goo blog サービス終了のお知らせ 

あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

夏に似合うミステリは?

2009-07-15 23:28:17 | 本(ミステリ・本格、パズラー)
皮膚の下の頭蓋骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 129‐2)) 皮膚の下の頭蓋骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 129‐2))
価格:¥ 1,029(税込)
発売日:1987-10

以前あるひとが今P.D.ジェイムスを読んでいる、と言っていたので、これかしらと思ってはっとしたことがあります。

なぜはっとしたかといいますと、この作品、私の“後味の悪いミステリベスト10”には必ずランクインするであろう作品だったから。

けれど、この作品が嫌いか、というとそうではない。舞台もムードも、内容も、けなげな女性探偵コーデリアも、みんなイイですよね。

(そういえば、私の後味悪いミステリは、他に『火刑法廷』『ヒルダよ眠れ』『レッドドラゴン』『血まみれの月』『ロウフィールド館の惨劇』『北イタリア物語』等々ありますが、けっこう名作率高い気がする……)

ただ、あんまり書くとネタを割っちゃうけど、これって正義が勝たないミステリなんですよね……(T_T)

けど、もし誰かに、「夏に読むのにに合うミステリってある?」と聞かれたら、これって必ず挙げるかもな……、とも思いました。

とりあえず、孤島だの高原だのリゾート地だのが舞台だったら、まずは夏向きですよね。

アガサ・クリスティーの諸作品、とくに『ナイル殺人事件』なんて私の中では定番。『はなれわざ』なんかも同タイプでしょうか。

あと、日本の青春系新本格(?)『月光ゲーム』とか『十角館の殺人』とか。

そのものずばりの『夏季限定トロピカルパフェ事件』なんかも、若い人には、いいかも。

そして、とくに夏と関係ないのですが、私二十歳くらいのころは、夏の暑い時期にあえてややこしいミステリを読むのが好きでした。

『虚無への供物』と『函の中の失楽』を続けて読んだりとか。

推理が二転、三転して、いいかげんにせぇ!と突っ込みたくなる『キドリントンから消えた娘』なんかも、読んだのは夏だった気がする。

今はテーマを決めて本を読んだりする余裕があんまり無くなっちゃったけれど、ちょっとまたやってみたくなりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猫の店員さん

2009-06-09 11:52:33 | 本(ミステリ・本格、パズラー)

猫島ハウスの騒動 (光文社文庫) 猫島ハウスの騒動 (光文社文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2009-05-12

二十歳の頃、通っていた専門学校の近くに古本屋があり、よく帰りに寄っていました。

そこは店名に猫の文字が入っており、当時は店の中にも何匹かの猫がいました。

残念なことに、不心得な人たちが店の駐車場に猫を捨てていくことが多くなり、数年後には店で猫の姿を見かけることもなくなってしまいました。

これからお話しするのは、そんな悲しい出来事がある前の、まだ店に猫がいた頃のお話。

一匹、平積みになっている本の上に、いつも寝ている子がありました。

下の本を見たい場合は、その子をそっと、どけなくてはなりません。

白黒のぶちの、ちょっとブス猫ちゃんなのですが、身ぎれいな子らしく、毛並みはいつも綺麗でふわふわでした。

私はその子がいると、店の人から見えない位置なのをよーく確認してから、やおら、その子のお腹に“ばふっ”と顔を埋めました。

のんきな子で、そんなことされても目を覚まさず、ただ静かに、“ごろごろ、ごろごろ”と喉を鳴らしていました。

本を探すのと同じくらいそれが楽しみでしたが、店の人に見られやしないかといつもびくびくしていたので、もしかすると万引きしそうな客、と思われていたかも(^_^;)

ちなみに、わたしが『猫に関する恐怖小説』という本を手にとって、買おうかな、どうしようかな、と迷っていたら別の子(その本の表紙の絵にそっくりな黒猫!)が足にすり寄ってきて、思わず買ってしまったことがあります。

なかなかやりてな店員さんでした。

大好きな、素敵な店でした。だから、猫を捨てて行った人には、今でも腹が立ちます。(猫好きの人を悲しませることになるのに…)

上の本は、直接関係ありませんが、猫登場のミステリーということで。夏向きでもあります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひとり二役はアリか?

2009-06-04 23:41:51 | 本(ミステリ・本格、パズラー)

はなれわざ (ハヤカワ・ミステリ文庫) はなれわざ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
価格:¥ 987(税込)
発売日:2003-06

だいぶ遅くなってから、先週の『名探偵の掟』の話なんですけど(^^ゞ

前々から“ひとり二役や変装で入れ替わりのトリックって、アリか?”と思っていたので前回結構ツボでした。

いや、女装を思いっきりやり切った、大和田氏の勇気にまず拍手ですけど(^_^;)

でも、男性が女性に化けるのって、ギリ思春期までだと思うのですよ。

たいがい、男だとばれますよね~。

同性に変装する場合でも、その人を知っている相手の前で、長時間って無理な気が私はするんですけど……。

この作品も、ネタを割るので詳しくは書けませんが、読了したとき、“はなれわざではなく、あらわざではないか?!”と少し納得いかなかったものでした。

このトリック、アリかナシか、他の人にも聞いてみたい、と思ったものでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミステリーは少女の友

2009-05-20 23:12:56 | 本(ミステリ・本格、パズラー)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
価格:¥ 714(税込)
発売日:2003-10

ヒキをつくるほどの話題じゃないが、長くなりそうだったので2回に分けた。(また、続いたりして……)

仲良くなったきかけが何だったかは、今となっては思い出せないが、中学でミステリー好きの友達と出会った。

ミステリー好き、というか、彼女はアガサ・クリスティーが好きで、ホームズが好きで、マザー・グースが好きで、不思議の国のアリスが好きだった。

英国愛好家(アングロファイル)というのだろうか、今から思えばかなり渋い中学生だった。

彼女が最初に貸してくれたクリスティー作品はパーカー・パインの事件簿(これもシブい)だったように思うが、そのあとはやっぱりポアロだった。

『ヘラクレスの冒険』だったかな、(タイトル違うかも)ポアロものの短編集も貸してくれて、注釈などをノートにメモったのが懐かしい思い出。(ポアロのファーストネーム、エルキュールは、ヘラクレスのフランス語読みなのだ)

私もマザーグースが好きだったし、童謡見立て殺人というのは少女心をくすぐるもので(?)中学の時の一番のお気に入り作品はこの『そして誰もいなくなった』だった。

ロマンスありの映画版もいいけど、徹底して苦い原作がやはりいい。

それに、旅情あり、詩の引用あり、マフィンやホットチョコレートなどの美味しそうな食べ物ありのクリスティー作品は、少女の友にふさわしいものだった。

が、高校、そして専門学校と時が移り過ぎるうち、私のミステリー観にも結構な変化が訪れてしまうのである。

(やっぱりつづく)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイ・ファースト・ミステリー

2009-05-18 23:16:53 | 本(ミステリ・本格、パズラー)

鏡の向こうに落ちてみよう 有栖川有栖エッセイ集 鏡の向こうに落ちてみよう 有栖川有栖エッセイ集
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2008-05-22

有栖川有栖氏のエッセイ集『鏡の向こうに落ちてみよう』で、氏のミステリーとの出会いのエピソードがあった。

氏がジュブナイル版の『エジプト十字架の謎』を読んだのは12歳のときだったとか。

私も読んだなぁ、私も小6だったような……と思って、同じ本かしら、とも思った。

私の記憶では、私の読んだジュブナイル版ミステリーは、クイーンの『エジプト十字架の謎』とクリスティの『ABC殺人事件』が抱き合わせになっていたような気がするのだが……。

ほんとの本当に初めては、保育園の時に買わされた(笑)子供向きの英語の本に載っていたポーの『黄金虫』だけれど、(怖かったが面白かった。いまだに暗号の出てくるミステリには弱い)やっぱりミステリーと意識して読んだのはその本だったかなぁ、と思う。

けれど、子供のころから乱読だった私は、そのままひとりで読んでいれば、ミステリファンになったかどうかはわからない。(有栖川氏はクイーンに打ちのめされ、「自分が生きているのは、こんなものが存在する世界だったのか」と感激したそうだが、当然ながら私には氏ほどの感性がなかった。それに同じジュブナイル版のアイリッシュの『黒いカーテン』の方が印象強かった。サスペンスの方が好きだったのかも)

だが、中学で、私にとっては重要な出会いがあったのだった。(つづく)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする