朝8時半のバス停には、私以外の乗客はいない様だ。
今朝は、ずいぶん冷え込んでいた。
東の空は、白い雲の隙間から明るい日がさしていたが、
北の空は、グレーの雲が山の頂上まで降りてきていた。
あの下は、雪が降っているのだろうか?
そんな事を考えながら、少しでも日当たりのいい暖かい場所に身を寄せ、バスを待っていた。
8時57分、定刻にバスが来て乗り込んだ。
相変わらず乗客は少なく、私を入れて四人。
父は、私が家を出る時も、まだ寝ていた。
最近、起きてくるのがずいぶん遅くなった。
父の朝食の準備を済ませ、🍚🍜🍵
ベットのそばに行き寝ている父に「今から帰るよ」と、声をかけた。
目を覚まし「そうか」と答えたが、起きようとする気配はなかった。
「ベットから起きる時、ゆっくり起きなあかんよ」と、注意した。
2日前の夜中に、トイレに起きようとして目眩がしたようで、
大騒ぎをしたことがあり、心配だった。
夕方交代で帰ってくる妹に、
連絡事項や、父の様子をメールで報告した。
「9時過ぎにお父さんに、起きる様に電話してみるわ」と、妹からメールが返ってきた。📩
父の介護をするようになってから、3年半が過ぎた。
3年半が過ぎた気がしないほど、私にとっては、あっという間だった。
最近の父は、
体力も記憶力も、目に見えて衰えてきた。
体調にも大きな波があり、気を使う事も多くなった。
それでも、今年95歳を迎える年齢にしては、元気な方だと思う。
バスが淡路島に入ると、みぞれが降っていた。
もう父は、ベットから起きただろうか?
今朝は寒いが、大丈夫だろうか?
そろそろヘルパーさんが来てくれる時間だが…。
そんなことを心配していた私の目の先の海に
虹がかかっていた。
それは白い雲の中から、浮かび上がる様にうっすらとだが…
心配することないや‼︎
大丈夫‼︎
いい知らせの様に思えて、心が軽くなった。
帰宅後、夕方帰った妹から
「お父さん元気だよ」と、メールが届いた。
あとは妹に任せて、
2週間、ゆっくりさせて貰おう‼︎