自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

東日本大震災/原発大事故/高汚染水ドレイン

2011-04-11 | 子育て



高校時代、必須だった物理が一番の苦手科目だった。
だから今回のテーマは身の丈に合わない。
エネルギー保存の法則により原子炉から出た放射性物質は永く始末に終えない。
空中に拡散させるか海洋に排出するか、地下に貯蔵するしかない。
どの処理法をとっても地球は汚染され続ける。
ウラン鉱を掘り出して悪魔のエネルギーを手に入れた時から人類はこのジレンマにみずからの運命を託すことになった。
質、量の程度の差はあるが、原発所有国は、ヴェントとドレイン(流し出し)を行って
来たし、今後も行う。
ソ連は日本海に排出し続けた。
西ドイツは、25年前のウクライナ・チェルノブイリ事故のどさくさにまぎれて溜ま
っていた放射性物質を放出した。
今後日本は放射性廃棄物の処理をどうするのか?
下北半島の六ケ処村に埋め続けるのか?
そこが天災か戦争で破壊されたら東日本と太平洋と沿岸諸国は大変なことになる。

この問題は1970年代東海村原研に親友Mを訪ねたとき気がつくべきだった。
所内の道路沿いに核廃棄物入りのドラム缶がずらっと無造作に並べられていた。
「目は見ることができない、ものを見るのは精神である」
という、ドイツ哲学をまたしても噛み締めている。

マスメディアが排除して来た学者、研究者とジャーナリストの名をあげて読者の的確な判断に資するよう心がけてきた。
今回は、マスメディア、政党の枠からはみ出して真相を探求する反省グループを紹介する。
知識音痴のわたしより読者の方がよく知っていると思う上杉隆記者が代表を務めるグループ「自由報道協会」である。
海外メディアがどう報道しているか、放射線汚染濃度に関する世界基準が日本の基準より1ランク厳しいことをを知ることができる。
日本は海洋汚染犯罪国家として賠償を求められる状況に近づきつつある、という予想が外れることを願う。
日本は国難のたびに、井の中の蛙、を思い知らされる。
http://uesugitakashi.com


東日本大震災/原発大事故/ドライベント

2011-03-29 | 子育て

事態が急を告げるあまりBLOGテーマも先回りを余儀なくさせられる。
ドライベント!
今初めてみたこの言葉に接して、絶句した! 何 これ!
想像では、DRY VENT・・・これならVENTの意味(ポルトガル語で風)を知っ
ているから何が起ころうとしているか記事を全部読まなくても想像がつく。
日本人が英語が不得意なのは英語をカタカナ英語に代えてしまうからだ。
前回主な情報源にジャーナリストをあげなかった。
危険な原発結界を越えてあるいは厚い情報隔壁の中から重大な情報を探り出した個人ジャーナリストを知らなかったからである。
居た!居た!! 木下黄太(福島第一原発)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927
“緊急速報”ドライベント検討。大気中に100倍の放射能も。
2011-03-25 16:57:57

「申し訳ありませんが、情報ソースは明かすことはできません。
勿論、当局者です。
現在の作業がうまく行かない場合、近日中にドライベントをおこなう可能性を示唆されました。
関東は数日、好天で雨が降らない可能性が強いこともあります。
破局をむかえるよりは、もちろん、よい方策ではありますが、結果的には大気中に最大で100倍程度の放射能が出る可能性があるともいわれました。
圧力がここまでになり続けている以上、やるしかないでしょうが、僕の知り合いの福島原発に過去に携わった技術者は、容器などの破損などがおこる迄にやった方がよかったとはいっていました。少し遅すぎると。

周囲100キロの退避は、かなり現実味をおびてきていると僕は感じています。
もちろん、ドライベントはこちらが意図しておこなうことですから、風向きなども最大限配慮しておこなうとは思います。
全て計算どおりにはいかないとしても」

ドライ ベント
英語:dry vent
原子炉の圧力容器から放射性物質を外部へ排出する際に、水を通さないで排出すること。
通常、原子炉内で発生した放射性物質は、水を通してを外部へ排出される。
ウエット ヴェント、これにより、放射性物質の量が減るとされる。
ドライ ベントでは通常の排出方法よりも多い放射性物質が一挙に外部へ排出される。

ドライ ヴェントが発令されてもじたばたせんとこう。
風下と雨雲を避けて一時的に遠くに旅行をしよう。
3箇所ほど旅行プランを持っておけば安心だ。

2014年5月21日追記・・・。
今朝の朝刊によれば、東電は3月14日早朝3号機がウエット ヴェント操作でも圧力が下がらず危機的状況にあったためドライ ヴェントを準備していた。
迫る危機「住民知らされず」 保安院「絶対知らせるな」吉田所長調書「そのうち建屋が爆発してしまって何か圧が下がってしまったんですね」


東日本大震災/原発大事故/放射能汚染情報

2011-03-28 | 子育て

このブログは子育てに関わっている、あるいは子育てにこれから関わる人をメインターゲットとしている。
原発大事故シリーズは、体験は知識に優る、というスタンスを後ろに下げて知識を全面に押し出したい。
今は応急手当てが求められている。生き方、考え方ではない。
私も大勢のサッカー部員の安全を預かる立場から広く原発に関する情報を集め整理しなければならない。
今回からは今日までに蒐めた情報をお届けしたい。
まず情報処理術から・・・。
主な情報源はTV,新聞であろう。
ただこれはメディアが原発タブーに屈して来たことを割り引かねばならない。
タブーに触れるゲストは敬遠され言動は消される。
次に当事者東電の発表は、発表したいことだけを発表して、人々が求める情報は、調査、発表を怠るか、隠蔽している。
3月24日に原発内現場で被曝した「協力」会社の従業員は安全管理外に放置され、その所属会社名はプライバシーを理由に隠蔽された。
重大発表のたびにTVに出て来る原子力安全・保安院は2001年に新設された。
下記の理由で信用が置けない。
それまで総理府のもとに原子力委員会(推進部)と原子力安全委員会(規制部)があった。
御用機関でもじゃまだということで経産省のもとに安全・保安院を設置した。
安全・保安院が実態である。
名称にだまされてはいけない。
原発施設認可権を握る経産省の機関つまり推進派の奥の院はここだ。
このとき親友Mをはじめ多くの原子力科学者が原子力安全委員会の弱体化を心配し内閣府による安全管理の一元化を求める提言書に署名したが無駄だった。
案の定安全規制は緩められ今日に至った。
ではより信頼度の高い情報をどこにもとめるか?
推進派がTVで流す圧倒的な情報を参考にしながらWEBサイトで検索するほかないであろう。
そこにはタブーに挑んだ異端専門家のリアルな発言がいくつも出ている。
武田邦彦 http://takedanet.com 
小出裕章http://hiroakikoide.wordpress.com
今中哲ニ http://www.youtube.com/watch?v=9U1FKpWiVmg
広河隆一http://sumisumirinjin.blogspot.com/2011/05/blog-post_15.html  
私は小林圭二の講演を23日に聴いて来た。
大阪府の辺境熊取に京大実験原子炉がある。
小林たちは万年助手の肩書きのため俗に熊取六人衆と呼ばれている。
後日かれが推進派名誉教授と対談した記事を参考のために追加する。
http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/c2b0e642644c3a6fb13cf4beda9ca27a


ある乳幼児死亡統計/わが体験記の厳しい背景

2010-06-14 | 子育て

9歳ぐらいまでの体験を思い出すままに綴ってきた。
環境が一変した今の 子供たちが体験したくても体験できないことばかりだと思う。
生と死にかかわる体験が多い。
今回はわたしが育った北パラナ国際植民地における終戦の頃までの統計をもって体験記の中間報告としよう。
国際植民地開拓15周年記念誌にあった死亡者名簿に基づいてこの統計を編まれた方は、わが父母より2年ぐらい後に同所に入植された沼田信一さんである。
わたしが生まれた開拓地で、同時代に、これだけのこどもが亡くなっていたことに驚いている。
死亡者総数198名を100%とすると、10歳までの死亡者数82名は41.4%にあたる。
その内47名は0歳と1歳である。お葬式の23.7%が赤ちゃんであったというこの数字は世の母親たちの同情と想像力を大いにかきたてるに違い ない。

乳幼児の死亡率が高い原因はゼロから始まる開拓生活の厳しさにあるだろう。
何から何まで自分たちで協力し合ってやるほかない。
産婆も医者もいない。こどもが出産を手伝うこともある。わたしが笹の切株で脛をえぐられたとき父親が常備の破傷風の注射で予防してくれた。傷の縫い合わせができないから大きな傷跡が残った。
母親は家事のほかに畑仕事の重労働を手伝わねばならない。
子守りがおればよいがいなければ放置して時々授乳したり様子を見て対応するほかない。病気になったら常備薬と運に委ねるしかない。
付け加えておくが、同植民地は気候に恵まれた肥沃な土地で、サンパウロ州で苦労した移民には「希望に満ちた楽園」に見えた。

出典 沼田信一著『信ちゃんの昔話』
(丸山康則著『ブラジル百年にみる日本人の力』から孫引き)