Dorian Gray: Elementary Level (Macmillan Readers)

作者:Oscar Wilde
ジャンル:古典 ヒューマン
種類:ペーパーバック GR
YL:3.0
ページ数:60ページ
語数:12953語
お気に入り度:☆☆☆☆☆
Macmillan Education
 

ストーリー
ブロンドの髪、青い瞳をもった美しい青年Dorian Gray。パーティーでDorianに出会った芸術家のBasil Hallwardは彼の肖像画を描いていた。その肖像画は人には見せたくないほど素晴らしい出来に仕上がり、Basiは作品をDorianに譲ることにした。
しかし、問題はBasilの友人Lord Henry Watton(Harry)Dorianを会わせてしまったことだ。Harryの存在は、若く純粋なDorianに悪い影響を与えることは分かっていた。
案の定、Harryは若く美しいうちに、悪いこともいいことも、やりたいことはなんでもやって、人生を楽しむべきだ、などと会うたびにDorianに説いた。若いDorianはHarryの考えに影響され、Londonの街中を遊びまわるようになり、いつしか冷徹な心を持つようになってしまった。
そんなある夜、自分の肖像画が変化していることに気が付き、Dorianは驚いた。若く美しいDorian肖像画ではなくなっていたのだ。
Basilから肖像画を譲り受けたとき、肖像画が自分の代わりに年をとってくれたら、と願ったことが現実となったのだ。

感想
オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」の簡約版。Dorianの行く末が気になって、思わず一気読みするくらい面白かったです。肖像画がこういう役割で使われているのは意外で面白かったです。
とにかく同性から見ても魅力的でかなりの美貌を持ったDorian GrayHarryの話に影響されて、その美貌と若さに執着し、恋愛で思い通りにならないとなると、冷酷で、自分勝手で、醜い心を持った人間になっていきます。どこまで堕ちていくのかDorian Gray・・・ああ、奈落の底まで・・・というくらいひどい

Harryは何がしたかったのでしょうか?Dorianの美貌や境遇に惹かれるのはわかりますが・・・。この本ではthe evil thingという言葉以外に特に悪いことを言っている風には思えず。若いうちにやりたいことは何でもやれ、というのは、良いほうにも悪いほうにも聞こえますし。悪意があったのかなかったのか、単に面白がっているだけなのか、いまいち掴めませんでした。実際、どんな言葉でDorianをそそのかしたのか、何を教えたのか、原作を読んでみないことには分かりませんね。Dorianにとっては悪魔のささやきだった?

肖像画については自分の代わりに年をとっているというより、彼の内面の醜を表しているのは明らか。彼もそのことはおそらく分かっていたはずですが・・・救いようがないですね。状況もDorianに都合のいいほうに転がり、誰も彼を止める人がいなかったのはDorianにとっては不幸だったかも。問題作って感じです。
同じように主人公が悪事を働く話Crime and Punishment(PGR6)(09/10/23)よりは面白かったかな。Crime and Punishmentは、じめっとした雰囲気で悲壮感漂うのですが、Dorianは裕福な貴族でいまいち同情の余地がないし、肖像画の不思議さも手伝って、とことん堕ちて痛い目にあえばいいのさ、というスパッとした気分で読めました。

Comments (2)
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