徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

海に生きる・海を描く @千葉市美術館

2006-07-07 | 美術
海に生きる・海を描く
~応挙・北斎から杉本博司まで~
千葉市美術館
2006年6月3日から7月17日まで

千葉市美術館館長をされた辻惟雄先生は、著書「日本美術の歴史」(東京大学出版会)の中で「(円山応挙は)「富士三保図屏風」のような没骨(もつこつ)(輪郭線を用いず墨の濃淡だけでかたちを描く手法)による山水画法も試みるなど、かれのレパートリーはひろい」と書いている。この作品が出展されているというので、たまたま近くまでいったので寄ってみました。

海の向こうに三保の松原、その向こうに富士の峰。応挙写、そして1779年の初春と署名。少し霞でもかかっていたのでしょうか?歌川広重 東海道五十三次の江尻(三保の松原)も同位置からの構図ですが、昔は、三保の松原が海に浮かぶように見えて、それは美しい景色だったのでしょう。

このほかには、
パンフレットを飾る、葛飾北斎 千絵の海「総州銚子」「総州利根川」。
司馬江漢「犬のいる風景図」(1800-02)(絹本油彩額装)
無款 新版阿蘭陀女通行之図(銅版筆彩)
喜多川歌麿 「潮干のつと」(1789)彩色摺絵入狂歌本(かけらを集める(仮)。さんのサイトで教えていただきましたが、国立国会図書館所蔵本の画像が。ここ)にあります)

また、明治以降の版画として

織田一磨 築地河岸「東京風景」(1916)、品川「東京風景」(1916) の2点は、石版単色摺の力強い線が印象的
川瀬巴水(かわせはすい)の松島桂島「旅みやげ第一集」、夜を描いた風景で藍色をベースとした画面の色合いが印象的だ。出雲松江(曇り日)「旅みやげ第三集」などは、曇り日の風景。川瀬巴水は、かなりの点数が展示されていました。

川瀬巴水(かわせはすい 1883-1957)東京・芝に生まれる。鏑木清方門下となり、同門の伊東深水と共に「風景の巴水、美人画の深水」と評される。 その画に横溢するノスタルジアは余人の追随を許さず、欧米ではすでに北斎や広重と並び称される作家である。とT-NETオークションのサイトには紹介されていました。

諏訪直樹 無限に連鎖する絵画No.32-50
杉本博司 
については初見。

今年の展覧会スケジュールを見ていたら11月に浦上玉堂展があります。これは見逃せないかも。
コメント (3)
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