日々、あんのん。

からだの育ちの凸凹、学習のスタートラインにつけない人のもっと学びたい、発達したいを応援します。

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2014-11-20 15:34:18 | 発達応援
 食欲の秋、冬眠の冬。
寒さに備えるためなのか、冬眠に向けてなのか、よく食べています。
「そんなに食べなくても、食料はなくならないし、冬眠もしませんよ」、と
自分に言い聞かせる毎日です。

 私は、わりと、いや、かなり、おしゃべりなので、
結構、終わりもなければ、オチもない話をだらだらと続けることができます。
時間のムダといえば、ムダですから、
そういうことは、それが許される、親しい人と楽しんでいます。

 去年まで住んでいた種子島では、毎夕一緒にウォーキングする友人がいて、
1時間か1時間半てくてくてくてく、歩きつつ、ずぅーーーーーーっとしゃべっていました。
時には真剣に、時には大笑いしながら、からだにも精神的にもとても良い時間でした。

 そういうおしゃべりが苦手な子どももいますよね。
中学校で一緒に勉強した子どもで、孤独ではないものの、
なんだか、うまく友人関係を結べない子がいました。

 本人は、まったくそんなつもりはないのですが、
「なんで、あんたはいつもそんなに上から目線なのよ!!!!!」とキツくいわれて、
「立ってるから。」と飄々と言ってのけた子でした。

 その場では、キツい空気も笑に変わり、
まぁ、めでたしなのですが、万事がそうはいきません。
だいたい、ぽつんとした状態になっていました。

 その子は、中学で吹奏楽部に入って、高校生の現在も続けています。
楽器はトロンボーンなのですが、音もうまく出せないし、楽譜も読めずに、
その状態が、中2くらいまで続いていたと思います。
家に楽器を持ち帰り、練習もして、
途中から、出せる一音の部分だけ吹いたりしながら、
3年間、部活を楽しみ、高校に入ってまでも続けた訳です。

 部活の顧問の先生の話や同じ部活の他の子どもたちの話では、
音が出せずに、口パクならぬ吹いてるフリだけだったり、
後輩も入部してきて、そちらのほうがうまかったり、
なんとも、しんどい部分もあったのではないかと、推測せずにはいられませんでした。

 でも、演奏会を聴きにいって、
その子の演奏している様子を見て、そんな考えは吹き飛びました。

 普段、他の子が話していることに興味ある顔もしない、
話のみならず、自分以外の人のことに興味すらない感じのその子が、
真剣な表情で、他の人が出す音に耳を傾け、自分の楽器の出番を待っています。
自分の出番はなくて、手拍子をする場面でも、
ちらっと横目を使い、ほかの人の手拍子に合わせています。

 すべての演奏が終わった後、
血の気の引いたような真っ白だった顔が、ばら色のような血色になっていました。

 本人もわからないところで、吹奏楽というツールを通して、
みんなと音を合わせるということが、その子が気持ちをだれかと共有する、
そういう感覚があるんじゃないのかな、と演奏会を聴きにいって思うことでした。
そして、ほかの人と共感する気持ちよい感覚が、
吹奏楽がその子を魅了した理由のような気がしました。

 話すだけが、コミュニケーションではないですね。
自分に合った、そういうものが見つかると、しあわせなことだし、
生きていく上での支えにもなり得ますね。

 


コメント
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