先日、三重県立美術館で開催された福田豊四郎展の観賞しました。よく没後に評価が上がるとよく言われますが、万と生存する日本画家の中でたとえ生前に栄華を極めて画家であっても没後にその名を残す画家は極めて少ないです。
今回の福田豊四郎も、その一人かもしれません。僕自身も不勉強で福田の存在を知りませんでした。しかしながら、今回の展覧会のポスターに掲載作品で、その画風に魅了され観賞したい気持ちになりました。
福田は、秋田出身の日本画家で戦後日本画家の革新者として活躍されました。大作による会場芸術を掲げた川端龍子の青龍社に所属、のちに官展出品がにより師である龍子と袂を分けることになるのですが、その後も山樹社や新美術人協会、創造美術と携わり日本画の革新者としての道を歩んでいきます。当時の同志には、吉岡堅二、小松均、岩橋永遠、山本丘人、上村松篁など現代日本画の錚々たる顔ぶれが並びます。
今回、年代ごとに展示された作品は、50号から100号の額に大きな屏風などの大作が並び、その作風は、素朴でありながら、その色彩と線はモダンで意匠的な部分を持ち、力強さの中に清々しさを感じました。そして、福田の描く人物の姿に深い愛情を感じ取れました。
紆余曲折の65歳の生涯を新しい日本画の創造に捧げた福田豊四郎の存の重さを知る展覧会となりました。