こくご食堂

小学生向けこくご塾を創業しました。[こくご]の楽しさを、様々な切り口から発信していきたいと思っています。

[分割されている]

2018-01-19 19:34:56 | 川崎
はじめまして。2018年春、川崎で小学生むけ[こくご]を中心とした塾を創業予定のamimです。思考・発表・文章にする・を柱に、ディベート・俳句アクティブラーニング・ビブリオ・ロールプレイングなどを取り込んだ授業をします。ブログは毎日更新しています。感じたこと、体験したことを文章にすることは「こくご」です。

「こくご食堂」本日調理する食材は[分割されている]

このブログを書くために、悩みました。悩みぬいた結果、まず第二弾として、こちら「分割」サイドから書こうときめました。

年末から年始にかけて、いつもより本を読む機会が増えました。そのうちの一冊がこの本です。


ルポ川崎(磯部涼著・株式会社サイゾー)2017年12月26日初版発行。
発行とほぼ同時に購入しています。

昨日のブログ「希望」では、川崎駅から南にある地域の若者達の「RAP」グループについて書きました。今日は、川崎の「分割」についてです。

川崎はたてに細長い。川崎の地図をみて、変わった地理だと思っていました。この本では、川崎区地域を南部、それ以外を北部と呼んでいます。この本だけでなく、川崎にはそういう風潮があります。私の住んでいる地域は、中原区です。ここは中部ではないかと思います。ここへきてびっくりしたのは、畑が多く、野菜を無人で販売しているところが多いことです。実家は横浜の南区ですが、そこにはこんな風景はありませんでした。もっと北部にいけば、農園が沢山あります。そしてこの中原区は、「武蔵小杉」というブランドを手にいれたのです。「武蔵小杉」は毎年住みたい街ランキングの上位に入り、その名前は全国区となっています。

この本では、北部と南部をこのように表現しています。

以下引用(44ページ)
川崎は二つの顔を持っている。その地域を聞いたときに、ニュータウンと工業地帯という相反する光景が浮かぶだろう。あるいはそれは、平穏だが退屈な土地と、刺激的だが治安の悪い土地というイメージに置き換えられるかもしれない。そして、そういった二つの側面は、各ヶ、川崎市の‘北部‘と‘南部‘が担っているといえる。

中原区近辺は、この川崎の持つ二つの顔をどちらももっているような気がしました。この本では、シンガーソングライターの小沢健二さんと山田太一さんのことを書いています。小沢さんは、この川崎北部(多摩区)の出身で、北部のかかえるフラットな世界を音楽に表現していました。確かに、小沢さんの出現は、音楽に詳しくない私でも、「なんだろうこの異質感は」と思いました。

多文化地区で行われるヘイトデモ、治安の悪さ、ドヤ街に住む人の高齢化、困窮する子供たちの救済。川崎区の抱える問題は、現代日本の抱える問題でもあります。水曜のこの本とトークイベントでは、川崎のように問題を抱えた地域は日本には沢山存在すると言っていました。そこから目をそらしてはいられないでしょう。

そして、この本の発行元である「サイゾー」という媒体は、ある部分では「ゴシップ」を扱っているそうです。サブカルチャーのような位置づけになるそうです。トークイベントに参加していた開沼博さんも、かつては「ゴシップ」の多い媒体で文章を書いていました。そこで取材したのは、「ホームレスギャル」についてです。それからこのサブカルチャー情報であった内容は、「女性の貧困」というテーマになり、NHKで扱われるようになりました。実はサブカルチャーからの発信には、メインテーマになる材料が沢山あるということでした。そこで、昔テレビ朝日でやっていた「トゥナイト」をいう番組を思い出しました。よく見ていましたが、風俗などを取り扱っていました。ストリップを仕事にしている女性のインタビューなど、他の番組では扱わない内容を真面目に放送していました。今はそういう番組が少なくなったような気がします。

川崎に住むものとして、親として、勉強を教えるものとして、くさいものにふたをするのではなく、ある意味「負」である部分も知る必要があると思いました。この本の作者の磯部さんもトークイベントで話していましたが、川崎区の表現がすこし偏っているかもしれません。その「偏り」もふくめて、私の知らない川崎を垣間見るきっかけとなりました。できたら、小さいお子さんを持つ保護者の方に読んでいただきたい本です。お子さんに、川崎区地域の質問をされたら、どう答えますか?その答えのヒントがこの本にはあると思います。


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