澳門 議事亭前地Largo do Senado
旧正月のマカオ セナド広場
亜美的時間2 Amey'sTime2
《恋する天使》と9月あれこれ
9月になってから激的に忙しく、体調いまいち、そして台風が発生(泣)と
まるで香港行きを邪魔しているような色々で頭が痛いです。
先月末から9月初めまで
いろいろと世の中が変化する時期が来たのかもしれません。
衆議院選挙は議員の勢力を180度ひっくり返したし、
香港では四大天王のうち独身は一人になってしまいました。
おまけにミリアムも結婚(した?する?)、イーソンが日本に本格的に進出だそうで。
ほんとうに明星は大変です。イーソンは頑張ってください。
コンサートしてくれたら行きます。
そして《カムイ外伝》のプロモーションなどでイーキンがまた来日するようです。
映画のプレミアの他に関谷元子さんの
〈関谷元子のワンダーランドアジア〉にも出演されるようです。詳細はこちら
9月12日のイベントなのでレスリーの思い出話から始まるようです。
管理人はまた香港ですのでもちろん参加できません。残念です。
9月3日はさる香港に本店のあるSHOPの閉店SALE(涙)に行きました。
某Lさん、お世話になりました。おしゃべりしていた間が一番楽しかったです。
戦利品は飾って眺めています。そのうちブログでもご紹介するかも…
そんなこんなでバタバタしていますが
MATVでは今月はレスリーの出演作《恋する天使(大三元)》が放映されます。
詳細はMATVの番組表でどうぞ。
《恋する天使(大三元)》ではマカオのペンニャ教会で撮影されています。
内部も使われていますのでマカオまで行かれたら必見です。
(懺悔室は同じでななかったですが)近くには「レスすべ」で撮影された
元のホテル・ベラ・ヴィスタ、今はポルトガル領事公邸があります。
ペンニャ教会はブログのこちらでご紹介。
先月は《歌って恋して(九星報喜)》でした。今月も再放映があるでしょう。
また同じくCS・チャンネルNECOでは《アンナ・マデリーナ》が放映されます。
金城クン特集ですけど(汗)
最近レスリーの映画のロケ地で検索アクセスがたくさん来ています。
来週は香港のロケ地MAPを簡単にまとめてupできたらいいな…と思ってますが
出発まで時間がないのです…
それまで待てない~という方はブログの右サイドバーでカテゴリの
「旅行・ロケ地巡りと情報/旅游」をクリックして
2007年9月、2008年4月、2009年2月の香港旅行記を読んでください。
香港ではまた新しくロケ地を探索してくるつもりですが暑そうですね。
体力温存で行かなければなりません。
追記
twitterが貼りつけられるようになった~と喜んでいたが
このテンプレートではだめらしい(怒)
早くカスタムの仲間入りさせてください。
文藝春秋SPECIAL
5月末には発売されていたのですが紹介が遅くなりました。
文藝春秋SPECIAL 2009年 07月号の特集は
映画が人生を教えてくれた
この中の「私が泣いた映画」特集に作家の亀和田武氏の
【『欲望の翼』に自分を重ねて】という一文が掲載されています。
亀和田氏はビデオでも30回以上、気に入ったシーンだけ観た回数は500回を超えるそうです。
よくぞこの作品を選んでくれました。それだけでも嬉しくなって書店に駆け込んだ管理人。
予想通り、アジア映画作品は数少ない中で、『欲望の翼』が選ばれていました。
他は海外の古典とも言われる名作と日本映画の作品が多く、
読者のターゲットは管理人よりももっと上の年代であることは確かですが、
レスリーの演技に絞って書いてあるのもファンとしては嬉しいのです。
文藝春秋SPECIAL (スペシャル) 2009年 07月号 [雑誌]文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
爾冬陞 イー・トンシン映画祭 《夢翔ける人 色情男女》
原題:色情男女 Viva Erotica 1996年
監督・爾冬陞 羅志良
脚本:爾冬陞 羅志良 卡文
音楽:許願
撮影:馬楚成
出演:張國榮 莫文蔚 舒淇 羅家英 秦沛 徐錦江 劉青雲 黃秋生
張同祖 陳森 黃岳泰 敖志君 谷昭 木星 王日平 元彬
【STORY】
売れない映画監督 阿星(張國榮)と同棲中の恋人May(莫文蔚)
阿星の書いた脚本にスポンサーが現れたとプロデューサーの阿蟲(羅家英)から連絡が入る。
スポンサーの黒社会のボス(秦沛)は金も出すが口も出す。
主演女優は自分の彼女・夢嬌(舒淇)を無理やり押し付ける。
やる気のない夢嬌にいらだつ阿星、スタッフとの意見の食い違いも…
香港映画が斜陽になる中、スタッフや俳優たちの苦悩や葛藤、
困難を乗り越えて阿星は映画人として監督として成長していく。
香港映画に対する愛と情熱が伝わってくる佳作。
レスリーが三級片に出演、と話題になった作品。
舞台は三級片を撮る撮影現場ですが、そこには映画製作に情熱を燃やす
本当の映画人たちがたくさん友情出演している。
そして役柄も映画のスタッフたちなど現実と交錯している。
※以下画像をとりあえずup、のちほど追記します。
5月30日追記
↑友情出演の劉青雲は監督の爾冬陞がモデルであろう映画監督「爾東陞」役。
《新・不了情》で主演したので監督つながりでの友情出演でしょう。
彼がダイブする碼頭は油麻底碼頭だと思うのですがここは埋め立てられて、
今はもう映画のような景色は残っていないのではないかしら?
確か2000年初頭にはまだ残っていたと聞いているのですが…
↑同じく友情出演?秋生さん、この時の方が今より貫録有り有り(笑)
王監督って、王晶監督?
お隣のひげとメガネの助監督役の方は木星。
本業は助監督、でもスチールカメラマンとしても有名で、
『木星影相』という写真集には《色情男女》のレスリーやカレンの姿もあります。
いずれブログでもご紹介いたします。
↑金像奨授賞式(阿星の妄想)でのプレゼンター役で張同祖監督。
香港映画では出演者としても良く知られています。
《金枝玉葉》《流星語》、《無間道Ⅱ》ではヤンとハウのパパですね。
現在は導演會栄誉会長さんだそうです。
↑阿星の仕事仲間の一人は今年後半の一番の話題作になりそうな
《十月圍城》の陳徳森(テディ・ロビン)監督。《十月圍城》の記事で写真見て
若く見えると思ってましたが、この頃と変わっていないかも。
5月31日追記
※すいません、少しづつ書き足しています。
↑《恋戦沖縄》で共演した谷徳昭(ヴィンセント・コク)。
この人も多才な方で脚本、演出、監督も手がけるマルチプレイヤー。
今年2月に香港で見た《家有囍事2009》の監督も手掛けています。
↑王日平(Roddy Wong Yat-Ping)
この方はどちらかというと、製作・プロデュースなどのお仕事が多いようです。
最近では話題の作品《天水圍的日與夜 (2008)》《 天水圍的夜與霧 (2009)》の製片など。
↑カメラマン役の敖志君(Peter Ngor Chi-Kwan ピーター・ゴウ)、本業も映画のカメラマン。
カメラマンとして参加した作品には《烈火青春 (1982)》《旺角卡門 (1988)》
《阿飛正傳 (1990)》《新不了情 (1993)》《投名狀 (2007)》他多くの作品を手掛けています。
が、俳優としても出演作は多く、《無間道Ⅱ》では殺される4人のボスのうちの一人でした。
※《阿飛正傳 (1990)》では攝影は 杜可風・敖志君 ・劉偉強 の3人がクレジットされています。
↑タクシーの運転手で、阿星(レスリー)とMay(カレン)に時計を売り込む役。
ポルノ映画でもいい作品がある、と話すこの方は元彬(Yuen Bun)
動作設計(アクション指導)としてたくさんの映画にかかわっています。
杜峰監督作品の《大事件 (2004)》《柔道龍虎榜 (2004)》《鐵三角 (2007)》《文雀 (2008) 》、
レスリー作品では《金玉滿堂 (1995)》の動作設計も手掛けています。
徐克作品、杜峰作品には以前から参加されています。
↑おまけ。
※《夢翔ける人 色情男女》のロケ地としては阿星たち映画人が集まっているバーが
尖沙咀の『Bottom Up』というバーではないか?というのを映画のプログラムで読みましたが、
この店は他にも《恋する惑星》《天使の涙》でも出てきます。
15年ほど前の店なので今はないでしょうね。次回確認してみます。
東邪西毒 終極版 香港で5月28日より一般公開
こちらの記事によると
《東邪西毒 終極版》は5月28日より香港で一般上映が始まるそうです。
全世界を1年かけて公式上映してきた《東邪西毒 終極版》は
香港に回帰し、5月28日から一般上映されます。
張國榮に対する特別の想いから、
そして張國榮の望みでもあった世界巡回上映を願ってやみません。
《東邪西毒》がアジアで上映された当時、
張國榮はこれが世界へ進出し欧米やカンヌで上映されることを心から願っていました。
15年を経てこのレスリーの願いを王家衛はかなえるため香港での上映に当たって
8枚の限定版ポストカードを発売する予定です。
以上管理人の「とっても希望的意訳」なので、正確には原文を読んでくださいませ。
しかしこの場合「全世界」に日本が入っていません(泣)
希望は今年の9月に一般公開、それが無理なら秋の映画祭で上映してくれませんか?…と言ってみる。
その前に「H1N1」が終息してくれたらなあ…
ところで、やっぱり「終極版」と「初版」では比べるとこんなにも違うのです。
シーン自体も少し違うし下の「初版」は印刷から起こした画像なので
(日本版LDの中の印刷物から)余計に違っているのかもしれません。
《東邪西毒 終極版》
《東邪西毒》
《東邪西毒 終極版》のこのシーンでマギーの持っている花は、
香港の花「バウヒニア」ではないかしら?
以上画像はすべてクリックすると大きい画像になります。
追記
時々お邪魔しているこちらのblog「大陸大熊猫は香港の夢を見る」さんに
限定版ポストカードについての詳細が記されています。
香港での販売は5月14日からOK便利店、HMV、一部の映画館で買えるそうです。
セットは「東邪」と「西毒」に分かれており、各108HKSです。
ポストカードは中に映画鑑賞券の引換券が入っている、ということらしいので
日本だと映画前売り券に特典としてポストカードが付いている感じなのでしょうか。
お値段が高めなのはそういう理由からなのですね。
画像から推測するとポスカのデザインはそれぞれの海報(ポスター)のデザインと同じか?
レスリー・チャン映画レビュー#32 大富之家
大富之家 IT'S A WONDERFUL LIFE(幸せはイブの夜に)
1994年2月06日~3月10日香港公開
香港興行収入 37,367,666HK$
(※張國榮的電影世界2より)
製作:黄百鳴
監製:黄百鳴
導演:高志林(家有囍事 花田囍事他)
出演:張國榮 毛舜筠 劉青雲 鄭裕玲 梁家輝 袁詠儀 黄百鳴
馮寶寶 曹達華 李香琴 關興 黄霑 李詠漢
【STORY】
裕福な任大寛YamTai-foon一家は
3人の息子(黄百鳴・梁家輝・李詠漢)、両親(曹達華・李香琴)と
功夫と書の達人の祖父(關興)の6人暮らし。
長男(黄百鳴)は妻に愛想を尽かされ離婚、娘ともなかなか会えない。
次男(梁家輝)は漫画家。父親と折り合いが悪く情緒不安定になることも。
三男(李詠漢)はおませで反抗期。
父親は子供や母親を叱ってばかりで話を聞こうともしない。
家族はバラバラでうまくいっていなかった。
唯一の娘(毛舜筠)がフランスから帰国することになり、
幼馴染のいとこ(劉青雲)も期待に胸ふくらませ空港に迎えに行くが
娘はボーイフレンドのRoberto(張國榮)を伴って帰国した。
おまけに家に彼を泊めると言う。
風体も行動も胡散臭いRobertoを最初は敬遠していた一家だが
彼の言動が家族をひとつに結び付けていく。
いとしのロバちゃん(思いつくままつらつらと)
この作品で一番の見どころはRoberto(張國榮)の外見(笑)
長髪、センター分け、ひげ(しかも無精ひげっぽい)
これで仕事もしないプー状態で女朋友の実家に転がりこめば
誰だって最初は引いてしまうかも。
これは推測だけど、まだ《東邪西毒(楽園の瑕》の撮影が続いていたからなのかしら?
しかしさすがというか、やっぱりレスリー。小汚くしていてもなんだかスノッブ。
編み物しているところなんて可愛いですね~
ママ(あの李香琴→こちらやこちら参照)が
Robertoロベルトと呼べなくて(発音できなくて)ロバちゃん、っていうのもいいです。
いとこ(劉青雲=若いんだけど・・・)が独りよがりのプロポーズをするところは
レスリーと林憶蓮のラジオドラマ(七年三日)にシチュエーションが似ています、
男性と女性が逆転してるけど。
ロバちゃんが毛毛とバーでする恋愛談議は本質を語っている、というか本音?
梁家輝と袁詠儀のシーンには
サイモンとガーファンクルの『四月になれば彼女は』が流れます。
この曲、管理人は大好きで、LPレコード持ってました。
この二人、イエテルさんの妄想シーンでコスプレしてますね。
袁詠儀はレスリーと伊豆の踊り子のコスプレする前に、これでもやってたのね。
この恐竜のいる展示場はマカオ?
どうやらマカオでロケをしたらしいのですが、まだどのシーンか未確認。
空港は昔の啓徳空港が出てくるのですが、レスリーが車中から
「わあ、まだあそこは変わらないんだね」(うろおぼえ)
みたいなことを言う公園?は確か《浮生六劫》にも出てきたと思う。
まさかその時のセルフパロディではないと思うけど気になるセリフでした。
おじいちゃんの關興は元祖「黄飛鴻」で有名。この作品が最後の出演だったそうです。実際に武道と書がうまく、映画の中でも「無影脚」と言う言葉が出てくるが
これは先観た「カンフー・パンダ」にも出てきます。
カンフー映画好きにはおなじみの言葉です。
長男の元妻役の馮寶寶、着物が似合ってるわ~
家は淺水灣か赤柱あたりにあるのかな?
釣りをしてる場所がどこか、探さなきゃ…
※香港では1994年旧正月映画として公開。
日本では劇場未公開のままDVDが発売されたが今は廃盤でしょうか?
Amazon自体には今は在庫がない模様。他のところは探してません。
(劇中に著作権に触れそうな映像とかあったし、公開は無理だったのかも…)
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レスリー・チャン映画レビュー#31 白髪魔女傳
白髪魔女傳 THE BRIDE WITH WHITE HAIR(キラーウルフ 白髪魔女伝)
1993年8月26日~9月23日香港公開
香港興行収入 19,869,359HK$
(※張國榮的電影世界2より)
製作:黄百鳴
監製:高志林
導演:于仁泰(夜半歌聲 SPIRIT)
原作:梁羽生
服装造型設計:ワダエミ(乱 宗家の三姉妹 HERO/英雄)
美術指導:馬磐超(夜半歌聲 宗家の三姉妹)
撮影:鮑徳熹(夜半歌聲 グリーン・デスティニー)
主題曲:<紅顔白髪>
作曲・主唱:張國榮
作詞:林夕
出演:張國榮 林青霞 呉鎮宇
原作は梁羽生の武侠小説「白髪魔女傳」
Wikipediaによる解説はここで
映画のほうは少々ストーリーが改編されているが
主人公達の愛憎劇が物語の中軸をなしているというのは同じ。
【STORY】
時は明の時代後半、武當派に預けられた少年の卓一航(張國榮)は
ある日道に迷い、魔教の支配する土地に紛れ込み狼に襲われそうになる。
少女の吹く美しい笛の音が聞こえ、狼は少女の下へと去っていく。
一航は呉三桂という役人に助けられる。
成長した卓一航は一派の次の盟主と期待されていた。
ある日明の兵隊に襲われた村人を助けようとした一航は
魔教集団「姫無雙」の美しい女(林青霞)に出会う。
この女こそ昔、笛を吹いていた狼少女だった。
魅かれあうふたりは滝の中で愛を交わす。
女は練虹裳と名前を一航につけてもらう。
しかし魔教集団討伐を計画していた武當派が襲われ盟主が犠牲になった事から
一航は練虹裳の仕業と誤解し刃を向ける。
愛に純粋な練虹裳は一航に裏切られ髪が一夜にして真っ白になる。
※ ※ ※ ※ ※
一番印象的なシーンは、やっぱり滝の中でのラブシーン。
美しい二人が滝に打たれ水中で愛を交わすシーンは
今まで見た映画のラブシーンの中でもBEST3に入るほどの心に残るシーンです。
そしてレスリーの卓一航という役柄だがそれまでの武侠映画とは違い
権力や権威よりは愛情・情緒を大切に、そして逞しく色気のある武術家という
今までにない役柄が新鮮でよく似合っていました。
物語の中で呉三桂という人物はこの続編「白髪魔女傳2」でも登場。
実は、物語の鍵を握る人物なのです。
そして一航が10年間干雪峰で守り通した「優曇華」の花は
「白髪魔女傳」の続きの作品「七剣下天山」にも引き継がれ
卓一航と白髪魔女のその後が語られています。
原作と映画のストーリーはここが違っています。
以前ワダエミさんの衣装展に行った時、
香港電影金像奨のトロフィーが展示してありました。
ブログの記事はこちら
この映画のもうひとつの見所は衣装のすばらしさです。
以前ご紹介した 香港電影美術1979-2001「繁花盛放」という書籍に
白髪魔女傳の衣装についての記述があります。
以前の記事はここに
花嫁衣裳だと思います。衣裳もさることながらその下の夜具を表す布で編んだ
織物がすごいですね。
林青霞の頭の部分のベールにつけてある刺繍と貝がらやビーズなどの飾り。
それらだけでもとてもすごいのですがあわせてある布が非常にすばらしいです。
布好きにはたまりません(笑)
レスリーの着ていた、かすりのような藍染のような衣裳も
すばらしく凝った布地で作ってありました。
これは写真集「Attractive」で衣裳のアップの写真を見て初めて
とても凝った布地を使ってあるのがよくわかります。
ボタンも良く見ると反陰陽の模様です。
また袖の部分も凝ったデザインが使われています。
極めつけは怪演・呉鎮宇と双子の姉の衣裳。すごいとしか言いようがありません。
怪しさとエキゾチックと情念、怨念を組み合わせるとこんな表現に
たどり着くのでしょうか?
下に現在出ているソフトの紹介をしていますが、香港版は管理人の持っている
DVDとも特典映像が違っているようなので興味津々です。
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レスリー・チャン 映画レビュー#30
射英雄傳之東成西就The Eagle Shooting Heroes(大英雄)
1993年2月5日~3月5日 香港公開
香港興行収入 23,463,120HK$(1993年香港映画興行収入9位)
(※張國榮的電影世界2より)
導演:劉鎮偉(ジェフ・ラウ)
監製:王家衛
動作/武術指導:洪金寶
美術總監:張叔平
音楽:黄霑 雷頌
出演:張國榮、林青霞、張曼玉、梁朝偉、張学友、梁家輝、王祖賢、劉嘉玲、鐘鎮濤、葉玉卿
王家衛の映画東邪西毒(楽園の瑕)の撮影がなかなか開始されずにいた時、
1993年旧正月公開用映画を、待機中の東邪西毒の出演者で
短期間(1週間と言われている)で撮影されました。
金庸作の武侠小説 射英雄傳が原作ですが
原作にはない東邪・西毒・北丐・南帝の若い頃のストーリーです。
【STORY】
金輪国の王妃(葉玉卿)は従兄弟の歐陽峰:フォン(梁朝偉)と謀反を起こし
国の印である"王印”を渡せと国王に迫るが
王印は第三王女(林青霞)がすでに持ち出していた。
占い師(張曼玉)から飛行靴を手に入れたフォンは
第三王女を追いかけて飛行中に火を噴いた靴の片方を投げ捨てた。
全真教の教主:王重陽(鍾鎮濤)の頭にその靴が刺さり王重陽は死んでしまう。
居合わせた第三王女は重陽から
弟弟子の周伯通:チョウ(劉嘉玲)に遺言を伝えるよう依頼される。
周伯通は第三王女が王重陽の上着を持っているのを目撃して
兄弟子を殺したのは第三王女と思い込みその後を追う。
第三王女の婚約者である大理国の段王爺:タン(梁家輝)は
祖父の上皇に、姓が黄で胸に666のあざのある人から「愛してる」と3回言われれば
仙人になれると言われ、真の恋人を探しに出る。
九宮山では黄藥師:ヤオシ(張國榮)と恋人の妹弟子(王祖賢)が仲良く
「流し目剣法」の修行をしているところに
第三王女が九宮の老師に会いにやってくる。
ヤオシは第三王女にひと目惚れしてしまう。
老師の勧めでヤオシは王女と共に「九陰真経典」を探しに丹霞山へと向う。
ヤオシと王女の後を追う妹弟子の前に、従兄弟であるという洪七公:ホンチ(張學友)が表れる。
従姉妹にプロポーズしたものの、ふられたホンチは
崖から飛び降りたところで墜落していたフォンに出会う。
殺してくれと頼むホンチに技をかけようとしてことごとくやられるフォン。
ふたりはなぜか行動を共にする。
九陰真経典を探す第三王女とヤオシ、二人を追ってチョウ、妹弟子、
さらに真の恋人を探すタン、経典を狙うフォンと行動を共にするホンチ、
皆がある町の同じ宿屋に集まる。
はたして経典の行方は?金輪国の運命は?
そしてそれぞれの恋の行方は?・・・
導演(監督)は東邪西毒の監製(プロデューサー)劉鎮偉。
劉鎮偉といえば≪射英雄傳之東成西就≫(大英雄)以外にも
≪92黒玫瑰對黒玫瑰≫(黒薔薇VS黒薔薇)
≪西遊記 第壱佰零壱回之月光寶盒≫(チャイニーズ・オデッセイ西遊記其の壱)
≪西遊記 大結局之仙履奇縁≫(チャイニーズ・オデッセイ 西遊記 其の弐)
と、管理人が大好きな作品を多く監督しています。
彼の作品は多くが喜劇なのですが、笑いの中にも底辺に流れる悲しさや、
ノスタルジア、人生のアイロニーを感じてしまう作品が多いです。
さてこの作品を見るうえで、原作を読んでおくのも面白いかもしれません。
ストーリーは原作の射英雄傳とは関係ないのですが、
登場人物は重なっていますから彼らの得意技や衣装、持ち物の理解が深まります。
いろんな小道具は金庸の小説に出てくるものです。
ヤオシの得意技・指神弾(弾指神通)、フォンの得意技・蛤蟆(がま)功など
映画≪カンフーハッスル≫でもおなじみの技が出てきます。
ホンチはなぜ長い棒を持っているのか?とか、
映画の前半でヤオシが第三王女に脈を取られるシーンがありますが、
これが後半のあるシーンの伏線となっているように
あちこちに金庸の武侠小説を読んでいるとよく理解できる場面があります。
また映画の中の音楽の使い方にも特徴があります。
音楽や歌と踊りを組み合わせた、プチミュージカル風の演出です。
制作期間が短かったのでクラシック音楽や
香港でなじみのある古い歌を多用しています。
ホンチが歌いフォンがパーカッションで応援する≪我Love你≫は
ロッシーニのウィリアムテル序曲、その他に4羽の白鳥の踊り、カルメン等々。
ヤオシとタンのデュエット≪做對相思燕≫は作詞がレスリー、
タン(梁家輝)が女装して歌う2曲は共に音楽の黄霑が代わりに歌っています。
そして張学友が歌う主題歌の≪誰是大英雄≫は1981年に許冠傑が歌った
≪打雀英雄傳≫と同じ曲です。この曲、劉徳華も歌っていた記憶が・・・
◆YouTubeで映画撮影開始の時のインタビューがここに
↑はとにかくみんな最初からテンション上がりまくりです。
レスリーもレポーターの古巨基相手に技(爆)をやってます。
林青霞にも茶々をいれてます。
この時の写真がこういう生写になるんですね。
大英雄ビデオメーカーこのアイテムの詳細を見る |
YesAsiaでは残念なことに現在在庫切れです。
管理人は最初は字幕版ビデオで見て、その後広東語版を購入。
射雕英雄伝―金庸武侠小説集 (1)徳間書店このアイテムの詳細を見る |
射雕英雄伝―金庸武侠小説集 (2)徳間書店このアイテムの詳細を見る |
射雕英雄伝―金庸武侠小説集 (3)徳間書店このアイテムの詳細を見る |
射=英雄伝〈4〉雲南大理の帝王徳間書店このアイテムの詳細を見る |
射雕英雄伝〈5〉サマルカンドの攻防徳間書店このアイテムの詳細を見る |
原作の文庫が5巻すべて出ています。
すべてはここから始まった
レスリーのRTHKドラマシリーズを一気観して、
さてレビューを書きましょうかと思い、
また見直しているうちに違うことを書きたくなってしまいました(爆)
今年は日本でも「覇王別姫芸術展」が開催されますが、
それに関連して個人的に興味のある、
レスリーがどうして覇王別姫に出演したのか?
その経緯の検証と映画公開までの道のりを新しくカテゴリーを作って
こつこつエントリーしてみようかな、と考えました。
今まで散々語りつくされたことでもあるし、
自己満足で終わるかもしれませんが・・・
歳月河山:我家的女人 Heritage:The Young Concubine
RTHK1980年放送のこのドラマはDVD特典
◆經典情未了ー歳月留星 の中で
主事の張堅庭(アルフレッド・チョン)や導演の黄敬強が、
我家的女人は1910年代~20年代の設定などで、ロケ場所を探して
とても苦労した、と語っています。
また時代考証もしっかりと脚本の李碧華が取材して取り入れている、
とも語っていました。
ここで管理人は、我家的女人も李碧華の脚本だったことを思い出しました。
李碧華といえば「覇王別姫」の原作者、
すべてはここから始まったのかと・・・感慨深いものがありました。
改めて自分の記憶力の減退に呆然としたのですが、気を取り直して・・・
1981年にRTHKで覇王別姫TV版が放映されています。
もちろん脚本は李碧華で、
この時程蝶衣役にレスリーがオファーされているのです。
それはレスリー自身が映画「覇王別姫」の完成後インタビューで答えています。
「覇王別姫」DVD香港版の特典DVD製作特輯(メイキング)にも収録されています。
◆製作篇
陳凱歌監督に続きレスリーは
私はまず李碧華に感謝しなければならない。
というのも彼女の2冊の小説の中の男優の役は
李碧華が自分(レスリー)をイメージして(プロトタイプ)台本を書いた。
私が最初にこの小説に出会った時、
その本を自分で買ったのは12年前のことだ。
そのころはこの役柄が論議を呼ぶものだったので、自分は気に入っていたが、
当時は歌手としての一般的な自分のイメージもあり役に挑戦できなかった。
今は俳優に専念しているし二度と歌は歌わないので状況が変わった。
シリアスな俳優としてチャレンジできた
以上大雑把な訳です。
インタビューは映画完成後の1992年当時と思われるので12年前ということは
レスリーは1980年には原作を読んでいたのですね。
また「張國榮的電影世界2」の中にもこの記述があります。
◆虞姫選角 波折重重(P74)
我家的女人の翌年、RTHKではドラマ版覇王別姫が放送されました。
このドラマ版はRTHKのこちらで全部観る事ができます。
1988年、レスリーは再び李碧華原作・共同脚本の胭脂扣に出演しました。
この項続く。
レスリー・チャン 映画レビュー#29
花田囍事 All's Well, End's Well, Too (恋はマジック)
1993年1月20日~2月17日 香港公開
香港興行収入 35,481,480HK$(1993年度香港映画興行収入第2位)
監督:高志林
監製:黄百鳴、于仁泰
出演:張國榮、許冠傑、呉君如、毛舜筠、
關芝琳、許冠英、呉孟達、黄霑
92年の大ヒット旧正月映画家有囍事に続く
東方電影(マンダリンフィルム)製作の旧正月映画第二弾。
出演者名を観ても分かるとおり、とても豪華な爆笑ちょいミュージカル風古装片。
【STORY】
乱暴者の兄・周東(許冠傑)と賭け事好きな妹・周吉(呉君如)。
2人の母親(許冠英)が妹と独身の幼馴染(黄百鳴)と結婚させようとしますが
二人の性格が悪くて幼馴染は逃げ出してしまいます。
マジシャンの高柏輝(張國榮)は呉孟達の男装した娘・白雪仙(關芝琳)と出会い
お互いに惹かれあいます。
兄は人違いで連れてこられて白雪仙に横恋慕。
そこに男勝りの(!)毛舜筠が絡んで、
はたして4組のカップルの恋の行方はいかに?
え、4組目は誰と誰? お決まりのパターンです(笑)
※ ※ ※ ※ ※
とにかくアクションとギャグがいっぱいで、旧正月にピッタリな
おめでたいハッピーエンドの旧正月映画。
冒頭から呉君如が弾けていますが、
これは家有囍事から続くお決まりのシーン。
レスリーは有名なマジシャン、デヴィット・カッパーフィールドをパロっていますが、
マジックやってる時の表情がかわいいのです。
うまくできた時の得意そうな顔もキュート。
また關芝琳を助けるために女装した姿もかなりのかわゆさ。
映画や当時の流行モノをギャグにしたり、
京劇のまねごとをやったり。
私が笑ったのは、街中でレスリーや毛毛が男から
美男美女の似顔絵ファイルを見せられて勧められるのですが、
その似顔絵が実在の香港や中国の俳優・女優で、
見せられた時の二人のリアクションが最高。
さてさて、ここでも監督の高志林や黄霑(イエロー・ジム)がちょこちょこと出演。
どこに出ていたか、みなさん分かりましたか?
こちらは香港版DVD リージョンALL
こちらは日本版DVD。BOXセットもあります。
TOPの画像は香港版LDのジャケットと昔買った香港版のDVD。
現在の香港版とはジャケ写真が違います。
昔の香港版DVDはLDからの映像なので裏面は
LDの表の画像と同じ画像が使われています。
下はLDの裏面。
レスリー・チャン 映画レビュー#28
覇王別姫 (「さらば、わが愛 覇王別姫」邦題)
1993年1月1日~1月19日香港公開 1994年2月11日日本公開
監督 張凱歌
製作 徐楓
原作 李碧華
脚本 李碧華・蘆葦
出演 張國榮・鞏俐・張豊毅
【STORY】
程蝶衣(張國榮)と段小楼(張豊毅)は京劇の人気役者。
演目「覇王別姫」は彼らの代表的な演目だ。
1924年、北京の京劇一座で二人は出会う。
孤児や親に捨てられた子供達は、過酷な訓練を経て
京劇の人気役者を目指す。
役者としての名声を得ても
蝶衣は京劇と兄と慕う小楼が、彼の一番大切なものであった。
しかし小楼は菊仙(鞏俐)と結婚。
時代は清が滅び中華民国が成立し、その後は日本軍が満州に侵攻。
その後の日本軍降伏や共産党と国民党の内戦、そして中華人民共和国の成立。
支配する者、時代に翻弄され、そして愛する小楼に裏切られ、阿片に溺れる蝶衣。
その蝶衣を救ったのは小楼と菊仙だった。
共産党の政治運動やその後の文化大革命と、
3人をより過酷な運命が待ち受ける。
※ ※ ※ ※ ※ ※
レスリーの代表作ともいえる作品。
レスリーの代表作を選べと言われたら管理人は
『阿飛正傳・覇王別姫・春光乍洩』を選ぶと思う。
それは作品の質とか賞を貰ったとかという基準でなく
彼の演技感や仕事の選択、
アーティストとしての道を決めた作品のように思えるからです。
『覇王別姫』は香港公開時はその作品の性質上、あまり観客に受け入れられず
興行成績は芳しいものではありませんでした。
5月にカンヌ映画祭で『ピアノレッスン』と共にグランプリを受賞後は、
レスリーの知名度が国際的なものになりました。
映画自体は、監督もインタビュー(DVD特典映像)で、
「京劇役者を通して中国の近代史(50年間)を描きたかった」と答えているように
中国の近代史を、特に文化大革命を描いたことには大きな意味があります。
印象深いシーンと音楽
◆オープニングのあの二胡の音色と覇王別姫の絵が出てくるシーンには
いつもゾクゾクさせられます。
◆子供達が歌の訓練をしていた蓮の池に大人になった蝶衣が佇むシーン
◆別れた母親への手紙を焼くシーン
◆阿片中毒の禁断症状で苦しむ蝶衣を抱きしめるシーン
◆小四に虞姫の座を奪われた蝶衣に虞姫の衣装を着せ掛ける菊仙。
その菊仙に「ありがとう、姉さん」と答えて去っていく蝶衣。
覇王別姫コレクション
左上:チェン・カイコーDVD BOX 右上:香港版DVD
左下:香港版VCD 右下:香港版OST・CD
左:「覇王別姫 張國榮 寫眞蔵本」創建影像館(香港)
右:「FAREWELL TO MY CONCUBINE さらばわが愛 覇王別姫」用美社(日本)
日本版LD
この他に日本版OST・CD(日本ビクター)や原作本などもあるようですが
管理人は持っていません。
また香港で開催された覇王別姫藝術展の記念品についてはこちらを参照。
香港版DVD:こちらについては一年前のブログで紹介しています。
レスリー・チャン 映画レビュー#26
藍江傳之反飛組風雲 ARREST THE RESTLESS
1992年5月14日~5月27日 香港公開 日本未公開
監督 劉國昌 Lawrence Lau
出演 向華強 Charles Heung
張國榮 Leslie Cheung
葉徳嫻 Deanie Ip
周慧敏 Vivian Chow
前年の1991年に流行った犯罪実録映画の流れを組む映画。
60年代の有名な警官 藍江(向華強) が主人公ですが、
レスリーは街のチンピラで紆余曲折あるものの
最後はアイドルスターになっちゃった・・・
というちょっとトホホのストーリー。
でもこの映画、ストーリはともかく
60年代のそのものに焦点を合わせた、といわれているように、
衣装や音楽や街の風景も良く考えられているます。
そして何より冒頭のレスリーの美しいことと、
お母さんに振り回されるチンピラ振りといい、
それだけで、満足。(すいません、レビューになっていない)
周慧敏も可愛くて、衣装もすてき
レスリー登場、ライターをつけるところから
決まっています。
ひゃあ、すてきな横顔。
このポーズ、意識してますね、当たり前だけど。
指と唇がいいわ。
セットの感じもいいですね。
このポーズと表情、どこかで見覚えが・・・と思ったら
2ショットシリーズのこちらで
このポーズと同じ雰囲気。
じゃあこれは素(笑)
周慧敏、かわいい!
瓶入りコーラがこの映画のイメージ。
ストローさしてテディ(飛哥仔)ごっこしてください。
こんなレトロな街並でロケしています。
それにしてもれすりー、踊ってるのでしょうか?
ヨディ・ダンスとはまったく違う印象です(笑)
この字が読めれば場所特定できるかな?
路地の階段を降りてくるシーン。
ここには荒物屋や油屋や生地屋が並んでいます。
画像ぶれていますが、
油まみれのレスリーがお巡りさんに捕まるシーン。
後ろに「百姓廟」の文字が見えます。
ということはこのあたりのシーンは上環で撮影したのかしら?
ロケ地巡りの血が騒ぐ・・・(爆)
左はいいけど、右は許せん。
顔と体、合成でしょ、あんまりだわ(笑い泣き)
この作品には出演者に陳果(フルーツ・チャン)や杜徳偉(アレックス・トー)も出演。
管理人はひそかに香港の叔父様と呼んでいる(笑)
秦沛(Chin Pin)が出ていたので受けました。
左:秦沛 右:向華強
秦沛は悪役なのですね。最近はTVでいい叔父さん役も。
さて藍江傳之反飛組風雲は残念ながら日本未公開ですが
以前CSの今はなきスターチャンネルで字幕付きで放映されました。
またどこかで放送されないかなあ・・・
※ ※ ※ ※ ※ ※
ちょっとショックだったのはYESASIAにこの作品のDVD・VCDが無かったこと。
検索してみたら、「第十二回金像奨領奨典禮」DVDがヒットしました。
199年金像奨最佳男主角にこの作品の向華強がノミネートされていました。
このDVD、管理人も買いました。
なぜって、この年のノミネートに好きな作品があったから。
92黒薔薇VS黒薔薇 阮玲玉 審死官 など。
香港映画ファンにはたまりません。
たくさんの映画人たちが映像に残されています。
画像はYESASIAのページにリンクしています。
冒頭にレスリーの姿が映って大喜びしましたっけ。
蝶ネクタイしてにこやかに登場。
最優秀衣装デザイン賞のプレゼンターでしたが
結構しゃべり倒しています(笑)
東方不敗で張叔平・余家安が受賞。
代わりに受け取った主演のブリジット・リンにチュッ
この3枚は画像ぶれててすみません。
レスリー・チャン 映画レビュー#25 家有喜事
家有囍事 ALL'S WELL END'S WELL
ハッピー・ブラザー(日本版DVDタイトル:KING RECORDS)
1992年1月25日~3月6日香港公開 興行収入 48,992,188HK$
(資料参考:香港電影広告大鑑1990-1993)
監製:高志森、黄百鳴
導演:高志森
出演:張國榮、周星馳、張曼玉、呉君如、黄百鳴、毛舜筠
歌手引退後の本格的な映画界復帰となった
おめでたい旧正月公開の映画。
この年は周星馳の「審死官」が興行収入年間1位、2位が「家有囍事」
3位「鹿鼎記」4位「鹿鼎記Ⅱ神龍教」と続き
シンチー人気が頂点に達していた時期。
レスリー引退から復帰1作目の映画、シンチーとの初共演と話題ずくめ、
おまけにおめでたい旧正月のハッピーエンド映画で、
ヒットは最初から約束されていたようなもの。
見所はやはりレスリーとテレサの男女逆転カップル演技と麻雀シーン。
それにシンチー、マギー、レスリーまでもがハリウッドヒット作や
自作のパロディをやっていること。みんなふっ切れてますね。
【STORY】
常(シュン)家の三兄弟、長男満(ムン)は賢妻(呉君如)がありながら愛人を持ち、
次男騒(ソウ)はオネエキャラのフラワーデザイナー?、
三男歡(フン)はプレイボーイ(死語!)のラジオ局のDJ。
それぞれに妻や彼女やガールフレンドがいながら
トラブル続きで、みんなうまくいかない。
はたして旧正月に家族全員が集まって
「終わり良ければすべて良し」となりますかどうか・・・
【あとがき】
この作品も輸出した国によって別バージョン編集版があったようです。
韓国版は最後が香港ノワール映画のパロディみたいな銃撃戦(?!)が
あったような記憶が・・・じゃあ韓国版を探してみたらYesasiaには
香港版、日本版、台湾版しかありませんでした。
もう一度観てみたい韓国バージョン。
TOP画像は日本版DVD(2003年11月発売)
香港版:100分 リージョンコード:ALL NTSC
日本版:96分 リージョンコード:2 NTSC
台湾版 83分 リージョンコード:ALL NTSC
レスリー・チャン 映画レビュー#24 豪門夜宴
豪門夜宴 THE BANQUET
1991年11月30日香港公開(日本未公開)
監督 徐克、高志林、張同祖、張堅庭(アルフレッド・チョン)
出演 張國榮、曾志偉、鄭裕玲
1991年に中国華東地区を襲った大水害を救済するチャリティ映画。
それこそ明星から映画監督まで香港映画人が総結集して、
わずか1週間で作り上げた映画です。
とにかくたくさんの明星や監督が出ています。
1年に1回くらい見直すとそれまでわからなかった
出演者の名前がわかったりしてなかなか楽しいものです。
レスリーは2シーン登場します。
当時は引退中だったので、カナダからの里帰り中に
撮影に参加したのでしょうか?
それにしても香港人はチャリティに協力的ですね。
【STORY】
エリック・ツァンとサモ・ハンが敵対する建設業者が
地上げや中東の王子に取り入って事業を成功させようと
あの手この手で画策する様を、親子の関係に絡めて
喜劇タッチで最後にはほろりとさせるストーリー。
香港ではこの年の興行収入ベスト10には入りませんでしたが
2000万HK$以上をあげるヒットになりました。
この作品、日本語DVD化をHong Kong Addict Blogさんで
「たのみこむ」に昨年発案してあります。
こちらにその時の記事が。
また参考までに以前の亜美的時間のこちらに
「豪門夜宴」についての記事を書いています。
レスリーの最初の出演シーンについてもこちらでに書いています。
最後にももう1シーンありまして、そこでは郭富城のお兄さん役です。
画像は香港版DVDのジャケットです。
レスリー・チャン 映画レビュー#23 狼たちの絆
狼たちの絆 ONCE A THIEF
縦横四海 1991年2月2日~3月6日香港公開
興行収入 33,397,149HK$(1991年公開作中第4位)
監督 呉宇森(ジョン・ウー)
音楽 林敏怡(ヴァイオレット・ラム)
出演 周潤發(チョウ・ユンファ)・張國榮・鐘楚紅(チェリー・チェン)
香港映画らしからぬフランス映画のようなおしゃれな作品。
周潤發の長期休養からの復帰、歌手を引退したレスリーの最後の映画、そして鐘楚紅は結婚引退、とそれぞれの記念となる作品でした。加えて監督の呉宇森にとっては、ハリウッドを意識しはじめた作品だったのでは?
作品の原題 縦横四海 は1967年製作のフランス映画 冒険者たち の香港公開時のタイトルです。アラン・ドロン、リノ・バンチェラ、ジョアンナ・シムカスの男2人女1人の冒険あり、恋愛あり、友情ありの青春映画の傑作です。狼たちの絆 はこの作品へのオマージュといってもいいでしょう。とってもいい映画なので未見の方にはオススメ。
【STORY】
孤児のプッジャイ(周潤發)、ジム(張國榮)、ホンタウ(鐘楚紅)は兄弟のように仲が良かった。育ての親は3人を犯罪者になるように育てる。大人になり3人は国際的な美術品泥棒となり次々と名画を盗む。そして最後の仕事として引き受けた仕事はニースの城の呪われた名画を盗むことだった。しかしこれには罠が仕掛けられていた。
レスリーの表情三態。この映画のレスリーの表情はすごく溌剌として可愛いし、なにか吹っ切れたようでもあり、仲の良い共演者たちと一緒でとてもリラックスしているようにも見える。引退を決めた後だからなのか?
左のこのシーンがフランスらしくて好きです。コートダジュール?と思われる海岸でユンファが、ブリジット・リンやテレサ・テンの名前を大声で叫ぶシーンが面白い。
右はピーク・トラム乗り場の前の噴水、ロケ地めぐりできますね。
≪追記≫
そういえばこの映画の撮影中のメイキング映像を持っていたような・・・
今最後のほうの銃撃シーンを見ていて思い出しました。
このお屋敷の中でインタビューとかに答えていたのですが、
3人とも仲よさそうで楽しそうで、あの映像探さなきゃ。
レスリー・チャン 映画レビュー#22 欲望の翼
欲望の翼 DAYS OF BEING WILD
阿飛正傳 1990年12月15日香港公開
監督 王家衛
製作 光榮
出演 張國榮、張曼玉、劉徳華、劉嘉玲、梁朝偉、張學友
「欲望の翼」は日本での上映権が切れて、その最終上映が
今年7月に東京で行われました。
こちらに当時の記事がまとめてあります。
「阿飛正傳(欲望の翼)」が香港で公開されたのは
1990年12月15日で、その広告はオールスターキャストと巨額の予算をかけた
話題のクリスマス作品としてでした。
王家衛監督は、監督第2作目で、それまでの一般的な香港映画とは違う
作家性のある作品を作りあげ、メジャーな路線に乗せました。
技術的にも当時としては珍しかった同時録音の手法を取りました。
しかし興行的には振るわず、公開後2週間で打ち切りとなりました。
難解なストーリーと見えない結末に、
香港人は期待を裏切られたと感じたのでしょうか?
香港の観客には不評だった「阿飛正傳」も
映画関係者や評論家には極めて好評で、
第10回香港電影金像奨では
最優秀作品賞・・・・・・・・阿飛正傳
最優秀監督賞・・・・・・・・王家衛(阿飛正傳)
最優秀主演男優賞・・・・・・張國榮(阿飛正傳)
最優秀撮影賞・・・・・・・・杜可風(阿飛正傳)
最優秀美術監督賞・・・・・・張叔平(阿飛正傳)
以上、5部門を獲得しました。
また1990年中国語圏映画ベスト30(第10回香港電影金像奨 影評人評選十大華語片)で堂々の第1位を獲得しました。
プロには好評だったのですね(笑)
この作品は日本でも92年に公開され王家衛監督人気に火をつけました。
またそれまでアイドルスターから引退してカナダに移住していたレスリーを
映画の仕事に復帰させるという、記念すべき作品となりました。
(参考文献:香港電影広告大全1990-1993)
【STORY】
1960年、サッカー場に勤めるスーは若く奔放な青年ヨディに出会った。
ヨディはスーに「今夜、夢で会おう」と言って立ち去る。
ヨディは毎日スーのもとにやってきた。
「1960年4月16日午後3時1分前の1分間」は2人には特別な時間で
スーはヨディに恋をした。
しかし恋は長続きせず、根無し草のようなヨディはスーと結婚する気もなかった。
新しい恋人ルル(ミミ)と一緒にいるヨディをあきらめきれないスーは
彼の家の前で何時間も過ごしていた。
そのスーの近くには彼女を思う警官タイドの姿があった
ヨディは義母と自分を生んだ実母についての確執があり、争いが絶えなかった。
或る日ヨディは香港から姿を消した。
実母を探してフィリピンに旅立ったのだ。
フィリピンのジャングルを行く列車には脚のない鳥となったヨディの姿があった。
ラストは部屋で身支度を整えるギャンブラー、スマークの姿が映し出される。
「欲望の翼」東京最終上映時にブレノンアッシュの篠原さんが
会場で話されたエピソードの中に、台湾公開版についての
興味深いお話がありました。
それは台湾で公開されたバージョンでは映画の冒頭に
ナイフを持った劉徳華が映っているシーンがある というもの。
で、探してきました、そのシーンがたぶん下の画像だと思われます。
これは台湾の台北金馬國際影展執行委員會が発行した
電影[木當]案CINEDOSSIER シリーズの
王家衛版に掲載された画像です。1991年初版発行
(左画像、クリックで拡大)
画像クリックでYesAsiaへ
台湾バージョンはこちらで購入できますが現在発売されているバージョンが
台湾公開時と同じものかどうかは未確認です。
ただ日本版よりは3分ほど短いようです。
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