岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

40年連続して厳冬期の岩木山山頂に立った / 第17回写真展「私の岩木山」の案内

2010-01-12 05:16:22 | Weblog
 (今日の写真は、昨日11日11時45分ころに「岩木山山頂にいる」私である。やっとの思いで這うようにして、相棒の後ろに従い登った。疲れてしまい、40年連続厳冬期登頂という感激も感慨も何もなかった。
 ただただ、寒く、恐らく体感温度氷点下30℃くらいだったろう。温度計は氷点下10℃だったが、風が強くて風速20m程度だが、風速によって「体感温度」はどんどんと低下する。
 だが、これでも、厳冬期の山頂としては穏やかな方である。ここにも、暖冬の影響が現れている。少なくとも30年ほど前の岩木山は厳冬期、本当に寒かったし、風も強かった。この写真のような格好でいられる場所ではなかった。吹き飛ばされるし、目を開けてはいられない。雪が降っていないのに、雪層から剥がされた「堅い雪(氷の片々)」が礫のように飛んでくる。
 そんなことを思い出しながら、「風速20m、体感温度氷点下30℃」の穏やかな山頂に相棒と一緒に立つことが出来たのだ。)

◇◇ 40年連続して厳冬期の岩木山山頂に立った ◇◇

 相棒さんの助けを借りて10、11日と「岩木山岳登山道尾根・山頂往復(スキー・ワカン併用)」を実施した。
小屋泊まりにするか、雪洞にするか、テントにするかと「一泊」の方法を3通り考えての登山だった。夏山と違い、「雪山」はその山に入らないと「現場の状況」がつかめない。しかも、「現場の状況」は刻一刻とは変化する。その変化のすべてに対応出来るような「準備」が必要になる。そのためには「テント一式」を背負って登ることにもなるのである。
 先ずは10日の雪の状態だ。重い雪、スキーなのに深いところでは膝上まで埋まるし、平均で膝下だ。これだと登高のスピードは上がらないし、全身にかかる負荷は大きい。疲れる上に「時間」がかかる。
 岳登山尾根の中部で、登って来た日帰りスキー登山の3人グループに追い越された。追い越されるのは当然だ。彼らは私たちが造った「踏み跡」を辿ってきているからだ。
 私たちは2人、彼らのトップは3人目ということになる。そうなると「負荷」は3分の2は減少する。因ってスピードは増す。その中の1人は知り合いであった。
 「踏み跡を借りて楽させてもらいました。交代しましょう」と言って、今度は彼らが先を行く。とたんに、「楽な」登りとなった。だが、「楽な登り」は間もなく終わった。
 私は、彼らは「スカイラインターミナル」までは行くのかなと思ったが、彼らは「軟弱なのでここで終わります」と言って、ツエルトを張って休憩してしまった。その場所は「ブナ林」が伐採されて開かれた「ゲレンデ」となっている上部である。ターミナルまではまだまだの距離があった。
 計画では12時までにスカイラインターミナルに着くことにしていた。彼らの踏み跡を辿ることでいくらかは楽をさせてもらい、距離も稼いだが、登るに従い新雪は多くなり、ザックとスキーやストックの全重量がまるで、手枷、足枷のように重かった。それに、ターミナルの直下は東に逸れると、雪崩の発生する「鍋沢」だ。雪庇は発達していないが、その辺りは通りたくない。視界も悪く10m前後まで落ちていた。
 そこで、距離は長くなるが「湯段沢」源頭部をトラバースして「スカイライン道路上」に出ることにした。
 よく見えない。何処がカーブなのか分からない。氷のように堅い雪面があるかと思えば、股下までの吹き溜まりにはまり込む。やっとの思いでターミナルリフト乗り場の建物の前に出た。
 時間はすでに13時を回っている。「鳳鳴小屋」まで行くか、もう少し登ったところに雪洞を造るか、もう少し登ってテントを張るか、それとも、この場所にテントを張るかを決めなければいけない。
 リーダーは、この場所に「幕営」することを決めた。

 因みに装備と食料は次のようになっていた。

共同装備一覧:
・スコップ・ザイル・送り(30本)・携帯ラジオ・携帯電話・ロウソク(多めに持つ)・ライターなど ・「テント一式」
個人装備:
・スキー(シール貼り付け)・ワカン・ストック・ピッケル・厳冬期登山の必需品すべて(寝具、衣類は羽毛を主体として用意)・行動中の服装はオーバーヤッケ上下・帽子「目出し帽」・オーバーミトン・火器・ガスボンベ(2個)・コッヘル・敷き板・ヘッドランプ・簡易マット・水筒:ペットボトル・テルモス 
食料計画:
10日:昼食・夕食 11日:朝食・昼食
(他に行動食として、立ったままで食べることが出来るエネルギーの効率の高いものや果物。気をつけないと凍ってしまう。予備食としてパンや餅など。)
 注:食料は嗜好と身体状況に合わせて各自が用意。
                              (明日に続く)

◇◇ 第17回写真展「私の岩木山」の案内 ◇◇

      〓〓 第17回写真展「私の岩木山」への
                 出展と鑑賞へのお誘い 〓〓

 さて、今年度の写真展「私の岩木山」を次の要項に従い開催いたします。この写真展開催の主旨は「津軽の人は各自、自分の岩木山を原風景として持っている。その”私の岩木山”という思いが込められている写真を展示して、あなたの岩木山を私のものに、私の岩木山をあなたのものに共有しあおう」なのです。一人一人の「私の岩木山」であればすべて、出展の条件と資格を満たしていることになります。
 ふるって参加・出展をお願いします。会員でない方の出展も可能です。写真の質的、技術的なものは一切問いません。「私の岩木山」という思いが込められている写真であればすべて対象になります。
 どうか、ふるって参加・出展をお願いします。会員でない方の出展も可能です。ここ数年、会員でない方の出展が増えています。
  会員でない方で、出展を希望する方は、事務局三浦まで、電話で早めにお問い合わせください。事情があって問い合わせの出来ない方は下記の注意事項にそった形で「搬入」して下さい。1人3点以内とします。
 多くの市民の方々、会員の方々の写真出展と写真展にお出で下さることを切に願っています。
                     岩木山を考える会会長  阿部東

            写真展「私の岩木山」

        ・開催日:2010年1月15(金)~17(日)日。

        ・開催時間:10:00時から17時(17日は16時で終了)。

        ・開催場所:NHK弘前放送局ギャラリー
              (下白銀町弘前市文化センター向かい)。

            ★注 意 事 項★

・写真の搬入は14日の15~16時にNHK弘前放送局ギャラリーまで、それ以前は受け付けられません。
・写真には「氏名」「題名」「撮影年月」「コメント」を別紙で添えて下さい。