わたしは、新幹線の普通車に乗るときは、3人掛けの通路側、アルファベットでいうところのC列を選ぶのを常としている。
隣人に気兼ねなく好きなときに立てるし、少なくとも通路側に空間がある。さらにB席が空いていれば一層楽チンだ。
本日も、新大阪始発の「のぞみ」の席を取り、右隣のB席が空いているのでしめしめと思っていたら、京都で若い坊さんが乗り込んできて座ってしまった。
まあ、それは仕方ないのだが、この生臭坊主(失礼!)は、どうにも精神修行をしているようには見えない。
カツサンドをムシャムシャ食べたり、缶コーヒーをゴクゴク飲んだり・・・。まあ、それも良かろう。
食事が終わると、ほんとうにだらしない顔で、居眠りを始めたのには心底参った。
顔を天井に向ければよいものを、よりによって、顔を真左、即ちわたしの方へ向けて、大口開けて呆けることはなかろう。
座席のリクライニングの角度がわがしとピッタリ同じなものだから、ちょうど我が顔の真横に坊主の気色悪い寝顔がある。
これほど嬉しくないことはそうそうあるものではない。
自分のリクライニングは解除し、ほぼ背もたれを直角にして彼を視界から消したまま新横浜までの時間を過ごすほかなかった。
きっと仏様からの「修行しなさい」との声であろうと解釈し、骨盤底筋を鍛える体操に勤しんだものである。