自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

安保闘争4.26/韓国学生「四月革命」

2015-01-14 | 体験>知識

4月26日の安保改定阻止全国統一行動は最初の分裂行動となった。
国民会議による国会請願デモには20万の労働者、市民が参加し、請願署名は500万に達した、といわれている。安保闘争全体では1300万から1700万。
全学連主流派は、これを「お焼香国会請願」と批判し「戦闘的国会包囲デモ」で対抗した。
チャペルセンター前に8000の学生を結集し、国会正門内外で強化された警備と激しくぶつかった。
警察は門の内外に板張りしたトラックで2重のバリケードを築き、その背後に鉄帽を被った機動隊を配した。
学生がヘルメットを被りゲバ棒を持つのは数年後である。
唐牛委員長以下幹部17名が逮捕され、学生に多数の重軽傷者が出た。
11.27の再現は成らなかったが、全国82大学、20数校の全学スト、授業放棄で25万名が参加した、とネットに出ている。
以下数字の無断借用が続くが文責は筆者にある。

京都でも、京大が「昭和25年のレッド.パージ反対闘争以来、10年ぶり」に時計台前集会に約1500名を結集し、府学連は円山音楽堂で3500名の集会を催した。
別の記事のコピーも見て見よう。
京都:京大教養のストを中心に集会不許可を蹴って2500名による時計台前集会、
同志社大スト、円山公園の集会に5000名参加。 
数字にかなり大きな違いがあるが闘争が相当に盛り上がってきていることに疑いはない。
京大教養(吉田分校+宇治分校)が始業半月でストに入ったことに活動家としてかすかな達成感を感じる。
「時計台前集会不許可」にも注釈しなけばならない。
京大は反戦自由の伝統で知られるが、戦後ずっと自由主義者の学長によって政治集会が禁止されていたことを忘れてはいけない。

この日、韓国の李承晩大統領が学生の決起、デモと焼討に抗しきれず辞意を表明した。
発端は傍若無人の大規模不正選挙であるが「四月革命」とよばれて安保闘争の比ではなかった。
警察の発砲、暴徒の襲撃により183名の犠牲者を出している。
2ヶ月間の韓国の騒乱からいちばん学んだのは日本の警察と自衛隊の長官だった。
かれらは李承晩と同様に強権的な岸首相が採ろうとした警職法強化、自衛隊出動の対策に乗らなかった。

ちなみに李承晩大統領の憲法改定のやり方は独裁者らしく強引だった。
賛成が法定必要数に満たなかったので四捨五入して「改定」した。
ヒットラーはマッチ・ポンプ式で、つまり国会議事堂放火と全権委任法可決で、当時
世界でもっとも民主的なワイマール憲法を骨抜きにした。
麻生副首相のアドヴァイス「あの手口に学んだらどうかね」を受けて、安倍首相の今後のやり方はいかに?