goo blog サービス終了のお知らせ 

65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

映画 ゴーストバスターズ/アフターライフ

2022年02月25日 | 【映画・ドラマ・演劇】

画像15

本日の映画レビューは、人気シリーズが復活のゴーストバスターズのその後を描いた「ゴーストバスターズ/アフターライフ」です。

ゴーストバスターズと言えば、80年代のAORやブラコンのヒット曲として有名なレイ・パーカーJrが歌う主題歌が思い浮かぶオールドファンも多いかと思います。僕もその一人で1984年の1、1989年の2がヒットを飛ばした、コロンビア大学の研究室の同僚三人により結成された町に現れた幽霊たちを駆除していくコメディ映画として不滅の金字塔を打ち立てた映画です。実はこの映画は、3が予定でしたがメンバーの一人ハロルド・ライミスの死によって製作が中断されました。

その後、キャスティングを女性に替えて2016年にリブート作品が公開されました。こちらの作品はヒットはしなかったのですが、個人的にはスケールも大きくて女性メンバーの個性とゴーストバスターズへのリスペクトもあり個人的にはとても楽しめました。

これら一連の解説はツッチのムビログさんの動画で詳しく解説されてるのでオールドファンや知らない方にも参考になるかと思いますのでチェックしてみてください。

さて、今回のアフターライフ、タイトル通りその後を描い内容です。監督は前作を手掛けたアイバン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマン、さらに主人公のフィービーにはギフテッドのマッケンナ・グレイス、兄トレヴァーにはイットシリーズのフィン・ウルフバードが演じてます。

物語はフィービーと母と兄と一緒に今は亡き祖父の実家のある田舎町に引っ越しから。この町は30年にわたり原因不明の地震が頻繁にしてました。フィービーは実家の地下にある研究室を発見し、祖父がゴーストバスターズの一員だったことを知ります。ある日研究室にあったゴーストトラップの装置を誤って開いてしまい最強のゴーストを蘇ってしまいます。フィービーと同級生、兄はゴーストバスターズとして最強のゴーストと戦うことに。

果たしてフィービーはゴーストから町を守ることができるか。

各所に過去のごゴースト作品に伏線が散りばめられオールドファンにはたまらない演出、さらに過去の作品を知らなくても娘と若者たちをヒーローにした作品は青春アドベンチャー作品としても楽しめる内容です。


映画レビューランキング


映画 ドライブ・マイ・カー

2022年02月15日 | 【映画・ドラマ・演劇】

ポスター画像

本日のシネマレビューは、本年度アカデミー賞で4部門にノミネートされた濱口竜介監督の映画「ドライブ・マイ・カー」です。

今回の作品、ハッピーアワーや寝ても覚めてもの濱口竜介監督が、村上春樹の短編小説を脚本した3時間近い長編映画です。主演は西島秀俊、そしてドラマの準主役とも言うべき女優に2代目なっちゃんや天気の子の主題歌歌手の三浦透子が演じています。

物語は、舞台監督の西島秀俊が演じる家福悠介が妻の音の突然の死により喪失感と仕事の関係で知り合った三浦透子演じる専属ドライバー渡利みさきとの出会いより人生の再生ドラマです。悠介はパパートナーとして欠かせない存在だった妻の裏切りを知りながら日常を過ごしていましたが、ある朝妻から夜話したいとことがある告げられます。しかし、その夜妻は突然亡くなり謎の告白となり、喪失感を抱いた中ある演劇祭の仕事を受けます。

依頼先から滞在中は契約の都合上運転できないこととなり、依頼者側から専属のドライバー渡利みさきを紹介されます。妻を除き他人には愛車を運転を指せない悠介は一旦は専属ドライバーを断るも、みさきの運転を気に入り徐々にお互いの過去を吐露していきます。

そんな中で主役を演じる妻の知人でもある若手俳優が、ある事件を起こし公演を可否が責められます。自らが主演演出してきた舞台に妻の死後立てなくなった悠介、数日の猶予をもらい悠介は、みさきの故郷である北海道を目指します。

先ずは、過去の村上春樹原作の映画作品に比べて個人的には、非常にわかりやすかったし長編映画ではあるけど間延びせず丁寧に描かれていたことが良かったです。今回の作品は、舞台演出家である悠介と脚本家である音、そして専属ドライバーとなったみさきの心情が言葉としてうまく表現され三人が抱える問題が徐々に紐解かれていくセリフ劇の素晴らしさを感じました。夫婦の日常とみさきの過去がうまくリンクしているところも面白く、男と女の性のようなものや、親子の不思議な絆みたいなものも巧みに生かされているなと思います。

僕はハルキストではないので作品の良さが映像に反映されていたかはわかりませんが、映画から原作の意図は伝わりました。


映画レビューランキング

※ネタバレになるかもしれませんので、まだ観てない人はご注意を。

周りの感想としてはわかりにくいとの意見もあったので、ここからは作品の概要とポイントを時間経過を追いながら僕なりに解説したいと思います。

悠介と音はセックスを通じて繋がっている、特に音は娘の死後、性癖により喪失感から立ち直った。

悠介はビジネスパートナーとしての音に依存していて、愛車同様に失くしたくない存在であり音の浮気癖に黙認している。

ある朝、音の告白予告があるが帰宅をためらったことで音の突然の死による新たな喪失感を持つ。

瀬戸内での舞台上演の折り専属ドライバーとなる生きていれば娘と同じ年齢のみさきと出会う。

みさきは、雪崩事故により母を亡くし、西に向かい瀬戸内で運転手の仕事に就いている。

舞台オーディションで、音の知人である若手俳優の高槻と再会し、自作自演劇の主役に抜擢する。

公演間近に高槻が傷害事件を起こし主役不在となり、代役とて悠介が主演するかどうか決断を迫られる。

数日の猶予をもらい、悠介はみさきの故郷に向かう。

公演は悠介の主演により成功する

時は移り、みさきは悠介の愛車を運転し韓国にいる。悠介の姿はない。

作品の経過を振り返れば容易に推測はつきますが、生前の音の告白と悠介とみさきのその後と再生のドラマは謎です。謎だからこそ観終わった後に想像力を掻き立てられました。

確かなことは、悠介の過去と現在そして未来にとって音とみさきの存在は人生のドライブ・マイ・カーではないかと思います。


映画レビューランキング


アート紀行・美術館を巡る旅 無言館

2022年02月07日 | 【美術鑑賞・イベント】

アート紀行・美術館を巡る旅は昨年の6月に富山から長野県の長野市、上田市の美術館を巡った旅での美術館を紹介します。今回は上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」です。

今回の美術館を巡る旅で最も行ってみたかった美術館が、ここ無言館です。1997年の5月2日に開館され、先の第二次大戦で戦死した名も無き画学生130余名の作品が展示されています。森の中に佇むコンクリート作りの教会のような美術館は、鳥のさえずりが聞こえ訪れる人々を静かに出迎えてくれます。館正面横には「記憶のパレット」と題したパレットの形をした御影石があり遺作のない戦没画学生489名の名前が刻まれています。正面の扉を開けると画学生の作品が壁に掛けられ、中央のガラス展示には、画学生たちの遺品や家族や恋人にあてた手紙などが展示されています。

画学生たちは、主に東京美術学校在学中に戦地に赴いた学生で、将来を嘱望されたエリート美大生です。その作品の多くは館主の窪島誠一郎氏と画家で出征経験を持つ画家の野見山暁治氏と共に全国の遺族の元を訪ね作品を収集展示、氏と家族の思いが詰まった空間です。どの作品も、将来を夢にみて励み学んだエネルギーが満ち溢れ、清新な心と生きるエネルギーを感じます。

無言館から下ると、戦没画学生が使用した筆が埋め込まれた碑がある第二展示室の読書館があり、館内では窪島氏が収集した美術書などあり、天井には傷ついた画布と題した画学生の展示困難な作品が張り込まれています。

近くには閉館となった信濃デッサン館がありましたが、村山槐多をはじめとする夭逝の画家のコレクションは、隣接する残照館に一部を残し長野県立美術館に寄贈されています。

時の流れと共に記憶から薄れ消え行こうとする戦争の傷跡、ことあるごとにマスコミに取り上げられ注目をされても一時の流行りもののようにとられられるのは、氏の考えとは相反するものではないかと僕は思います。画学生の作品が、未来の子供たちや若者たちの心に静かに受け継がれ、平和であることの幸福を享受できる空間として残り続けてほしいなと思います。


美術館・ギャラリーランキング


映画 フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊

2022年02月03日 | 【映画・ドラマ・演劇】

画像38

本日の映画レビューはウエス・アンダーソン監督の10作目の長編映画「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」です。

物語はフランスの老舗雑誌が編集長の死によって廃刊となり、その雑誌の最後を飾る記事を個性豊かな記者によって紡いでいくものです。記念すべき作品にはオーウェン・ウィルソン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンドの常連組に加え、ベニチオ・デル・トロ、ティモシー・シャラメ、ジェフリー・ライト豪華な俳優陣が集結、監督により新しい個性が発見できました。
 
雑誌の持つ様々な分野を組み入れた形で、個性的な記者たちの取材によりエッセイ、アート、政治、犯罪の四つの話題で進みます。どの話もユーモアにあふれていて特にベニチオ・デル・トロ演じる刑務所にいる天才画家とティモシー・シャラメ演じる学生運動家の話が僕に強く刺さりました。
 
また、ウエス・アンダーソン監督の特色である絵画の一場面を切り取ったようなアート的な画面や突如のアニメーションに変わる手法もふんだんに取り入れられていてアート好きの僕にはたまらない演出です。映画ファンには、賛否が分かれる監督ですが、アンダーソン監督のファンはもちろんのこと、雑誌好きの方やアート好きの方には楽しめる作品ですので試しに鑑賞してみてください。


映画レビューランキング