昨夜の事である。
父が珍しく私の部屋に入って来て
「テレビに雑音が入るんや」といってきた。
自分の部屋のTVに雑音が入るので、
私の部屋のTVにも雑音が入るか?どうかを確かめに来たようだ。
ちょうどTVを見ていた私は、
TVに雑音など入っていないので、
父の部屋に見に行ってみると、
父の好きな時代劇が写っていた。
画面も綺麗、雑音も聞こえて来ないが…⁇
父は「テレビと違う声が聞こえて来る」…と言う。
何処かで混線しているのか?
ラジオでは、局にきちんと合わせていなかったら、
他局の声が聞こえて来ることは、よくあるが…。
見た感じでは、混線しているようでも無いが…。
父は、TVのチャンネルをパチパチと切り替えては、
変な雑音が入るのだと、しきりに私に訴える。
「お父さん、雑音は聞こえてないよ」
父は、真顔で真っ直ぐ私を見て
「最近、夜中にも声がするんや」…と言った。
「ヘェ~外で誰かが話しているんかな?」
家の裏は、パチンコ店の駐車場である。
そういう事が有るかも…と、私は思った。
そして、こう続けて、
「テレビを消しているのに、テレビから声がしてくるんや」と、
父の真っ直ぐで、少し怯えた目が、私に訴えた。
それを聞かされた私は、
頭を殴られたような、大きな衝撃を受けた。
痴呆の症状の幻聴では無いか?
恐れていたことが、こんなに早くやって来るとは…。
昨年の今頃は、丹精込めて育てた菊の鉢を、庭や玄関に並べて、
来る人に自慢していた。
その菊の鉢は、手入れをされないままのみすぼらしい格好で、今咲いている。
その菊の花のように、たった1年で、こうも違ってしまうとは…。
痴呆は坂を転げ落ちるように、進んでいる。
「今、テレビに雑音聞こえないでしょう。大丈夫だから、雑音が聞こえたら、私を呼んでね」
…と、興奮気味の父を落ち着かせた。
父は珍しく「変なこと言って、ゴメンね」と、他人行儀な言葉を言って、
私の不安を増長させておきながら、
何事も無かったかのように、TVの前の椅子に座って、
また、好きな時代劇の画面を見つめていた。
父から、手も目も離せなくなる日が、そう遠く無いのを感じ
大きな不安に、私は、寒気を感じていた。
り
父が珍しく私の部屋に入って来て
「テレビに雑音が入るんや」といってきた。
自分の部屋のTVに雑音が入るので、
私の部屋のTVにも雑音が入るか?どうかを確かめに来たようだ。
ちょうどTVを見ていた私は、
TVに雑音など入っていないので、
父の部屋に見に行ってみると、
父の好きな時代劇が写っていた。
画面も綺麗、雑音も聞こえて来ないが…⁇
父は「テレビと違う声が聞こえて来る」…と言う。
何処かで混線しているのか?
ラジオでは、局にきちんと合わせていなかったら、
他局の声が聞こえて来ることは、よくあるが…。
見た感じでは、混線しているようでも無いが…。
父は、TVのチャンネルをパチパチと切り替えては、
変な雑音が入るのだと、しきりに私に訴える。
「お父さん、雑音は聞こえてないよ」
父は、真顔で真っ直ぐ私を見て
「最近、夜中にも声がするんや」…と言った。
「ヘェ~外で誰かが話しているんかな?」
家の裏は、パチンコ店の駐車場である。
そういう事が有るかも…と、私は思った。
そして、こう続けて、
「テレビを消しているのに、テレビから声がしてくるんや」と、
父の真っ直ぐで、少し怯えた目が、私に訴えた。
それを聞かされた私は、
頭を殴られたような、大きな衝撃を受けた。
痴呆の症状の幻聴では無いか?
恐れていたことが、こんなに早くやって来るとは…。
昨年の今頃は、丹精込めて育てた菊の鉢を、庭や玄関に並べて、
来る人に自慢していた。
その菊の鉢は、手入れをされないままのみすぼらしい格好で、今咲いている。
その菊の花のように、たった1年で、こうも違ってしまうとは…。
痴呆は坂を転げ落ちるように、進んでいる。
「今、テレビに雑音聞こえないでしょう。大丈夫だから、雑音が聞こえたら、私を呼んでね」
…と、興奮気味の父を落ち着かせた。
父は珍しく「変なこと言って、ゴメンね」と、他人行儀な言葉を言って、
私の不安を増長させておきながら、
何事も無かったかのように、TVの前の椅子に座って、
また、好きな時代劇の画面を見つめていた。
父から、手も目も離せなくなる日が、そう遠く無いのを感じ
大きな不安に、私は、寒気を感じていた。
り
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