「水仕事もしてないのに、手がカサカサになったとよ」
きょん母(義母)の、この言葉がきっかけで
見舞った時のお約束になった、手のマッサージ。
病院の空調で空気が乾燥しているせいか
確かに、手のあちこちがカサカサと、白く皮がむけていた。
ハンドクリームを塗りながら、手首から指先まで
ゆっくりともみほぐす。
いろんな話を聞いたり、聞いてもらったり。
静かに穏やかに時間が過ぎてゆく、不思議と心が休まる時間。
時折
「気持ちいいねー。誰かに習ったの?」と聞かれるので
「うん。前に一度講座を受けたことがあるんですよー」と答えると
「そうやろうねー。上手やもんね。」と誉めてくれる。
毎回あまりに「気持ち良い」と言ってくれるもんだから
ある日、調子に乗って
「じゃ、今度からお金もらおうかなー」と笑いながら冗談を言ったら
「いやいや。まだそのレベルではないねぇ。」とニヤニヤ笑顔で返されたりして。
その日も
「マッサージ、誰かに習ったの?」と聞かれたので
「はい。ちょっと昔に。でもまだ初心者だから上手じゃないんですよねー。
・・・気持ちだけは、込めてるつもりなんですけど。」と何気なく答えたら
きょん母は、ふふふっと優しく微笑んだ。
そして、ゆっくりとひとこと。
「それは、ちゃんと伝わってますよ。」
嬉しかった。
こんなにジャストミートで心に響いた言葉は久しぶりだ、と感じたくらい
本当に、心から嬉しかった。
暖かい毛布でふんわりとくるまれたみたいに
じわーっと心が温かくなった。
・・・ほんのちょっぴり、泣きたくなるくらいに。
ああ、やっぱり。
人との繋がりには、必ずしも言葉は必要ではないんだ。
目には見えないけれど、やっぱりあるんだね。
「心」という、強い繋がりは。
私が習った講座は、単なるマッサージではなく
ハンドボンディングケアという
手を通じて、心を繋げ、伝えようというコンセプトのもの。
数年前のある日
そのとき特に必要というわけではなかったのに
なぜかとても気になって
なんとなく、受けておくべきだと感じて
心のままに学んだ講座。
きっと、ここで繋がるためだったんだね。
なんとなく感じる、という感覚を大切にしよう。
頭ではなく、心が動いたことを
もっともっと大切にしよう。
その小さな声に耳を傾けよう。
すぐには解らなくても、それはいつか
かけがえのない心の宝物にたどり着く。
きっと、いつの日か。
2月初旬に土地売買契約書に調印したものの
きょん家の資金繰りの都合で、残金決済&土地の譲渡は6月下旬。
その間、約4か月。
年明けから2月下旬くらいまでは結構慌ただしくいろんな動きがあったのですが、ここで一気に減速。
基本プランの打ち合わせも、3週間おきくらいののんびりペース。
ゆっくり時間をかけていろんな相談が出来ました。
設計担当のTさん。物腰の柔らかな、いつも笑顔の方ですが
やはり設計に関するこだわりはしっかりとお持ちで
そのセンスがきょんあひょと合っていたこと、そして
きょんのダンナにも建築の心得があるということもあって
設計に関しては、ホント、順調でした。
家作りは夫婦の戦い、と聞いていたのですが
住まいに関する考え方や好みがよく似ていることもあり
大きなバトル勃発!ってこともなく。
ところが。
唯一悩ましかったのが、今回の土地造成業者さん選び、でした。
(ちなみに今日現在、外構の業者さんはまだ決定しておりません)
「まだ時間いっぱいあるし。」
動かない、考えない、なかなか決定しない。
そんなのんびりモード突入のきょんのダンナと
実はせっかちで几帳面(なとこもある)、やると決めたら一気呵成にサクサク進めたいあひょ。
設計はどんどん順調に決まってゆくのに
肝心の土地造成工事の業者さんがなかなか決まらない・・・
ホント、やきもきしました。
確かに、おっしゃるとおり土地の引き渡しまでには相当時間があるとはいえ
一体いつ決めるのよっっって。
というのも、この土地。
まるでお城のような立派な石垣にぐるりと周囲を囲まれていて
駐車スペースとアプローチを確保するためには、道路に面する石垣を取り除き
セットバックして新たに擁壁を作り直さなければならなかったからなのです。
結構大がかりな工事。
石垣の高さは高いところで2m近く。
ちなみに、右端に見えているアプローチは隣家の敷地です。
とっても良い環境にある土地なのに、なかなか買い手がつかなかった大きな理由がこれ。
不動産会社さんの見積もりでは、350万円はかかるでしょうと言われていました。
もちろん、納得済みの購入でしたので、造成工事代についてはある程度覚悟していたのですが。
一体いくらかかんのじゃ~
さっさと何社か業者に頼んで、はよ相見積もり出してもらわんか~い
あひょの心中でごうごうと吹き荒れ轟き渡る、じれったい怒りの嵐。
だって、金額によっては、建物にかける予算を減らしてこっちにまわさなきゃなんないし・・・。
そんな状況を救ってくれたのが、やはり
頼もしい営業のNさん、でした。
住友林業緑化さんというグループ会社はあるのですが
(一応見積もり出してもらったけど、やっぱ超高くって・・・)
それにこだわらず、私達のためにさりげなく陰でいろいろ動いて下さって・・・。
おかげさまで、最終的には
予算よりかなり安く造成工事業者さんと契約することができました。
(ただし、確定したのは6月下旬。どんだけ時間かけたんじゃ~)
ま、いろいろありましたが
この1件を経て、営業Nさんへの信頼はますます絶大のものとなり
あひょにとってはもう、神様状態に。
妻夫木くんを思わせる、人懐っこいチャーミングな笑顔。
そんな素敵なN神様は後日、あひょに素敵なお守りを授与下さいました。
うけけけけ~。きこりんストラップ。
なんかグッズが欲しいな~と思ってたので、すんごく嬉しかったっす。
お客様の潜在ニーズを察し、それを満たすことにより感動を与える。
さすがN神様、心得ていらっしゃるぅ
(少し時間が戻りますが)2月初め。
まずは建設予定地の敷地調査と地盤調査が行われました。
後日、結果をまとめた、1cmくらいの厚みのある立派な1冊の報告ファイルを頂きました。
調査結果は問題なし。
もし軟弱だと何らかの措置が必要となって
その分費用がかかって見積り額にも影響してくるので、まずは一安心。
そして、2月中旬。
基本プランもほぼ固まった頃、見積り額の提示がありました。
この日ばかりはホント、きょんのダンナと二人、マジで超緊張しましたわー。
で。ドキドキの結果は・・・
予算を少々オーバーしていたものの、まぁ、想定の範囲内。
きょんのダンナの会社との法人提携値引きや、モニター値引きなどで
何とかクリア。・・・ほっ。
というわけで、この時ようやく
住友林業さんで家を建てるぞ!と確定したのでした。ふぅ。
この日、インテリア担当のSさん(女性)とも初顔合わせ。
明るく気さくで、何でも相談できそうな素敵な方。
これからの打ち合わせもますます楽しくなりそうだなーと嬉しくなりました。
そんなこんなで。
2月22日。
工事請負契約書の締結となりました。
この日は、気分もちょっとあらたまって、きょんのダンナもジャケット着用。
時間をかけて契約に関する説明をしっかり受けた後、調印。
設計士のTさんとも初顔合わせ。
穏やかで人当たりの良い、話しやすそうな方です。良かったー。
営業のNさん、設計のTさん、インテリアのSさん。
これでとりあえず、チームきょんず(勝手に命名)の役者が揃ったわけです。
この日。
締めくくりにNさんが
「良い家を作りましょう!」という力強い言葉をかけてくれ
きょんのダンナとガッチリ握手。
二人のその姿を間近に見て
感動で思わずじわっと涙ぐんでしまったあひょでした。
実はこの日は、今は亡きあひょ祖母の誕生日でもあり
きっといろんな方々が見守って下さっているんだろうなーと感じて
感謝で胸がいっぱいになっちゃって。へへ。
いい家になるといいな。
子どもがいないから、大人3人じゃ、ちょっと淋しい。
だから
たくさんの友達が遊びに来てくれて、子どもたちも来てくれて
わいわいみんなでにぎやかに
いろんな楽しいコト、できるといいな。
そして、
辛い時にも、ちょっと寄りたくなる
そんな、温かで心安らぐ、優しい家になるといいな。
凍えている誰かの心を、大きく暖かく包み込むような
そんな、やさしいおうちに。
前回からずいぶん経ってしまいました。
本当はリアルタイムな記録としてこまめにUPするつもりだったのですが
なかなか現在に追いつかず、回想録のようになっちゃってます。
今年1月初めに設計ラフ図が出来て、ぐっと現実味を増した家づくり。
まずは土地の購入に向け、不動産会社のMさんと細かな交渉開始。
順調に話は進み、2月初めに契約書調印となりました。
今回は、その間に同時進行していた、ハウスメーカー決定までの経緯です。
A社の無料相談会で作成してもらった設計図。
予算を考えると、絶対実現不可能。
それに、きょんあひょ夫婦&きょん母の3人暮らしには広すぎる・・・。
てなわけで、いろいろ検討した結果、平屋にしよう!ということになりました。
無料相談会の帰りに、次回打ち合わせ日を約2週間後で予約していたのですが
その打ち合わせ日の前夜、急遽決めた大幅な変更でした。
で、翌日。変更の意志を伝えられないまま、打ち合わせへ・・・。
営業のNさんは、前回のプランを元に
2階建ての立派な図面ファイルを2パターン用意して待っていてくれました。
あちゃ~
それぞれの図面について、一通り説明を受けた後。
「あの・・・申し訳ないんですが、実は平屋にしようかと・・・」おそるおそる切り出すきょんのダンナ。
「あっ、そうですか!・・・実は僕も平屋がいいなーと思ってたんですよー!」あくまでも爽やかなNさん。
「じゃ、さっそく平屋プランを考えましょう!」にこやかにあっさりと変更になりました。
「・・・で、ですね。」とここでノートを取り出すあひょ。
「実は、ざっくりとした間取りを考えてきたんです」
本当はきょんのダンナ(実は2級建築士)が図面をひいてくれる予定だったのですが
超多忙で時間が取れず、ド素人のあひょがテキトーに手書きしたいい加減な間取り図をNさんへ。
風水のサイトを参考に、吉方位に各部屋を配置したものでした。
そのお粗末な図を参考に、詳しいヒアリングをしながら
間取り図をサクサクっと手書きしてゆくNさん。
すごいなー、設計もできるんだー、と感心していたら
Nさんも2級建築士でした。納得。
こうして、めでたく基本の間取り図が完成しました。
家を建てる時、おそらく多くの方々が
この時点で数社に設計図を書いてもらって相見積もりを取り
比較検討して最終的にメーカーを決める、という流れなのかもしれませんが
きょんのダンナも私も、他メーカーとの競合は考えていなかったので
他社には全く接触をしていませんでした。
だって、担当Nさん、最高だし。
もちろん、大前提として、このA社の木の家がとても素敵だからというのはありましたが
それ以上に、Nさんだからこそ、是非お願いしたいな、と。
というわけで、メーカーはすんなり決定。全く迷いはありませんでした。
住友林業さん。です。
ところが。
住友林業さんにお願いしよう!と決定はしたものの、正直なところ
この時点ではまだ、最終的に契約するかどうかは五分五分でした。
問題は、予算。
金額については予めNさんにお伝えしていましたし、こちらの事情もあり
もし、提示された見積り額があまりにもオーバーした場合は
残念ながら住友林業さんは断念しよう、とも考えていたのです。
その時は、全てを白紙に戻して、
また住宅展示場めぐりから始めるかなー、なんて・・・。
さて。
申込金の5万円を支払い、打ち合わせを重ねながら設計図を作り込むことしばし。
ある程度設計図が出来上がった2月中旬。
いよいよ、その見積額が正式に提示される日がやってきました。
つづく。