goo blog サービス終了のお知らせ 

65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

私的サブカルチャー論

2012年11月29日 | 【エッセイ・コラム】

とある知人から、今ハロプロのあるグループにはまり、追っかけをしている話を聞きました。ハロー!プロジェクトは、モーニング娘。を筆頭に様々なユニットが今も存在するそうで、彼はBuono!のファンだそうです。

以前もAKBの秋元康氏のプロデュース力について話したことがことがありましたが、僕が思うに秋元さんの戦略は、アキバアイドルのサブカルチャーを入り口にしてAKBをメジャー路線へと引き上げているように感じます。

ファン層も一方ではサブカルの熱いファン層ともう一方ではメディアを通したファン層に支えられる二つのファンに支えられる形で成立していると考えます。

また、つんくプロデュースのハロプロは、音楽性を重視したミュージシャン特有の感性に、彼が長年培ってきたものを、アイドルサブカルチャーに乗せて広げていく、メディアの露出を抑えながら、地下潜伏型戦略が功を奏しているように感じます。

サブカルチャーの世界において、秋元流とつんく流のどちらが支持されていくか予想するに、つんく流が支持されると思います。

なぜなら、サブカルチャーを支持する人々には、メジャー志向はないと思うからです。僕自身、サブカルチャーを商業的にとらえると失敗を招くと考えています。

かつてある大臣が、サブカルチャーを国家戦略として推進していくような意見があり、あるネットクリエーターに強烈な批判を受けたことがありました。

そもそも、サブカルチャーを志向する人々には、利害関係は存在せず、純粋に独自の文化を楽しむと言う思考をもっています。

では、ビジネスとしてなぜ存在するかと言えば、今のサブカルチャーは、インターネットと言う媒体を通して、双方向に、リアルタイムで世界的に拡大することができるツールを手にしているからだと思います。

文化に関わっている僕にとっては、サブカルチャーの世界はとても興味があることで、いずれはこの世界が文化の中心的存在になっていくと考えます。

サブカルチャー以前の成熟した文化の継続と発展もサブカルチャーのフィルターに通してみると新しい文化的価値が見出されていくかも知れません。


映画「悪の教典」

2012年11月28日 | 【映画・ドラマ・演劇】

のぼうの城と並び、人気を博している映画「悪の教典」を観賞しました。

話題の原作を映画化し、しかも正義のヒーローの伊藤英明がサイコキラーの悪を演じることで話題の作品ですが、担任教師・蓮実の皆殺しにされる生徒も、今人気の若手俳優がそろい踏みで、どんな展開になるか興味津々で観ました。

若手俳優が挑んだ意外な役柄と伊藤英明のもつ爽やかさにより、新しいサイコキラー像を感じました。

初っ端から、両親を殺害する蓮実少年の後姿からはじまり、巧妙な手口で、逆らう相手を殺害。サイコキラーとしての様々な過去も入り乱れ、徐々に最後のクラス全員をライフル銃で殺害していくシーンに突入。

形は違いますが、バトルロワイヤルの蓮実から生き延びるのは誰か、また、如何にして蓮実の犯行が明らかになるのか目を凝らしながら見てました。

原作を読んでいる人は、映画化によりどのような形でリアリティが再現されるかが興味の的だと思いますが、原作を読んでいない僕にとっては、天才サイコキラーの手口とくもの巣ように張り巡らされた人間関係、そして、前述の犯行の結末に、ミステリーとしての結末と映画のラストに良い意味で裏切られました。その後のエンドロールの言葉にも。。。。。

バイオレンス映画としては、深作監督や北野監督の作品と比べ、見劣りしますが、バイオレンス作品に長けた三池監督が、原作の良さを生かすために、ギリギリのバイオレンスシーンに抑えることで、目を塞ぐ事無く、映像に魅入ることができたのも、この作品の人気を確固たるものにできた成果ではと思います。

映画を観てから原作を読んでみたいと思った作品のひとつになりました。

 


江南スタイル

2012年11月27日 | 【音楽・ライブ】

YouTubeで以前から話題だったPSYの江南(カンナム)スタイルがとうとう世界一の動画視聴数を8億500万回を突破しました。この記録は5ヶ月足らずで達成され、驚異的な記録だそうです。

僕の住んでいるでるところが、愛知県江南市で、最初「江南スタイル」で何って感じでしたが、韓国の江南のお坊ちゃまを皮肉ってる曲と聞いて、ちょと複雑な感じでしたが、ダンスミュージックとしては、プロモと共に良く出来ていると思ってます。

この記録については色々な憶測や噂が絶えませんが、運営会社自体が認めた記録ですから、認めざる終えないでしょう。

日本では、さほど話題にのぼらなかったのも、昨今の政治事情や日本でのK-POPのアイドル、イケメン志向もあるのではと思います。

世界的に、またアメリカで、ブリトニー・スピアーズやケイティ・ペリー、マルーン5などが話題にし、サタデーナイトライブに出演している点でも、PSY(サイ)の人気と実力が伺えます。

韓国は、アジアでインターネットを媒体にした音楽戦略が功を奏しています。巨大な音楽市場であるアメリカを入り口して、今回の「江南スタイル」のヒットが世界戦略の足がかりになる可能性ももっています。

日本も音楽著作権ばかりにこだわってないで、コンテンツ戦略に大きく踏み入れてはと思います。


2012年紅白歌合戦出場歌手決定

2012年11月26日 | 【エッセイ・コラム】

今年の紅白出場歌手が決定しました。

僕の場合、以前は、格闘技イベントで盛り上がっていたのですが、最近は、仕事と掃除で慌しい大晦日を過ごしているので、この日はのんびりテレビを観ることが少ないのですが、今回は、出場歌手の顔ぶれを見て、久々にゆっくりと観てみようかと思ってます。

個人的に注目してるのは白組の初出場組、斉藤和義やナオト・インティライミ、関ジャニ∞や三代目 J Soul Brothers、ゴールデンボンバーなどの個性的で多彩な顔ぶれです。さらに美輪明宏さんが初出場なんだそうで、何を歌うか興味深いです。

紅組では、AKB48にiSKE48、ももいろクローバーZにきゃりーぱみゅぱみゅなどのアイドル系が顔を揃え、プリンセスプリンセスやジュデイマリのYUKIなどの80年代の人気アーティストが初出場してます。

かつては、驚異的な視聴率をあげていた国民的番組も、大晦日の過ごし方が多様化してか、一般的な高視聴率程度にとどまってます。

12月の慌しい時期での選挙もあり、大晦日がどんな空気になっているか注目して、どんな大晦日になっているか、そんなところで紅白の視聴率が来年の予測基準になるのでは思ってます。


映画「シルク・ドゥ・ソレイユ3D」

2012年11月25日 | 【映画・ドラマ・演劇】

ジェームス・キャメロンがプロデュースして話題の映画「シルク・ドゥ・ソレイユ3D」を観賞。

この作品の特色は、シルク・ドゥ・ソレイユをドキュメンタリとしてではなく、物語として映像化しています。

劇場内なら、一方方向でしか味わうことができないパフォーマンスを多角度からまた、目の前で見せる事で、新たなパフォーマンスの魅力を映画が持つ独特の映像美で表現しています。

キャメロンがアバターで用いた3D表現が随所に生かされているように感じました。生のパフォーマンスを見た人には、物足りなさを感じるかもしれません。

しかし、映画の持つ物語と加えたことで、新たなシルク・ドゥ・ソレイユの魅力が生れたと思います。最高峰のパフォーマンスゆえに、一部の人々しか味わえない、ある種の敷居の高さがある舞台を、映画と言う大衆娯楽の中に取り入れることで、新たなファンをこの作品は作り出したと思います。

その意味でも、世界最高峰のパフォーマンス集団の演技を映像とは言え、目の前で味わえるのですから、3D料金でもお得かつ満足な作品でした。

 

 


ボストン美術館日本美術の至宝展

2012年11月24日 | 【美術鑑賞・イベント】

名古屋ボストン美術館で開催中のボストン美術館日本美術の至宝(後期)展を観賞しました。

今回の展覧会は、前期と後期に分かれ、一部作品を除いて、ほぼ完全な展示作品替えで行われています。

今回の展示の目玉としては、先ずは挙げたいのは、尾形光琳の松島図屏風。栄達、送達と琳派の流れの中で描かれてきた「松島図」を、題材を同じくして師匠と異なるダイナミックに描かれています。

また、現在もっとも人気の高い江戸の絵師、伊藤若冲の名品の「鸚鵡図」は、動植さいえに通じる初期作品で緻密で色鮮やかな作風です。また、水墨画に新しい技法を用いた筋目描きを生かした「十六羅漢図」が並び、若冲の異なる絵画技法を比較できます。

また、前後期を通じて展示されている曽我蕭白の「雲龍図」を除き、五点の屏風が新たに展示され、奇才の魅力を十二分に堪能できます。

前後期通じて、観賞に時間がかかる二大絵巻物のコーナーでは、夕方から観賞して最後に観られるのをおすすめします。

残すところ2週間余りとなった今回の展覧会。平安から鎌倉、室町、江戸へと続く時代を彩った無名、有名の国宝級の名品が並びます。今回の機会を見逃さず、日本美術を巡る旅を味わってみてください。


安打製造機・小林製薬

2012年11月23日 | 【エッセイ・コラム】

以前にも書きましたが、僕は小林製薬のファンです。今日の経済ニュースで、小林製薬の企業戦略が紹介されてました。

なるほど、この記事を読むと僕が以前から感じていた、この会社のユニークさが理解できました。

同社が人気商品を量産している秘訣には、消費者も気付いていない「あったっらいいな」の製品を発掘、製造して、わかりやすいネーミングで消費者の認知度を高めて、ニッチ需要を開拓する戦略で着実に利益を伸ばしているそうです。

それを野球にたとえると一発逆転のホームラン狙いではなく、着実にヒットを重ねて点を取っていく。安打製造機を目指しているのです。

そうした戦略をもつ会社の社員から提案されるアイデアは年間3万6000件にも及び、採用、不採用に関わらず社長が出席するアイデア会議で分析、評価をされるそうです。

また、新製品の売上高比率が高く、ヒット商品に頼らず「継続は悪、変化は善」の姿勢で臨み危機感を持つ続けている点も、ヒット商品に依存しがちな企業との違いを感じます。

CMにもその姿勢が現れていて、15秒のCMにありがちなイメージ広告を一切せず、消費者の問いに答える形で製品のわかりやすく伝えている点も他者とは異なります。

メジャーで大きな成功を収めているイチロー選手は、あえてホームランを狙わず、ヒットを稼ぐことでその地位を固めてきました。

小林製薬の、イチローのような業界の安打製造機としてこだわり続けた結果が、今日の成功に結びついたと改めて感じました。


出戻りメジャー日本人選手の優遇

2012年11月22日 | 【スポーツ】

ラジオのプロ野球をこよなく愛する久野アナウンサーが、メジャーから戻ってきた日本人選手の高額優遇に苦言を呈していました。

たとえば、ソフトバンク入りした、元ヤクルトの五十嵐選手は3年契約の6億円、阪神入りした元ロッテの西岡選手は2年3億円で契約してます。

どちらの選手も、メジャーで、さほどの成績も残せず、出戻って来ての高額の年棒。ソフトバンクも阪神も豊富な資金力を持っているとは言え、期待が未知数の選手に、2億円近い年棒を払うことに疑問を感じます。

事実、メジャーから出戻ったほとんどの選手、僕の記憶ではドラゴンズの川上選手を除いて億単位の契約で日本球界に復帰しながら、その報酬に見合う活躍をしている選手はいません。

出戻りのメジャー選手にお金を払うより、日本のプロ野球で成績を残している選手にお金を払わないと、だめなら戻れば生活の保障が得られると、言葉だけの志なきメジャー志向の選手が増え、日本のプロ野球のレベルの低下にもつながりかねないと危惧します。

球団と選手の安易な契約など、プロ野球を愛するファンは望んでいないと考えます。

メジャーのレベルとプロ野球のレベルは、一部の選手を除けば大差は無く、メジャーのベースボールになれた選手が、日本の野球に適応できるかは、大いに疑問です。

ドラフト選手の契約金の上限を制限したように、出戻り選手の契約金も上限をもうけていくべきではと考えます。


キムタクシリーズ・ドラマ「PRICELESS・プライスレス」

2012年11月21日 | 【映画・ドラマ・演劇】

木村拓哉主演のドラマ「PRICELESS」が順調です。

秋のドラマは、山口智子の復帰や若手人気俳優陣が顔をそろえるドラマなど話題作が目白押しでした。

しかし、どのドラマも低調で魅力的な作品が少ないように感じます。そんななか、好調なのが相棒とPRICELESSに、

低視聴率の波が押し寄せているドラマ界で、やはりキムタク主演ドラマは強いです。

今回のドラマは、会社にはめられた社員金田一が、ふたたび立ち上がって成功していく単純なストーリーです。しかしながら、個性的なキャラクターが多数脇を固めて、キムタク演じる金田一を盛りたてていく満腹感のあるキャスティングです。

フジの戦略として感じるのは、はじめにキムタクありきで展開されるドラマ仕立て。しかも、初主演ドラマのロングバケーション以降、彼自身がどう演じるかではなく、どう演じてもらうかと言う内容に感じます。

そのことが、キムタクシリーズと言えるドラマ作りだと思います。実は最近思うのは、今回初回でキムタクを抜いた米倉涼子主演のミスターXにも通じる部分があります。

現在のドラマ事情を考えると、ゴールデンの時間帯は単純明快なストーリーが支持され、かつ個人の強いキャラクターが好まれるのではと感じています。

 

 


絵画と写真の境界線

2012年11月20日 | 【エッセイ・コラム】

僕のようなアートに関わる仕事をする人にとって、気になる会話があります。

それは、よく美術館で聞こえる会話なのですが、古典絵画などの写実作品を観ている人が「写真みたい」と言う言葉。

この言葉を聞くととても残念に思うのです。そもそも写真が生れる前に、写実的絵画は存在していました。いわゆる宮廷画家といわれる人々が、貴族などの肖像画を描いたていた時代です。

彼らは、依頼者の姿を忠実に描く以上に描かないといけません。そこには、人物も切り取る行為以上の想像力と技術を要します。そして、そのような絵画芸術は、写真の登場により衰退していったのです。

美術館で耳にする「写真みたい」はおそらく撮られた写真を観る感覚で言われていると思います。芸術の世界にも写真と言う分野は存在しますが、それは芸術表現の手段として用いられるもので、写真を撮る行為とは別の次元といえます。

今日、写真家の篠山紀信さんが、GQ Men of the Year 2012の席上で、写真は時代を映す鏡と述べられていました。確かに写真は時代を映しとり残っていきます。

本来の写真には、そのような大きな役割を持っていると感じます。ですから写真家も芸術家のひとりと言えるのです。

観たものを素直に言った言葉かも知れませんが、絵画の中の写実性は、たんなる写しとる行為ではなく、写真よりも先にあった時代を映しとる芸術なのです。


WBC国産サムライジャパン

2012年11月19日 | 【スポーツ】

今日のニュースで、WBCの中心的存在だったイチローが出場を辞退し、とうとうメジャー選手の参加がなくなりました。

キューバの親善試合で2連勝を飾ったサムライジャパン。試合を観ていても際立った選手の活躍がなく、キューバチームも以前のような迫力にかけ、ミスの目立つ展開がありました。

以前から、WBCの存在価値が取りざたされていましたが、アメリカチームのメンバー構成によっては存続も疑問に感じます。

現在でも世界一は、ワールドシリーズでの頂点が本国アメリカでは当然の事実で、今回の収益分配問題を知るにつけ、MLBの運営資金稼ぎの道具の扱いしかないのではと思います。

サッカーにおいては、ワールドカップが頂点にあり、世界一の称号はクラブ選手権にもあるわけですから、現状では無理だと思いますが、プロ野球が存在する国のチャンピオン同士が戦うのが、しごくシンプルに思えます。

ともあれ、国内チームで戦うこととなったサムライジャパン。三連覇を目指し圧倒的な実力を見せつける戦いを期待しています。

 


三極と言う名の二極

2012年11月18日 | 【エッセイ・コラム】

衆議院解散で、いよいよ12月16日に向けて選挙モードに入りました。

昨日も、日本維新の会へ太陽の党が合流。石原代表が就任。橋下さんが代表代行となりました。

合流したくても合流させてもらえなかった河村さんの減税日本。そして、みんなの党は、単独で選挙を戦うようで、石原さんの結集の夢も破れたようです。

今回の第三極の話題、なぜか「の」の付く政党に注目が集まりました。日本語の持つ「の」の意味が注目され、店名や会社名に「の」の付く名前が出てくるような感じがします。

河村さんあたりは、減税を掲げるなら、国民の生活が第一に合流したほうはわかりやすいように個人的には思います。

他にも新党大地、新党日本、新党改革、日本創新党などの第三極と言われる政党がありますが、いずれにせよ、石原VS小沢の構図で三極が二極化するように思います。

ともあれ、政党の集合離散は常で、マスコミも国民もマニフェストに踊らされた事実を見つめて、今ある原発や復興支援、経済、福祉などの問題を、議員ひとりひとりの政策や人となりに照らし合わせながら注意深く見つめ、一票を投じていく必要があると思ってます。

 


映画「黄金を抱いて翔べ」

2012年11月17日 | 【映画・ドラマ・演劇】

のぼうの城と並ぶ話題作、井筒和幸監督の映画「黄金を抱いて翔べ」を観ました。

人気サスペンス作家の高村薫原作の映画で注目されている作品ですが、高村作品には縁遠い僕なので比較はできません。ただ、十二分に楽しめるエンターテーメント作品でした。

物語は、大学時代の友人、浅野忠信演じるリーダーの北川と妻夫木聡演じる幸田に、システムエンジニアと爆弾工作員、調達屋、相談役の男たちが加わり銀行の地下にある240億の金塊強盗を企むというもの。

それぞれの過去や特異な性格により生じるトラブルの中、金塊強奪へと進んでいくスピード感が心地良いサスペンスムービーです。

また、キャスティングも実行犯に旬の若手を加えて、今までにない個性が浮き立っていました。東方神起のチャンミンが濡れ衣を課せられ、同胞に命を狙われるモモを演じ、溝端順平が北川の弟役で破滅的な性格の男を演じ、今までに無い個性を発揮してます。

今回の最も個性が際立ったのは、幸田を妻夫木聡。映画悪人で演じたのとは好対照な孤独感がにじみ出て印象的でした。

井筒監督のそれぞれの俳優の個性を際立たせながら、全編にわたって飽きの来ない演出と原作を今現在の社会情勢に変化させた細かな時代考証が、リアリティーを増幅させてくれました。

また、サイドストーリーを金塊強奪と同時進行的に絡まることで、人間味あふれる作品になっています。

個人的には、本年度を締めくくりに最高のエンターテーメント作品だと思います。

 


ジョルジュ・ルオー展 稲沢市荻須記念美術館

2012年11月16日 | 【美術鑑賞・イベント】

稲沢市荻須記念美術館で開催中の「ジョルジュ・ルオー展」を鑑賞しました。

今回の展覧会は、荻須高徳がフランスではじめてエコール・ド・パリの画家たちの作品を観た時にもっとも魅了された画家の一人、ルオーの作品にスポットをあてた展覧会です。

出品作は、パナソニック汐留ミュージアム出光美術館の所蔵品により構成されています。ルオーは、モノクロの宗教画で有名な画家ですが、もともと彼が、ステンドグラスの修繕師の見習いをしていた時に、黒い輪郭線とステンドグラスの青、赤、黄、白などの基本色に影響されています。

ルオーの油彩画を改めて観ていると、ステンドグラスとの共通項により、ルオーの描法と色彩が浮かび上がるように感じます。

ルオーの作品は、僕たちの業界人にとってとても魅力的です。それは、ルオーの持つ精神性にあります。

画面から感じる苦しみや悲しみ、そして、喜びの表現は、ルオー独特の世界で決して万人受けする世界ではないのですが、それは、すべての人々の持つ内面の世界に深く入り魂を表現しているように感じます。

二度の大戦を経験し、様々な人々の内面に深い入り、美術界の波に呑まれる事無く独自の世界を追求していたルオー。孤高の画家といわれる彼の祈りにも似た絵画の世界を体験して観てはどうでしょうか。


追悼・森光子さん

2012年11月15日 | 【エッセイ・コラム】

昨日は、政治では党首討論の中、野田首相が解散を明言。夜にはワールドカップサッカーの最終予選で日本がオマーンを下しワールドカップ出場に王手をかけました。

そんな、慌しいい一日の終わりに、昭和の名女優、森光子さんの訃報のニュースが入りました。奇しくも、森繁久弥さんの命日と同じ日の11月10日に亡くなられたそうで、お二人は国民栄誉賞を受賞し、共演歴の長い盟友の不思議な縁を感じます。

僕の世代で、森光子さんと言えば、ドラマ「時間ですよ」の銭湯のおかみさんの印象が強く残っており、オープニングの堺正章さんの「おかみさん、時間ですよ~」のフレーズと共に和服姿で番台に座る森光子さんの姿が鮮明に残っています。

あのドラマでの森さんは50歳。モノクロの映像からでも、年齢も感じさせない肌のはりと小気味の良いセリフ回しが印象的でした。僕にとっては、肝っ玉母さんの京塚昌子さんと共に昭和のお母さんとして親しみを感じていました。

また、当時の人気ワイドショー・3時のあなたの司会では、演技とは異なる優しい語り口が記憶に残っています。

近年では、ジャニーズメンバーとの交流も深く、森さん自身もジャニーズの人気の秘密を探り芸に生かしされていたそうでですが、ジャニーズのメンバーも、舞台やドラマなどの俳優としての心構えを学んでいたのではと思います。

ドラマ全盛期の数々の名優がこの世を去られる時を見るにつけ、昭和と言う時代の終わりを感じ懐かしくもあり、寂しくも感じる人も多いと思います。ただ、あの時代の俳優たちの生き様は、日本の芸能誌に燦然と輝く時代であることは間違いなく、次の時代の財産として生かされるに違いないと思います。