熟メン茶々丸の「毎日が美びっとカルチャー」

アートショップ店主・熟メン茶々丸のアート・シネマ・グルメ・スポーツなどのカルチャーコラム。

映画 流浪の月

2022年05月23日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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本日の映画レビューは、李相日監督、松坂桃李&広瀬すず主演の「流浪の月」です。

 

原作は本屋大賞受賞の凪良ゆう。今回の作品は原作を読んでる方からも支持されている作品でかなりの期待を持って鑑賞しました。150分の長編作品ですが出演者たちの迫真の演技で満足できるものでした。今回の映画は、先日の「死刑にいたる病」と共に2022年を代表する作品だと思います。この二作品が同時期に公開されていることは、映画ファンにとっては幸運なことだと思います。

松坂演じる誘拐犯になってしまった佐伯文と被害者になってしまった広瀬すず演じる家内更紗が15年後に再会、横浜流星演じる更紗の恋人や多部未華子演じる文の恋人も絡み、過去を受け入れながら、静かに生活を送っていた二人が再会により荒波にさらされていく、全編傷みを感じる内容です。

出演者の過去の演技からは想像ができないほどの迫真の演技と意外な役柄に李相日監督の俳優の引き出し方のうまさを感じます。ちなみに更紗の子供時代を演じた白鳥玉季の演技力は広瀬すずと並ぶ演技力でした。過去と現在を巧みに組み合わせながら進行は二人の演技が呼応し相乗的な効果を生み出してました。ちなみの文の人生に影響した母親には内田也哉子が演じています。

今回の作品は、性的な障害や虐待、警察やマスコミ、ネット犯罪など様々な社会問題が絡み合いながら誘拐犯と被害者少女との至上の愛を描いていたように感じます。二人の愛のかたちはまさに「流浪の月」のようでした。


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七宝の美展 横山美術館

2022年05月19日 | 【美術鑑賞・イベント】

美術展レビュー二回目は、横山美術館で開催中の「細密の世界で魅了した 七宝の美」展です。

明治の超絶技巧で注目された七宝焼き。東京の涛川惣助、京都の並河靖之の「両ナミカワ」により広く七宝焼きの技法が知られるようになりました。今回の展覧会は名古屋や海部郡七宝町で作られた尾張七宝を紹介する展覧会です。

尾張七宝では現在のあま市を拠点とする七宝焼きや現在を老舗七宝店として存在する安藤七宝がここ東海地区ではよく知られています。しかしながら「銘を入れなくとも作品の出来栄えを見れば誰が作ったかは明らかに判る」との職人気質が強くあまり日本では注目されませんでした。しかしながら海外では有銘、無銘にかかわらず質の良い日本の七宝焼きは高く評価されているそうです。

今回の展覧会は、日本では正当な評価を得られていないかった無銘の七宝焼きにスポットを当て、七宝焼の制作過程や様々な明治から大正期に華ひらいた細密で美しい七宝焼の超絶技巧の作品180点以上の作品が一堂に介する圧巻の展覧会です。

なお、横山美術館は1階から4階まで展示スペースがあり、4階が企画展の展示になっています。1階から2階は明治から大正の時代に輸出陶磁器のコレクションが、3階にはオールドノリタケのコレクションが常設展示され、すべてのコレクションが撮影可能です。特にオールドノリタケのコレクションは目を見張るものがあります。新栄にある二つの私立美術館をこの機会に巡ってみてはどうでしょう。

 



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新野洋/西澤伊智朗展 ヤマザキマザック美術館

2022年05月18日 | 【美術鑑賞・イベント】
 


 

先日、新栄にあるヤマザキマザック美術館と横山美術館を訪れましたので、現在開催中の二館の企画展をご紹介します。

先ずは、ヤマザキマザック美術館で開催中の新野洋と西澤伊智朗の現代工芸作家による展覧会レビューです。新野洋は京都在住の現代美術作家でシリコーンゴムで型どりして合成樹脂を流し込み作られた部品を組み合わせて未知なる生物を作り出し、会場全体に設置された透明感のある結晶体のような造形物は今までに見たことのない不思議な生命体を感じます。

一方で制作活動の基礎となっている草木や昆虫はリアリティあふれる水彩画作品も展示され、原画と立体造形物が同居することで未開の森を訪れたような感覚になります。

西澤伊智朗の土肌の風合いを生かした現代陶芸作品で、草木や冬虫夏草など年月を重ねて朽ち果てながら大地と同居する古代の遺産物のようなオブジェで、薄暗く木を生かした室内区間に根をはるように存在しています。アールヌーボ期の調度品や家具が常設されている室内に展示された西澤の作品は、風化する自然物と人の手によって組み込まれ生まれ変わる木々のコントラストが目を惹きます。

ヤマザキマザック美術館のひとつ上の階ではロココから20世紀に至る西洋絵画のコレクションが常設展示されていますので、異空間を楽しんだ後の安らぎの時間を味わえることと思います。

会期は8月28日まで、落ち着きのある都会の美術館にぜひ足を運んでみてください。


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映画 死刑にいたる病

2022年05月14日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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本日の映画レビューは、白石和彌監督の最新作で阿部サダヲと岡田健史共演のサイコサスペンス作品「死刑にいたる病」です。

映画は櫛木理宇の傑作サスペンスを原作に、そこのみにて光輝くやオーバーフェンスなどを手掛けた人気脚本家の高田亮によるもので、俳優陣も初共演というフレッシュなメンバーで構成されています。今回、僕の好きな白石和彌監督と阿部サダヲがタッグを組んだことで期待をもって鑑賞した作品でしたが、白石監督の作品を欠かさず観てる僕としても、凶悪以来の衝撃を感じる作品でした。

内容は阿部サダヲ演じるサイコパスキラーの榛村大和と岡田健史演じる大学生の筧雅也の拘置所からの出会いでスタート。24人を殺害した大和から一人の冤罪の証明をしてほしいとの依頼を受け、担当弁護士の公判記録から冤罪と言われる事件の真相を明かしてサスペンスドラマです。

サイコキラーの大和の計画的で残忍な殺害の共通性と証言者と大和との関係をつぶさに調査していき、ある男の存在が浮かびあがってきます。雅也になぜ冤罪の証明を依頼したか、雅也の家族との関係など徐々に真相に辿り着くのですが、ラストではまったく予想だにしない結末が待ち受けています。

今回のサイコパスキラーを演じた阿部や事件を調べる雅也、雅也の母親役の中山美穂に事件のカギを握る男を演じた岩田剛典など、俳優陣の演技の意外性に驚きながら静かな流れながらワクワク感が止まらない内容でした。

今年の代表する日本映画に数えられると確信します。


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上村松園と伊藤小坡 名都美術館

2022年05月12日 | 【美術鑑賞・イベント】

上村松園と伊藤小坡-二人のハンサムウーマン- | 【公式】名古屋市観光情報「名古屋コンシェルジュ」

今回は名都美術館で階差中の「上村松園と伊藤小坡ー二人のハンサムウーマン」展の美術展レビューをお届けします。

ここのところ、福富太郎氏のコレクション展や現在没後50年を記念する鏑木清方展が東京で開催され明治から大正期の美人画を代表する日本画家の展覧会が注目を浴びています。

今回の展覧会は女流日本画家として文化勲章を受章するなど、美人画の世界で最も人気の高い上村松園と三重県出身で京都画壇で活躍した伊藤小坡の二人の女流画家にスポットをあて、日本画のコレクションで知られる名都美術館所蔵の作品を中心に展示されています。

上村松園は代表作「序の舞」で知られ美人画を描くことに生涯をささげた画家で、鈴木松年に師事、その後幸野楳嶺に師事し、楳嶺死後は竹内栖鳳に師事しています。伊藤小坡も後に栖鳳に師事していますが、二人の人生はまったく異なるものでした。松園は花鳥画の大家である上村松篁の一児をもうけますが、今で言う未婚の母(一説では松年が父)として生涯画業に専念します。小坡は、画塾の同門だった伊藤鷺城と結婚し三女をもうけます。今回の展覧会を観て、美人画の中にその人生が現れているように感じました。

今回の展覧会には松園4点、小坡3点の新収蔵品が展示されていますが、特に三十数年ぶりに存在が確認された松園の「汐公くみ」や小坡の「山内一豊」に二人が画風の特徴が表れています。松園の美人画は華麗さの中に色香が漂う格調高い美人画で人生を美人画に捧げた覚悟が感じられます。一方で小坡は日本画としての夫と共に画業に励み、家族にも恵まれたどこか優し気で穏やかな美人画に感じます。

浪漫でメローな日々

まさに女性として美人画の世界に身を投じながらも、好対照な画風の共演でした。副題にもある二人のハンサムウーマン。会期は5月29日まで、ハンサムという言葉をなかにある異なる女性像がうかがわれる展覧会をぜひ鑑賞してみてください。


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劇場版 ラジエーションハウス

2022年05月11日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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本日の映画レビューは、窪田正孝主演に本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、遠藤憲一、山口紗弥加など多彩なキャストで人気のドラマの劇場版「ラジエーションハウス」です。

医療系ドラマが大好きな僕にとって「ラジエーションハウス」は欠かさず観てたんですが、それまでの医師にスポットを当てた医療系ドラマと違い医療技師にスポットを当てたドラマはとても新鮮でした。様々な医療器具のスペシャリストたちが、現場をサポートし主演の唯織役を演じた窪田の他に、個性的な技師たちを演じた俳優陣も僕の好みの俳優ばかりで毎回のドラマが楽しみでした。

物語は、杏のワシントンへの留学が決まり、一緒にいられる時間がわずかとなり落ち込む唯織、ある日、杏の父の危篤の知らせがあり離島の診療所に向かうことに、そこで未知の感染症が広がり一人杏は残ることに。感染症の危険性から甘春総合病院は医師の派遣を拒みますが、唯織やラジエーションハウスの面々はある決断を下します。

今回の映画は72時間の壁がテーマになっており、前半では、山口紗弥加演じるたまきの友人夫婦の事故が、後半では離島の人々による感染が関係しており、二つの人間ドラマをうまく展開させてます。個性豊かなラジエーションハウスのメンバーの活躍も楽しめてパート1、パート2と続いたドラマの完結編でもある構成で、とても良い内容でした。

そしてラジハファンなら最もサイドストーリーとして描かれていた唯織と本田演じる杏の恋の行方にも注目して楽しんでみてください。

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映画 TITANE/チタン

2022年05月06日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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本日の映画レビューは、カンヌ史上最も奇天烈と言われる異色にして2021年のパルムドール受賞作「TITANE/チタン」です。

カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた今回の作品ですが、2020年の中止を得てこの作品が選ばれるのは驚きです。かつてのパルムドール受賞作品は社会派ドラマが多いのに対して、バイオレンスとファンタジーが融合した未だかつてない内容に思います。

物語は幼少期の交通事故で頭にチタンを埋められた主人公アレクシアは、車に対して異常な執着心と狂気を抱えながら危険な行動を繰り返していきます。その危険な行動とある秘密により逃亡者となったアレクシアは、消防士のヴィンセントと出会います。アレクシアとヴィンセントの出会いにより奇想天外な展開へと進んでいきます。

全編に夜のイメージが強くネオンの輝きや美しいフォルムの車、主人公を演じたアガト・ルセルのそしてセクシーなダンサー姿と衝動による狂気、一転して変貌する逃亡者の姿に圧倒されグロテスクの中にどこか美を称えるような恐怖を感じます。愛する対象はすべて車である彼女のファンタジーの着想にもどこかあり得るように感じてしまいます。

前半は、バイオレンスとホラーな内容から一転する後半の展開があって、なるほどパルムドールだなと感じます。

女性監督であるジュリア・デュクルノーはインタビューで影響を受けた監督としてデビッド・クローネンバーグの他に深作欣二、三池崇史、中田秀夫を挙げたことで納得と独特な感性を感じました。バイオレンスとホラーが好きな方には必見の作品です。


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映画 パリ13区

2022年05月02日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回の映画レビューは、ジャク・オーディアル監督の新作「パリ13区」です。

今回の作品は、2021年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品作で、ミレミアム世代の男女三人が主人公です。主人公の三人はコールセンターのオペレーターとして働く台湾系のエミリーとアフリカ系の高校教師カミーユ、そして、ソルボンヌ大学に復学したノラ、ルームシェアの相手を探していたエミリーとカミーユが出会い肉体関係を持ちますが、ルームメート以上の関係ではない二人ですが、エミリー意識しだしたことで二人の関係がぎくしゃくし始めます。同時期、大学に復学したノラは、あるパーティー会場でウエッブ上で人気のポルノスターと勘違いされ大学内に噂を広められてしまいます。

R18指定とあって、性描写の多い作品ですが、モノクロームの映像と三者三様の性の価値観の違いがベースになっているので、決していやらしさは感じません。男性主人公のカミーユがエミリーとノラのつなぎ役とねってストーリーの流れもスムーズで、前半はカミーユによって変わるエミリーの日常を、後半はノラとポルノスターのアンバーとの関係をつぶさに描いていて心の揺らぎがうまく表現されていました。二人の女性に翻弄されるカミーユもスパイスとして効いてます。

鑑賞後に、あるシニアカップルがドライブ・イン・カーに似てると言ってましたが、セックスをベースにしているからかな。両者とも人間の再生のドラマである部分では、個人的にはシンプルでストレートに入ってくるので今回の作品の方が面白かったです。

モノクロームの世界とドラマチックな音楽で奏でられる美しさと主人公たちの愛あるドラマを感じてほしいです。


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塔本シスコ展 シスコ・パラダイス 岐阜県美術館

2022年04月26日 | 【美術鑑賞・イベント】

日本にもグランマがいた!岐阜県美術館で開催中の素朴派の画家「塔本シスコ展 シスコ・パラダイス」を紹介します。

最初に僕の率直な感想が日本にもグランマがいた!です。グランマとは絵画ファンならご存知の通り、アメリカを代表する素朴派(ナイーブ派)の画家グランマ・モーゼスです。岐阜県美術館から送られる展覧会案内で知り、塔本シスコさんの半生がモーゼスの半生を重なり観たいなと思い先日鑑賞してきました。

塔本シスコさんは、1913(大正2)年熊本県八代市に生まれます。シスコの由来は養父の夢であるサンフランシスコからきてるそうです。46歳の時に夫の急逝で心身ともに衰弱する日々から立ち直るために息子が残した絵画材料とキャンバスを使い絵を描き始め、2005年に91歳で亡くなるまで描き続けました。

53歳の時に大きなキャンバスの絵を描き始め、その作品は身近な花や植物や地元の公園や子供や孫たちとの旅行、故郷の思い出などを描き、そのモチーフは多種彩々です。風景画はグランマ・モーゼスに、植物や動物を描いた作品はルソーに相通ずるものがあり、さらに明るさが満ち溢れる色彩や大胆な構図には彼女の独自の世界を感じます。そして何よりモチーフに対する深い愛情を感じます。

素朴派の画家たちは、絵画の技術を学ぶ環境になく、不遇な人生を経験しながらも絵を描く情熱に満ち溢れた人々です。素朴派を代表するルソーやグランマ・モーゼスに引けを取らない独自の観察眼と色彩感覚をシスコから感じます。そのことは今回の展覧会のスタートとなった数多くの素朴派の画家をコレクションする世田谷美術館からも証明していると思います。

200点以上の大作が並ぶ会場は、まさにパラダイス!すべての作品が撮影可能ですのでお気に入りの作品をカメラに収めとどめてみてはどうでしょうか。岐阜県美術館での会期は6月26日まで、その後7月9日からの滋賀県立美術館での展覧会が最終となります。

絵を描くことに半生を捧げた人生絵日記をぜひ、あなたの手でめくってみてください。


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映画 ニワトリ☆フェニックス

2022年04月24日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回の映画レビューは、かなた狼監督、井浦新&成田凌主演のニワトリ★スターから4年、続編作品「ニワトリ☆フェニックス」です。

井浦新と成田凌の普段の役柄は想像できないキャラクターで人気を博したニワトリ☆スター。今回はコロナ禍の中でインスタから再び再燃した続編を異なるストーリーで構成されたロードムービーとなてます。

ニワトリ☆スターでは、年の離れた幼なじみの草太と楽人。前作では成田凌演じる楽人の死でエンディングを迎えましたが、今回はヤクザの売人から足を洗おうとする楽人からの誘いで久しぶりに再会した二人が伝説のフェニックスを探しにいくロードムービーです。前作の出演者が異なるキャラクターとして登場、さらに重要な役割となる紗羅マリー演じる謎の花嫁が登場、二人の間に起こった未来を綴ります。

前作に比べ、ファンタジックな世界とバイオレンスな世界が共存することなく、旅の途中で出会う奇々怪々なキャラクターと奥田瑛二と火野正平が登場させちょっぴり泣かせる内容にもなっています。ラストでは「カメ止め」的な演出により物語の中にある関連性もあり、観る方は最後まで席を立たないでください。

ニワトリ★スターはプライムビデオでも鑑賞できますので、今回の作品の予習と展開の違いを確かめて観るのも良いかと思います。

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映画 アネット

2022年04月12日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回の映画デビューはアダム・ドライバー&マリオン・コティヤール主演、カンヌで監督賞を受賞のレオス・カラックスのロック・オペラ映画「アネット」です。

監督の過去作品は鑑賞してないのですが、アダム・ドライバーとマリオン・コティヤールの共演に2011年のカンヌ監督賞とミュージカル作品として高評価もあって鑑賞することに。冒頭にクレジットと監督の言葉「息すらも止めてご覧下さい」の呼びかけにドキリとさせるスタート、すべてのセリフが歌でド直球の構成ですが、物語はとてもダークな内容となっています。

アダム・ドライバー演じるスタンダップコメディアンのヘンリーとマリオン・コティヤール演じるオペラ歌手のアンは婚約発表に結婚とメディアの注目を浴び続けますが、アネットの誕生によりダークなおとぎ話が展開されるという内容です。

コメディアンとオペラ歌手と言う異色のカップルですが、ヘンリーはブラックユーモア、アンは死をテーマにしたオペラ歌手の共通点があり、アネットの誕生で二人の価値観が変化していきます。ストリーはいたってシンプルですが、アネットの存在がラストまで人形になっており、その存在自体が不気味でダークな世界をさらに強調しています。また、エンターテーメントの世界を舞台にしているので、華やかさの中にある虚無感がさらに増幅します。

ネタバレすると作品のダークなイメージが損なわれるので言いませんが、製作に参加しているアダム・ドライバーの存在感はすごいです。この作品のためにレッスンを重ねたコティヤールの声もすばらしいです。そして何より糸のないあやつり人形のようなアネットの存在がなければ、この作品は成立しないなと感じました。

ロックオペラとして十二分に楽しめる作品ですのでミュージカル好きな方には一種異様な世界をぜひ楽しんでほしいなと思います。


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映画 ガンパウダー・ミルクシェイク

2022年04月09日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回の映画レビューは、タランティーノ監督絶賛のイスラエル監督が送る痛快アクション巨編?!「ガンパウダー・ミルクシェイク」です。

前作の「オオカミは嘘をつく」でタランティーノ監督から大絶賛を受けたナヴォット・パプシャド監督、僕は観てないんで何とも言えませんが、前作は意外と酷評が多い。でも、ビジュアルを観て一目ぼれした本作はそんなの関係なく鑑賞、結果楽しかったの一言です。

ストーリーじゃ、カレン・ギラン演じるサムは暗殺組織の属するスナイパー。かつての組織の一員だった母レナ・ヘディ演じるスカーレットがヘマして行方不明になってます。サムもターゲットの娘を匿ったことで、組織に追われてしまいます。サムは、母親の同僚で育ての母親たちでもある引退した図書館員のお姉さまたちに助けを求め、結託していた依頼者のマフィア組織と抗争を繰り広げることになります。

前作は、シリアスなクライム・サスペンスのようですが、今回の作品はカラフルでポップ、キュートなスナイパーたちによるクールなアクション展開のこちらの方がタランティーノ監督好みかなと思います。主役のサムのスタイルもスカジャンスタイルで、なんかキルビルばりアジア観たっぷりです。ちなみに女性のスカジャンスタイル好きです。

脇を固める図書館員お姉さまも、アクションには定評あるワールドワイドないい女。母親は高慢と偏見のゾンビのレナ・ヘディ、図書館員のお姉さまたちには、スパイキッズシリーズのカーラ・グギーノ、香港アクション界のレジェンドスター、ミシェル・ヨーにマルコムXをはじめ多数の映画に出演するレジェンド・黒人女優のアンジェラ・バセットとアラフィフ、アラセクのお姉さまたちがほれぼれする大活躍です。さらにターゲットの娘エミリー役にはアバターのクロエ・コールマンが、これまた天才子役ぶりを存分に発揮してます。

また、今回の映画に使われた曲もグッド!プラターズにアニマルズ、ジャニス・ジョプリンなど名曲ぞろい、アクションと共に楽しめます。

痛快、爽快、ミルクシェイクの甘さは控えめに、強炭酸の超刺激的なガンパウダーミルクシェイクぜひ体験してみてください。

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映画 オートクチュール

2022年04月06日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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ディオールの全面協力によるオートクチュールのメゾンで生まれるヒューマンドラマ「オートクチュール」です。

フランス社会にある移民問題から数々のヒューマンドラマが生まれたフランス映画、上流階級の男と移民青年の友情を描いてヒットした「最強のふたり」が代表作としてあげられます。最強のふたりりは実話に基づくものでしたが、今回の作品は、フィクションですがオートクチュールのファッションの未来を感じる作品でした。

舞台は、ディオールのオートクチュール部門のアトリエ責任者のエステル、彼女は次のコレクションで引退が決まっている。ある日地下鉄でカバンを盗んだ少女ジャドの指を見てメゾン見習いとして迎え入れます。エステルにもジャドにも家族の問題を抱えながら、対立を繰り返しながら、時に母子のように、時に師弟のような人間関係を築いていきます。

主演のエステルを演じるのはヌーベルバーグのスタートして名高いナタリー・バイ。ダンス学校出身でニューヨークでバレエを習得した彼女のしなやかな指の動きや立ち振る舞いにメゾンを長きにわたり支えたお針子の気高き女性を感じます。ジャドを演じたリナ・クードリはフレンチディスパッチでティモシー・シャラメと共演した若手の有望株の一人、彼女の出生にアフリカ系移民としての配役もはまり、若い才能を引き出そうとするエステル不器用だけど純粋な姿と家庭の問題や貧困の中で選択肢がなかったジャドが、初めて手にする仕事への好奇心と情熱が生まれていく姿に感動します。

女性監督のシルヴィー・オハヨンは幼少期を移民が住むパリ郊外の大型団地出身で、彼女の自伝的な側面がうまく生かされているそうで、移民問題と親子関係がテーマになっています。また、前述した通り、ディオールの1級クチュリエ―ルがアドバイザーとしてオートクチュールのメゾンの舞台裏を徹底指導しています。また、ディオールの歴史遺産ともいえる衣装提供やムッシュ・ディオールの最初の古典的なアトリエを再現して映画に彩を添えています。

とにかく、出演者の人間的な美しさが生み出す最高級のオーダーメードの美しさを堪能しながら、感動的なドラマ展開を楽しんでみてください。


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映画 ロスト・ドーター/ Netflix

2022年04月02日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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本日の映画レビューは、マギー・ギレンホール初監督作品でオリビア・コールマン主演のネットフリックスオリジナル作品「ロスト・ドーター」です。

 

今回の作品は、アカデミー賞に主演女優、助演女優、脚本の3部門にノミネートされ、クレイジー・ハートなど女優として活躍するオリビア・コールマンの初監督作品で、脚本も手掛けベネチア映画祭で最優秀脚本賞を受賞しています。

今回のアカデミー賞でもオリビア・コールマンが「女王陛下のお気に入り」に続く2度目の主演女優賞の最有力と言われてました。結果はジェシカ・チャスティンのオスカー獲得となりましたが、その演技力は流石だなと思う作品でした。

物語は、海辺のリゾートにバカンスに訪れた中年女性レイダー。ビーチでのトラブルをきっかけに、自らの過去が蘇り恐怖と混乱に陥っていくサスペンスドラマです。若き日のレイダーはジェシー・バックリーが育児に追われストレスを抱える大学の助手役で、母と仕事、女性として感情を揺らぎを見事に演じきり助演女優賞にノミネートにふさわしい演技でした。

脚本としても気難しく意志を曲げないレイダーが、無くした人形により過去をフィードバックし、レイダーが抱える心の闇が徐々に明らかになりスリリングな展開を望んでいましたが、ラストで僕の期待を残念ながら裏切ってくれましたが、女性監督らしい視点だからこその観点だと思い納得がいきました。

今回ネットフリックスが、アカデミー賞にノミネートされながら「パワー・オブ・ザ・ドッグ」でのジェーン・カンピオンの監督賞のみの受賞に終わりましたが、重厚で人間的な作品がノミネートされネットフリックスの方向性が垣間見れ、作品賞受賞の日も近いかと思います。

ともあれ今回の作品は、女性なら共感を持つ作品として評価されると思います。男性も女性に抱える問題に目を向け理解する作品として観てはどうでしょう。


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映画 THE BATMAN-ザ・バットマン-

2022年04月01日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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本日の映画レビューは、史上最高のバットマンの呼び声高いロバート・パティンソン主演の「THE BATMAN-ザ・バットマン-」です。

2019年のホアキン・フェニックス主演でジョーカー誕生の過程を描き話題となった「ジョーカー」その狂気の演出には誰もが衝撃を持ったと思います。今回の作品は、ジョーカーと同じくバットマンの持つ過去に肉薄しながら、事件とリンクしていくバットマンの過去の闇に迫る内容です。

両親を殺された青年ブルース、夜になるとバットマンとなって犯罪者と対峙してきた。二年後権力者を標的とした猟奇連続殺人事件が発生し、ガスマスク姿のリドラーが犯行を明かす。リドラーは、現場に「なぞなぞ」を残し、警察当局をバットマンを挑発する。次第に権力者の過去とバッドマンの過去が明らかにされ、ラストにゴッサムシティ全土を巻き込むテロが発生します。

今回のバッドマンは、両親を奪った犯罪者への復讐心をむき出しにする、過去のバットマンとは異なるダークなイメージでロバート・パティンソンの影のあるブルース=バットマンを演じてます。一方でリドラーを演じるポール・ダノの覆面顔と素顔のギャップが何とも言えず、リドラーの持つ過去にぴたりとはまるキャラクターでした。

強力な武器を身に着け、超人的な活躍をする過去のバッドマンと違い、アクションも含め、どこか生身の人間の限界を感じながら悪と対峙するバットマンの姿は、前作の次第に猟奇的な男へと変貌していくジョーカーと相通じる部分があり、サスペンスドラマとしてよくできた作品でした。

バッドマンとジョーカーが対峙するときに生まれる化学反応が楽しみなってきました。次回作を大いに期待しましょう。

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