あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

嬉しい!

2009-05-16 00:44:45 | 本(ミステリ・本格、パズラー)

出雲伝説7/8の殺人 (光文社文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:1988-04

図書館で有栖川有栖氏のエッセイ集『鏡の向こうに落ちてみよう』を借りてきました。

短いエッセイがたくさん入っていて、その中に『「私の愛する本格ミステリ」ベスト3』という一文がありまして。

その中でベスト3の1つに挙げていたのがこの、『出雲伝説7/8の殺人』(島田荘司 著)。

私も大好きな作品なので嬉しくなってしまった。(それに、島田荘司氏の作品の中ではマイナーな方なのでは?)

有栖川氏は、『殺人計画の緻密さ、手掛かりのスマートさ、読後も残る異様な味わい。いずれも申し分なく、「この作者だから書けた」と感じさせる』と的確に短く紹介しています。

私は、作品そのものも印象深いのですが、島田氏がエッセイで書いていたエピソードが忘れがたくて。

島田氏は、この作品のトリックが実行可能かどうか、実際に電車に乗ってたしかめたそうです。(あ、トラベルミステリー、というか、電車が重要なアイテムなのです)

ところが、電車を乗り継がなければならないのに、遅れたそうなのですよ電車が!日本の電車の発着は正確無比ですから、島田氏ならずとも驚きますよね。

島田氏はじりじりしながら、『くそっ!俺の完全犯罪が!』と本気で憤ったそうです。

ようやく電車がついて(すでに彼の完全犯罪は崩壊していた……)大幅に遅れた理由を尋ねたら「雪でね」という答えが返ってきたので、冬の設定だったものを4月に変えた、とあったと思います。

それだけのことをした説得力があって、読んだのはかれこれ10年以上前ですが、今も印象は鮮やかです。

コメント
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