拙宅の裏庭に植えてもいない樹が自然に生えてきていることは、一昨年から気付いていた。
そのまま、見て見ぬ振りをしていたのだが、今年になって急激にグングン背を伸ばし、瑞々しい葉をつけた枝をいっぱいに広げているのをみて、何故だか恐怖を覚えてしまった。その姿のあまりの美しさに、却って恐怖心を煽られるようであった。
裏庭はスペースが広いとはいえず、このまま大木になられても処置に困る。裏手のアパートの日照にも影響しそうだ。そこで、手に入れたばかりの高枝鋏にて、バザバサと斬ってしまったわけだが、どうにも胸が痛んで仕方がない。
ところで、今朝、レッスンに向かった某駅前の植樹スペースで、わたしがバッサリやったばかりと同じ葉を見掛けた。ハナミズキである。
ああ、そうだ。あの葉にはどこか見覚えがあった気がしていたのだ。せっかく自生してくれて、人知れず健気に成長をつづけていたハナミズキを無残な形にしてしまったなんて、無知とはいえ罪だ。いや、無知ゆえにいっそう罪深い。得体の知れぬものを、正体を確認もせず恐怖するとは、なんと愚かだったことか・・。
あの生い茂る葉の美しさ、天に伸びゆく幹の力強さ。生きるぞという、その若い命の訴えになぜ気付けなかったのかと思うと、悔恨しかない。大木になられては困るのだけれど、もう少し待ってあげてから、世話をすることはできたはずだ。
いま、改めて、刈り込まれ、小さくなったハナミズキを眺めてきた。まだ辛うじていくらかの葉は残っている。葉は懸命に太陽の恵みを享受しようとしているように見えた。
なんとか、生き延びて、再び天を目指し背を高く伸ばしてほしい。
そのまま、見て見ぬ振りをしていたのだが、今年になって急激にグングン背を伸ばし、瑞々しい葉をつけた枝をいっぱいに広げているのをみて、何故だか恐怖を覚えてしまった。その姿のあまりの美しさに、却って恐怖心を煽られるようであった。
裏庭はスペースが広いとはいえず、このまま大木になられても処置に困る。裏手のアパートの日照にも影響しそうだ。そこで、手に入れたばかりの高枝鋏にて、バザバサと斬ってしまったわけだが、どうにも胸が痛んで仕方がない。
ところで、今朝、レッスンに向かった某駅前の植樹スペースで、わたしがバッサリやったばかりと同じ葉を見掛けた。ハナミズキである。
ああ、そうだ。あの葉にはどこか見覚えがあった気がしていたのだ。せっかく自生してくれて、人知れず健気に成長をつづけていたハナミズキを無残な形にしてしまったなんて、無知とはいえ罪だ。いや、無知ゆえにいっそう罪深い。得体の知れぬものを、正体を確認もせず恐怖するとは、なんと愚かだったことか・・。
あの生い茂る葉の美しさ、天に伸びゆく幹の力強さ。生きるぞという、その若い命の訴えになぜ気付けなかったのかと思うと、悔恨しかない。大木になられては困るのだけれど、もう少し待ってあげてから、世話をすることはできたはずだ。
いま、改めて、刈り込まれ、小さくなったハナミズキを眺めてきた。まだ辛うじていくらかの葉は残っている。葉は懸命に太陽の恵みを享受しようとしているように見えた。
なんとか、生き延びて、再び天を目指し背を高く伸ばしてほしい。