あるひのあひる

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心の時間軸

2014-11-13 00:44:17 | 心理学

今回は、シリあひょです(笑)


心理カウンセラー養成講座に通い始めて半年。
現在はアートセラピーを学んでいる。

前回の授業で、ある言葉が非常に強く印象に残った。
「心(思考)の時間軸」。

人間の思考は、状況に応じて現在、過去、未来を自由に訪れることができる。
そして、精神的に健全な状態なのは、「現在」に多く時間軸を置いている人。
その人はまさに「今を生きること」にポイントを置き、思考し、行動を起こしている。

それに対し、主に「過去」に時間軸を置きがちな人は
過ぎ去ってしまった取り返しのつかないことをいつまでも悔やみ、嘆き
常に後悔や自己憐憫の念を胸に抱きつつ毎日を送りがちなので
心理的にはストレスが大きい状態と言える。

そして、「未来」。
“常に未来のことを考えて思考、行動している”と聞くと
一瞬、前向きで精力的な良い印象を抱いてしまうのだけれど
実は、これが曲者だったりする。

「未来」にのみ時間軸を置いている人は多くの場合
心理的に不安や焦燥感、煩慮の状態に陥りやすいのだ。
いわゆるうつの状態の人は、このタイプが多いと言われている。

ちなみに、一番理想的で健康的な状態は
基本的に「現在」に時間軸を置き、事情に合わせて臨機応変に「過去」と「未来」を往き来できる人。


先生のこの説明を聞いた時、ハッとした。
自分のこれまでの精神状態を考えると、まさにこの通り。
不安や心配が強く精神的に不安定になっている時は大抵
まだ起きてもいない悲観的な未来をあれこれ妄想し、自分で不安を煽っていたのだ。

私の場合は特に、喪失への恐れや不安が人一倍強いような気がする。
とりわけ、近未来に喜びごと(例えば結婚とか、海外旅行とかの大きなイベント)を控えているような時
私の時間軸は思いっきり未来にシフトしてしまうようだ。

大げさではなく、「皆何事もなく、生きて無事その日を迎えられるのだろうか」と
内心ではあらゆる悲劇のアクシデントが頭を過ぎり
本来喜びと楽しみを持って過ごせるはずの現在が、不安や心配で溢れかえってしまっていた。
『心配事の9割は起こらない』という本もあるように、結果的には私の場合もその日は無事迎えられ
安堵と同時に、杞憂に囚われて過ごしてしまった不毛な時間を情けない想いで受け入れ続けてきた。

この負の連鎖から脱出する方法の一つが、この時間軸のコントロールなのだろう。


もちろん、未来への適度なシフトは必要だしとても大切なことだと思う。
最悪の事態の妄想が、危険予知という防御につながることもあり得る。
それに、これまで50年近くこの思考で生きてきたわけだから
いきなり簡単にサクッと思考転換というわけにもいかないかもしれない。
けれど、意識をすることで、明らかにこれまでとは変わってくるはずだ。


自分が今、どこの時間軸を基準に思考、言動しているのか。
少しだけ俯瞰し、客観的に分析してみる。
そして「今ここ」の感覚にとどまり、やみくもに過去や未来に飛躍しない。


先日学んだアートセラピーのひとつ「コラージュ療法」で作成した私の作品では
わりと健全に未来を捉えて現在を過ごしていることが良く表れていた。
「コラージュ療法」は、自分の時間軸を客観視できる、楽しいツールの一つだと思う。
(※コラージュ療法:簡単に説明すると、雑誌などから気になる絵や写真を切り抜き
画用紙に糊で貼りつけてゆくことにより癒しを得る、一つの心理療法)



「今」を冷静に、客観的に観察する癖がついたら、きっと分析力も身についてくるはず。
現在を冷静に分析できる力が身につけば、いたずらに未来を恐れる必要がなくなり
自然と心の状態がコントロールできるようになるだろう。


時間軸の迷い子になり、未来や過去をさまよって苦しんでいる人は案外多いのかもしれない。
近い将来、これまで学んできたことを上手く融合して
誰かが苦しみから抜け出せるお手伝いができれば・・・と思わずまた未来にシフトしてしまったあひょだった。

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