福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ドレスデン ~ エルベ川の畔にて

2016-02-23 02:44:07 | 旅行


「エルベ川越しに旧市街の見渡せる最高のホテルです」
と、アシスタントの方に案内され、期待に胸膨らませつつチェックインしたThe Westin Bellvue Dresden。ところが、通された部屋が、あまりに殺風景でガックリ。

そこで、フロントの綺麗なお姉様に「川沿いの部屋を」とアップグレードをお願いしたところ、めでたく適ったという次第。
引越先は、なんとゼンパーオパーを正面に見渡せるという絶好のロケーション。一夜あたり○○Euro追加の価値は十分にある? 確かに身分をわきまえぬ贅沢だけど、滅多に来ないんだからお許し願いたい。
明晩はあの麗しい建物の中で、ティーレマン指揮「ワルキューレ」を聴く。いまからワクワクするなぁ。



因みに、ドレスデン旧市街地では、毎週月曜日の19時から、旧移民反対派×賛成派入り乱れてのデモが行われるとのことで、「お出掛けは明るいうちに」とアドバイスされた。わたしもここでは一目で分かる外国人。トバッチリで排斥されては大変ということで、部屋でおとなしくしているところ。

まあ、ホテルのある新市街地は安全らしく、手頃なレストランもあるとのことだが、強い雨も振ってきたところで、夕食はルームサービスで済ませるつもり。

と、これを書く間にも、エルベ川対岸より、物騒なシュプレヒコールや笛の音、ときには騒々しいロックに乗せてシャウトする声までが聞こえてくる。沢山の青い光がくるくる回っているのは、恐らく警察の車両だろう。

と、こんな生々しい実況中継の出来るのも、部屋のアップグレードの恩恵である。
(騒ぎは10数分で終わった。というより、もっと街の中心に移動したのかも知れない)
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聖トーマス教会詣で ~ バッハの墓前にて感謝と祈りを捧ぐ

2016-02-21 23:00:04 | コーラス、オーケストラ




体調も回復したところで、今朝は第一にトーマス教会詣で。
バッハの墓前にて感謝とお祈りを捧げて参りました。聖堂内の柱には、我々のコンサートのポスターが貼られております。嬉しいことですね。



因みに、聖歌隊席後方のオルガンは修復中とのことで、マタイの本番に於いても、これらの足場やカバーが取り払われるということはないそうです。これも記念と考えましょう。

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蜂蜜と味噌汁

2016-02-21 17:39:52 | グルメ


今朝は原型を留めていた蜂の巣ごとのハチミツ。蜂の巣というより、巣箱からの一枠そのもの、という方が正しいらしい。下のスプーンでこさいで、小さな器に盛り付ければ、そのまま舌に乗せるなり、パンに塗るなり、ヨーグルトに投入するなり、あとはわたしの自由だ。

今朝も前半飛ばしすぎて、デザートまで行き着かず。しかし、チーズとフルーツとヨーグルトが美味かったからよしとしよう。



一方、こちらは、昨夜の夜食。「ワルキューレ」観劇後の宿にて。
持参した信州味噌に天然出汁粉末、乾燥鳴門産ワカメ、乾燥平ゆばを入れて湯で溶いたもの。美味い! 味噌の塩気が胃に心地よく染み込むのが分かるし、ゆばの舌に絡みつく感触が何とも言えない。
インスタントの味噌汁に入っている化学調味料が苦手(そうでないものは高価)なので、こういう試みをしてみたのだが大正解。身も心も芯から温まった。次回は乾燥葱も調達しよう。
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写真更新・ライプツィヒ歌劇場「ワルキューレ」 壮年期のベームを思わせるウルフ・シルマーの指揮

2016-02-21 07:41:36 | コンサート


ライプツィヒ歌劇場、ウルフ・シルマー指揮の「ワルキューレ」、大いに感動した。



本来の座席は1階パルケット1列目。つまり、ピットが目の前の所謂「かぶりつき」ということで期待したが、オーケストラがよく聴こえないなど音響的にはパッとせず、良さを感じつつも酔えなかったのだが、2階席に移動してからの第2幕以降はワーグナーを堪能した。



とくに魅せられたのは、第2幕後半から第3幕ラストまで。つまり、ブリュンヒルデの登場と活躍とともに音楽も充実していった、とも言える。

その見事なブリュンヒルデを歌ったのが、エーファ・ヨハンソン。いま調べたら2013年のびわ湖の「ワルキューレ」でもブリュンヒルデを歌っていたことが分かった。これなら、聴きに(或いは観に)行くのだったなぁ!

ワーグナーの分厚いオーケストラをものともせず突き抜ける輝かしい声。凛とした気品が備わっていて、まさにブリュンヒルデの性格そのもの。ジークムントに死を宣告する場面の幽玄さ、「魔と炎の音楽」に至るまでのヴォータンとのギリギリの攻防で見せた強さ! 声ばかりでなく、容姿と立ち居振る舞いの美でもって、歌劇場の空気を支配していた。
(ほかの歌手にもいろいろ感想はあるが、当方の体力の都合で割愛させて頂く。しかし、フンディング役のルーニ・ブラッタベルクの邪悪さと圧倒的な声量については触れておかずにはおれない。実に見事であった)。



ウルフ・シルマーの指揮は、どこか壮年期のカール・ベームを思わせる。勘所を心得た職人の指揮ぶりであり、ここぞというときにグイグイと手綱を引いて、音を開放するよりは、グッと締まりのある高揚に達する。 



これほど、美しい「ヴォータンの別れと魔の炎の音楽」を聴けるとは思っていなかった。というわけで、大いに満足の一夜であった。





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ライプツィッヒの朝

2016-02-20 17:34:16 | コーラス、オーケストラ


ライプツィッヒなのか? ライプツィヒなのか?
Androidに入れているATOKが「ライプツィッヒ」と最後を促音に自動
 変換するのを面倒に思っていたけど、確かに現地ではLeipzigと発音している。ウィーン~ライプツィッヒのローカル線の機内アナウンスでは、ライプツィックと言っていたが・・。

ウェスティンホテル・ライプツィッヒの朝食は、ソーセージ、チーズの種類もあって上質だ。

2年前、合唱団員一同を虜にした蜂の巣ごとのハチミツも健在(写真は、既に原型を留めていない・笑)。惜しいのは、珈琲がイマイチなのと、フレッシュジュースのないところかな。この点、ウィーンのいくつかの常宿に軍配が上がる。

些かメインを食べ過ぎて、デザートまで食欲の回らなかったのが今朝の反省。コーラスのレッスンと同じで、配分は大事である。明日は、ベターな配分を考えていこう。

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ライプツィッヒ着 ~ マンゼに間に合う!

2016-02-20 06:53:11 | コンサート


ウィーンを17:35に飛び立ったオーストリア航空OS272便は、18時45分頃にはライプツィヒ着。まさかのプロペラ機であったが、今回は気流も安定しており何事もなかったのは幸い。十余年前の地獄のウィーン~プラハ便以来のプロペラ機恐怖症が少し払拭できたかも。



到着ロビーにてお迎えの方に、「今夜、20時からのゲヴァントハウス管の切符買ってあるんですけど」と告げると「間に合いますよ!」ということで、タクシーで宿に急行。チェックインの間、そのまま運転手さんに待っていただいて、待望のゲヴァントハウス(前回訪ねずに終わった)に到着。



病み上がりに二度の離着陸で、些か耳のボーッとする状態での鑑賞とはなってしまったが、最後まで眠ることもなく、マンゼのハイドン、エルガーを満喫することができたのはめでたい。

終演後、タクシー代を惜しみ、歩いて宿まで戻る途中、サッカー・ファンが暴れていて数十人の警察官が包囲している現場に遭遇。せっかく早道を選んだのだがやむなく遠回り。(ホテル16階の部屋にも地上からの雄叫びがかすかに聞こえてくる)

日本時間20日07:00過ぎのいま、ドイツは前夜23:00過ぎ。まずは、シャワーを浴びて寝よう。カバンを開けるのも、何をするのも明朝起きてからである。



明晩はゲヴァントハウス・ロビーよりガラス越しに見えるオペラハウスにて、ウルフ・シルマー指揮の「ワルキューレ」鑑賞の予定。
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では、行ってきます

2016-02-19 11:17:11 | コーラス、オーケストラ


予定より48時間遅れのフライトとなりました。ウィーン経由にてライプツィヒを目指します。

長いフライトのお供は、もちろん「マタイ受難曲」。空の高みに昇ったところでスコアを開き、東京公演の録音を聴きつつ想いを深めます。

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思わぬ完成度 マタイ東京公演

2016-02-18 23:45:17 | コーラス、オーケストラ
この2日間、病院に出かけた以外は成田の宿籠もり。近所にディスクユニオンもなく、自ずと1月30日のマタイ東京公演の録音を繰り返し聴くこととなった。

アマチュア・コーラスの場合、本番と録音の印象の異なるケースが多い。マイクがコーラスの技術的な瑕疵に敏感だからで、会場では気にならなかった発声、ピッチ、発音の難が残酷なほどに露わにされてしまうからだ。2013年のあの人生の記念碑とも呼べる聖トーマス教会に於ける「ロ短調ミサ」ですら、録音で聴くと耳を覆いたくなる場面が少なからずある。

というわけで、今回の「マタイ」も些か心配しながら聴いたのだが、思いのほか落胆する場面はなかった。もちろん、自分が指導しているのだから、未だ課題山積なことも、どこが拙いのかも承知の上なのだが、この録音ではそうした弱みがかなり薄まって、気にならない程度にまでなっている。

本番の神聖な空気の中で、本来の自分たち以上の力が出せたからでもあろうし、素晴らしいオーケストラに力を貰ったためでもあろうし、わが指揮が高みに導いたのだとも言えるだろう。神のご加護もあったのか??
もっとも、声楽の難易度として、マタイよりロ短調ミサのほうが、遥かに高いという考慮も必要だろう。

ライプツィヒ・ツアーに参加するのは、東京公演130人中の70人弱。60人もの方がお留守番となる。優れたソリスト陣、オーケストラともども、このままの陣容でライプツィヒに乗り込みたい気がする。それほど、見事なパフォーマンスでなのである。もっとも、2/13~14の最終合宿では、より鮮明に技術的・精神的課題が浮き彫りとなり、苛烈なレッスンとはなったのだが・・。

それともうひとつ。
少し前に「マタイの186分9秒」と書いたけれど、録音を聴きながら、これが違っていたことに気付いた。あの合計タイムは全部で68あるトラックの音の頭から尻までしかカウントされていない。つまり、あの日のステージにあった曲間の呼吸や余韻などがカットされていたのである。いま、その曲間の復活をエンジニアにお願いしたところ。というわけで、完成品はあと数分長いものとなるであろう。



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復活 ~ 明日旅立ち

2016-02-18 19:20:15 | コーラス、オーケストラ


丸2日間、成田の宿にて休養。
気力、体力ともに回復し、明日のフライトにてライプツィヒに向かうことが出来そうである。

無理を重ねる → エネルギーを使い果たす → 発熱・気管支炎

というパターンは、これまでも何度かあったのだが、そろそろ懲りないといけない。もう若くはない。しかも、大事なお務めの前であり、タイミングによっては公演に影響するところであった。以後の自分への戒めとしよう。

急なキャンセルからエムセックにはご迷惑をおかけした。フライトの条件も悪くなってしまったが、向こうに着いてしまえば同じだ。バッハを心の杖に長いフライトを乗り切ろう。

写真は団員Hさんに現地のご友人から送られた「マタイ」公演のチラシとチケット。チラシに千羽鶴があしらわれているのは、2013年「ロ短調ミサ」公演の際、団員一堂が折り、エムセック・スタッフの束ねた鶴を、わたしがバッハの墓前に捧げたことを記念するもの。現地の皆さんが憶えていてくれていることに感激する。

コーラスも、わたしの指揮も、前回よりは各段の進歩を遂げている筈であり、ライプツィヒの聴衆の心に何かを残す演奏となることであろう。

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幻のマンゼ ~ 指環の呪い?

2016-02-17 06:47:20 | コーラス、オーケストラ
株価の下落とともに我が体調も急降下。先週末の合宿後に底を打った模様。昨年からの疲労の蓄積で抵抗力の落ちていたところ、どこかで悪いものを貰ってしまったのか・・。

というわけで、今朝の出発は断念し、数日間静養することとする。乾燥した機上で苦しむのは目に見えているし、ドイツで医者の世話になるのも大変。こんなときは、気圧の変化で耳もやられやすいので用心すべきなのだ。

いろいろ反省すべき点はあるが、1月29日~30日のマタイ稽古から本番のハードなスケジュールで消耗した体力を回復させる時間を作らなかったこと。或いはそれに耐えうる体力づくりをしなかったこと。

不幸中の幸い、聖トーマス教会のマタイまで、まだ2週間あるので、予定していた現地でのコンサート、オペラ通いへの未練は断ち切って、回復に努めたい。

海外コンサート、オペラ観賞を断念するのは、2010年のヴェルザー=メスト&ウィーン国立歌劇場の「リング」全曲以来。今回も、ライプツィヒの「ワルキューレ」「ジークフリート」、ドレスデンの「ワルキューレ」が予定されており、どうも「リング」に嫌われているようだ(笑)。
コメント (2)
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