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たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

さびしんぼの毎日の中で一年前を振り返る

2015年11月25日 18時08分08秒 | 日記

ある派遣社員の体験〰元派遣社員酒井桂さん〰

この記事を久しぶりに読み返していました。朝日新聞に掲載されたのは去年の5月23日。ユニオンに加入し、労働委員会に「不当労働行為救済命令申立書」提出して13年間働いた会社(派遣先)との闘いが始まろうとしていた頃でした。朝日新聞をとっている友人がすぐに紙面を郵送してくれました。

この頃は闘いになっていかざるを得ないことを全くわかっていませんでした。ユニオンに加入する前、3月6日の最終出勤日は労基署に「助言・指導」の申し立てをしていた時だったのでひっそりと立ち去りました。1人でごちゃごちゃがんばっていた2ヶ月の間話をきてもらっていた会社のシニアの方に「新聞の記事になるような人はみんな終わってからやっているんだからがんばって」と励まされました。その半年後に本当に自分のことが新聞記事になるなど全く思いもよりませんでした。

去年の秋、労働弁護団の院内集会で話をする自分の姿がNHKのニュースで流れ、連合通信と共同通信の取材を受けたのが記事になりました。それまで経験したことがないことの連続で緊張しっぱなしの日々が続いていました。会社側の弁護士が私を弱らせるために書いた誹謗中傷だらけの答弁書に負けまいと必死でした。すでに心のエネルギーが枯渇していたのに、全身でエネルギーをふりしぼっていたので満身創痍、ふらふらでした。それでも歯をくいしばっていた頃でした。

この時お会いした記者さんに今お会いすると、「本当に疲れていましたよね」「あの時と比べるとすごく元気になってよかったです」と言われます。たった一年前のことなのにもっと時間が過ぎたような気がします。

今の自分からは考えられませんが派遣切りにあった当事者として社会に顔を出していく勇気など、全くありませんでした。院内集会で話をしないかという話をユニオンからいただき、迷った末勇気を振り絞ってやってみようと思いましたが、会場に入ったらNHKのテレビカメラが入っているのをみてふるえあがっていました。当事者3人の中で私の話した映像が翌朝流れることになったと当日の夜知らされました。派遣法改正の要である事務派遣は私一人でした。

一年前の今頃もう少し社会を顔をだしていく勇気があったら・・・と時々思うことがあります。でもその後の自分を考えると十分すぎるぐらいよくやったとも思います。ちっぽけな、なんでもない1人の人間の闘い。社会の中ではなんでもないことかもしれませんが、私の人生の中ではすごいことでした。

私自身は報われませんでしたがささやかでも、私のしたことが社会への問題提起になるようです。先週黒塗り文書の件で、連合通信の取材を受けました。改正後の派遣法で、今後雇用安定措置の義務が発生するとき、労働局が本当に労働者の雇用を守るために動くのかという問いかけになるという記者さんのお話です。ここまででもやる人はほとんどいないそうなので、たいしたもんだと自分をほめてあげたいと思います。

どうして一生懸命に働いてきた人が悪者みたいになって、辞めなかった自分がいけなかったんだって社会から言われて、自分でも辞めなかったことを責め続けなければならないのか。使い続けてきた会社にはなんにも責任ありませんを社会が許してしまうのか。今もやっぱりわかりません。

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 一昨日フェイスブックにこんな記事を書きました。社会のどこにも必要とされていない孤立はやはり辛いものがあります。何日も人に会わずに過ごしていると自分が何者なのかわかなくなってしまいそうです。でも働いていて忙しい人達に迷惑かけちゃいけないというヘンにいじけた気持ちが働くので誰にも声をかけることができません。コミュニティハウスに顔を出すことでなんとか救われています。

 今日は都心で分かち合いの会に参加させていただきました。そこではお別れの話をするのですが、お別れの話をしながら、社会への怒り、行政への不信感が自分の中に根強くあることをあらためて感じました。会社で働く人に戻ることはもうできないだろうと思います。自死遺族と労働紛争、両方の当事者となった自分に何ができるのか、何をすべきなのか、孤立感の中で問いかけ続けています。

 なにかしたいのに、なにかできるはずなのに、なにもできていない。
そんな、どうしようもないもどかしさを感じています。生きることはこうすることが絶対に正しいという答えなどどこにもない、とりとめのないことの連続なのだと思います。まだまだ思うところはありますが、頭を使い過ぎていて疲れている感があるので、今日はこれでおしまいです。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。