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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

DVD レミングスの夏

2018年10月31日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、江戸川乱歩賞受賞作家、竹吉優輔の原作の映画化「レミングスの夏」です。

前田前田の弟、前田旺志郎が主演を務め、五藤利弘監督が脚本、演出。二つの事件を絡めたミステリーを青春群像劇として描いた作品で、旺志郎君が単独主演なのと、この手の青春劇が好きなこともあって、アマゾンプライムにて視聴しました。

茨城の取手の街に、ハサミさんという切り裂き魔が現れると都市伝説の中で、アキラとナギの友人であった8歳の少女が命を奪われます。中学生となった二人は、過去の事件を清算するべく、仲間と共に、ある企業の少女を誘拐します。

彼らの犯行の動機が、過去の出来事と共に徐々に表れ、事件の真意が明らかになります。旺志郎演じるナギは、単独犯行に見せかけるために、最後の決断を下します。

過去の事件をきっかけに、離れ離れになる仲間たち。6年ぶりに再会を果たす彼らには、ある動機がありお互いの素性をカモフラージュするために計画された誘拐事件。その演出も面白く映画化したいと思わせる原作の強さがあるのでしょう。

ただ、犯行が中学生である点が、映像にすると青春劇が強くミステリーとしての面白さを多少弱くしてるように思います。ただ、僕にとっては、初々しいさのある少年少女の演技や刑事役のモロ師岡や中村えりや元五輪スイマー田中雅美など話題性のあるキャスティングで、インディペンデンス映画の割には豪華なキャスティングで楽しめました。

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台頭するナショナリズムとグローバリズムの復活

2018年10月30日 | 【エッセイ・コラム】

今回のコラムは、現在の起こっているナショナリズムを国家中心主義、また差別的人間主義と捉え、グローバリズムを国家相互理解主義、平等的人間主義と捉えています。

トランプ政権誕生から、ナショナリズムが台頭し一部の国でも、それを指示する傾向が強くなってきています。トランプ支持者の中には、Qという実態のない悪の存在を煽ることで、トランプ大統領を救世主のように崇め、反トランプを攻撃しユダヤ教会銃撃事件が起こるなど、その影響は、一般市民にまで波及しています。

先日も、ブラジルで軍人出身のボルソナロ氏が大統領が誕生、貧困層やLGBT、さらに女性差別など、その発言は露骨です。サッカー好きの僕にとって、アメリカのような事態が起これば、サッカー王国ブラジルの危機にもつながるように思います。

現在のナショナリズムは、単一的な民族主義や差別主義に起因する場合が多く、思想信条に共通するもの以外は排除する傾向があると思います。また、自国の利益を優先しすることで、国家の安泰を図りろうとするあまり、地球規模の問題には耳を傾けない利己主義的な傾向ももっています。こうした考え方は、攻撃する相手を常に作ることで存在るのではないでしょうか。

僕が思うグローバリズムは、国家間の相互理解を前提に、他国の思想、文化を認め、自らの文化と共に享受する人間主義に根差したものです。

グローバリズムは、理想主義的傾向があり時間を有します。しかしながら冷戦後に、その潮流は現実に近づいていました。それが、ゴルバチョフとレーガンとの間で交わされたINF中距離核ミサイル全廃条約です。この歴史的な条約をトランプ大統領は離脱しようとしています。このことは、東西冷戦以上脅威だと思います。

日本は、国連の進める核兵器禁止条約に参加していない現在、国際的な安全保障の環境を無視していると批判するアメリカの立場と実効性に乏しく、国際社会の分断を深めるとの主張から、被爆国でありながら、核の抑止力の強化に加担する結果となりかねません。

先ずは、核保有国が連帯して、トランプ政権の離脱を阻止してほしいものです。国家は誰のためにあるか、平等に国民のためにあることを願って、地球市民の一人としてグローバリズムの復活を望みます。

 

 

 


安田純平さん解放と再燃する自己責任論

2018年10月27日 | 【エッセイ・コラム】

安田純平さんが解放されました。3年余りの拘束からの帰国。個人的には、何はともあれ無事であったことに対して温かく迎えたいです。

僕も、仕事でインターネットと関わることが多くなり、今回のネットでの安田氏のバッシングに憤りを感じています。インターネットが身近なものになり、虚実取り混ぜた情報の垂れ流しが、情報を得た人間の都合で取り上げられる風潮により自己責任論が今回も再燃しました。

過去に内線地帯に足を踏み入れたジャーナリストや国際ボランティアの方が亡くなられた時に出た自己責任論。果たしてそこに、客観性があるか疑問を感じます。政府が渡航の自制を促しても、こうした人々は、ある種の犠牲と覚悟をもって向かっている事実を知ると、自己責任論には否定的です。仮に、観光であっても、政府は国民を守る義務があります。今回の場合は、外務省も手を尽くしたと思いますが、結果的に解放は、日本政府がもたらしたものでないことは機内でのインタビューでも明らかで、安田さんは、ジャーナリストとしての活動に制限が及ぶことを危惧されたのではないかと思います。

今回の問題を新聞やテレビ報道とネットの虚実取り混ぜた情報とを比較すると、事実であっても真実の判断があいまいとなってるように感じます。インターネットでの報道は、個人的な見解に加えて、ネット検索に絡む虚実の実態が自己責任論を生んでいるように感じます。さらに、その矛先は、時に家族にも及び自己責任論を超えて人格否定にまで及びんでいます。

今回のことで、新聞やテレビが安田さんの過去の活動やジャーナリストとしての立場から、攻勢に出ています。ネット社会の広がりにより新聞やテレビが過去のものになりつつある中で、事実と真実を正しく示す姿勢は大いに評価できます。今回のことで旧メディアがネット社会を共有し新しい発信の仕方が必要不可欠だと思います。

また、安田さんには、体調が回復してから今回のことについて話されると言われています。真実を明らかにした上で議論するべきではと思います。

最近の日本は、一億総叩き、個人攻撃。そのやり口は、弱者批判にしか思えない状況です。先ずは、自分の発言に責任を持てるかどうか立ち止まって発言してもらいたいものです。僕の知人もSNSで述べてましたが人に優しい日本になってほしいです。

 


DVD ローズの秘密の頁

2018年10月23日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ルーニー・マーラ主演のアイルランド映画「ローズの秘密の頁」です。

最近、サウジアラビアの記者が領事館で殺害されるというショッキングな事件がありました。皇太子が殺害に関わっているのではないかとの疑惑が浮かびあがっていますが、現在では信じられない事件ですが、それぞれの国には、大なり小なり封印された過去が存在します。

監督は、アイルランドの巨匠・ジム・シェリダン。アイルランド人として自らのルーツに迫るように、アイルランドの人気作家、セバスチャン・バリーの同名小説を脚本、製作しています。

舞台はアイルランド、ある精神病院の取り壊しにより転院が決まった患者の診察に訪れたグリーン医師は、赤ん坊殺しの罪で40年間収容された老婆ローズと出会います。彼女は、無実を訴えながら、その事実を聖書に書き綴っています。グリーン医師に興味を持った彼女は、半生を語り始めます。

彼女の波乱万丈の人生と禁断の愛で結ばれた男を愛し、男の子供を身ごもり殺してしまったとされる経過が、若きローズを演じるルーニーマーラにより魅惑的に演じられます。そこには、アイルランドの悲劇的な歴史が重なり彼女のどこか悲哀を持つ表情が、役柄にピタリとはまっていました。そんな、悲劇の歴史に翻弄されながら、ラストで、その真実が明らかになります。

今回の作品は、アイルランドの持つ宗教観により暗黒の歴史が存在します。その歴史に翻弄されながら、自らの無実と引き裂かれた親子の愛を悲劇の歴史と共に美しくミステリアスに綴られていました。

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DVD しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

2018年10月19日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、カナダで最も有名な画家の半生を描いた作品「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」です。

アートに携わる仕事をしていると、画家の半生を描いた映画やアートのドキュメンタリー映画に目が向きます。今回は、僕も記憶になかった、カナダの女流画家のモード・ルイスの半生を描いた作品を紹介します。

日本では、あまり馴染みがないカナダの画家。そんな中で、フォークアートの画家として活躍したモード・ルイス。北米を中心にフォークアートとは、片田舎で暮らす、独学でアートを学び、描いた画家達の分野をさします。ヨーロッパでは、ピカソが取り上げたことで一躍脚光を浴びたナイーヴ派の画家と同じ位置にあります。彼らはの大半は、趣味の延長で絵を描いていて、決して恵まれた画家ではありませんでした。

今回映画となったモード・ルイスは、若年性リュウマチに手足が不自由な中で、絵を描くことに生きがいを見出した女性です。その作品は、自由奔放な筆さばきで自然や日常生活を描き、豊かな色彩と心和む作品です。

物語は、両親を失い、借金を抱える兄が家を売り払い、伯母の元にいたルイスが、絵を描くために家を出るところから始まります。ルイスは、町の偏屈者で魚の行商で生計をエベレットの家に家政婦として住み込み、言い争う中で、次第に心を通わせ二人は結ばれます。ある日、ルイスが描いた一枚のポストカードがエベレットの客の目にとまり、北米で話題となります。ルイスは、病が進む中で好きな絵と愛するエベレットに看取られ生涯を終えます。

ルイスを演じたのは、シェイプオブウォーターで半魚人を愛する女性を演じたサリー・ホーキンスが演じ、夫のエベレットには、アカデミーの常連イーサンホークが演じていますが、世間からはみ出し者と言われた二人を、時に激しく、時に優しく、二人の深い愛の関係をナチュラルに演じていて感動しました。

芸術の世界は、卓越した技術と高い発想に裏付けられた巨匠の作品とは別に、観た瞬間に心を奪われ魅了される市井の画家が存在します。そうした人々に光をあてるのも、こうした作品の使命だと改めて思いました。

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映画 オーケストラ・クラス

2018年10月18日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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第74回ベネチア映画祭特別招待作品のフランス映画「オーケストラ・クラス」を観賞

今のフランス映画の魅力は、そこに住む人々の日常や問題をストレートに描き感動を誘ういナチュラルな空気があふれているところが素敵です。

今回の作品は、演奏家として行き詰まった主人公が、国の音楽教育プログラムに携わることで、子供たちと音楽を通じて友情を結んでいく物語です。公開時に、子供たちのバイオリン演奏が素晴らしいと絶賛され話題となりました。

小学6年生の子供たちを相手に教育プログラムを担当することとなったバイオリニストのシモン。子供嫌いで気難しいシモンは、演奏経験がなく、多感で集中力に欠ける子供たちに演奏を教えるのは至難の業で、自信を失っていきます。

そんな中で、バイオリンの才能を持った少年アーノルドと出会いったことで、シモンは再び動き出します。それまでの考え方を改め、子供たちの家族を巻き込みながら、到達の舞台フィル・ハーモニア・パリを目指していきます。

ラシド・ハミ監督は、演奏経験のない子供たちをオーディションで選び、実際に行われる教育プログラムさながらに、撮影に挑んでいったそうで、その情熱がそのまま主人公と子供たちに注がれています。

異人種国家フランスが抱える生身の現実を子供たちの生活を映し鏡しながら、演奏を通じて人間的に成長していく姿は真実そのもので、ラストでその実が結び感動に導かれる、文化大国フランスの現実と理想を目の当たりにすると、音楽の素晴らしを改めて実感しました。

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映画 クワイエット・プレイス

2018年10月16日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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全米で大ヒットの新感覚のホラー映画「クワイエット・プレイス」を観賞

全米を震撼させ、音を立てたら即死のキャッチコピーで、日本でもヒットを続けているクワイエットプレイス。ホラー作品が苦手な僕ですが、映画ファンがこぞって絶賛するので、勇気を出して観てきました。

物語は、近未来のとあるNY郊外の荒廃した町。人類が滅亡の危機に瀕している中で、音を立ててはいけないのルールで密かに暮らす家族。しかも、妻は妊娠中という中で、彼らは如何にして生き延びることができるか。

監督はアメリカドラマの「トム・クランシー CIA分析官 ジャック・ライアン」主演と制作を務めた映画でもバイプレイヤーとして活躍するジョン・クラシンスキーで夫役として出演、さらに実際の妻のエミリー・ブラントが妻役で共演してます。また、子供役の姉リーガンと弟マーカスを演じたミリセント・シモンズとノア・ジュプが演技がとても素晴らしいです。耳の聞こえない姉と気弱で病弱な弟が、見えない恐怖をさらに増幅させています。

劇場予告で繰り返された、幼い子供が、NASAのロケットのおもちゃのサイレンを鳴らした瞬間に起こる恐怖のシーン。実はこのシーンに、家族のその後に隠された運命の序章となっています。家族の行方にじっと静かに向かい合ってほしいです。出来れば、ポップコーンは食べないでほしいです。

ホラーと言っても、日本のものとは異なる現実味を帯びたSF的展開の中で、家族の愛のサバイバルが描かれたヒューマンドラマの様相が観る人を惹きつけるのだと感じました。

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とにかく、ワクワクドキドキの展開に震えながら、家族の愛に涙してください。


映画 イコライザー2

2018年10月15日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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デンゼル・ワシントン主演の続編映画「イコライザー2」を観賞

前作のイコライザーでは、ホームセンターの従業員が悪を葬る設定が新鮮でしたが、今回から請負人として、本格的なイコライザーとなり、ドライバーで登場します。

19秒で悪を葬る請負人イコライザーとして登場。先ずはマフィアを葬り、時に自らの意志で葬る。そうしたアナザースト―リーに、CIA時代の親友の死が新たな謎が今回のメインストーリーと、密度の濃い内容で、特集訓練を受けた犯人たちとの復讐劇も見事でした。

今回もトレーニングデイで新境地を開いたことで、多彩な役柄を演じるデンゼル像を築いたアントワン・フークア監督で、この監督、過去の作品を見ても安定感は抜群。デンゼル・ワシントン発のシリーズとして楽しみです。

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DVD ザ・シークレットマン

2018年10月14日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はウォーターゲート事件を描いたリーアム・ニーソン主演の「ザ・シークレットマン」です。

アメリカ史上最大の大統領スキャンダル、ウォーターゲート事件。そして、後にそのスキャンダルの内部告白者がFBI副長官ドによることがわかる。史上最大の内部告白者となったマーク・フェルドをリーアム・ニーソンが演じ、普段とは異なるアクションなしの重厚感あふれる演技で迫ります。

ジョン・F・ケネディーに敗れ、後にローバート・ケネディーの暗殺により大統領となったリチャード・ニクソン。CIAを巻き込んで行われた民主党本部の盗聴事件から始まる、一連の政治スキャンダルがウォーター・ゲート事件。

今回の作品は、かなり詳細に描いていて、同時期に公開されたペンタゴンペーパーズをしのぐ内容になってます。特筆すべきは、今回はアクションなしの渋い役柄のリーアム・ニーソンの演技。FBIのナンバー2にして長官有力候補でありながら、その実直さが仇となり出世も出来ずダイアン・キートン演じる精神不安定な妻と行方不明の娘を抱える孤独な男の姿が滲み出て、孤独の中で正義を貫き、不器用ながら家族思う男の姿が、とにかくかっこいいです。

アカデミーにノミネートされなかったのが不思議なぐらいに僕の中では、ペンタゴンペーパーズより評価が高い作品です。

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DVD 娼年

2018年10月12日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、石田衣良原作を映画化した松坂桃李主演の「娼年」です。

石田衣良の同名小説を映画化した本作。すでに舞台で主役を演じた松坂桃李が娼夫役で再演。女性の支持を受けてR18指定ながら高興行成績を収めた本作。劇場での観たかったのですが、女性が多いということで、今回のDVD観賞となりました。

石田衣良作品は、ドラマの池袋ウエストゲートパークではまり、好きな作家の一人ですが、コールボーイを主人公にした青春小説ってのが衝撃的です。舞台では、高岡早紀が女性オーナーを演じ、舞台上での絡みもあり注目されましたが、今回は、舞台での脚本演出の三浦大輔氏が、映画の方でも監督を務め、キャストも舞台と同じマゾヒストのコールボーイ仲間・アズマ役の猪塚健太やお客の初老の婦人を江波杏子が演じてます。ちなみに三浦大輔監督は愛の渦で舞台と映画の両方を制作されてます。

舞台は東京。大学生のリョウがバイト先のバーで、コールボーイのオーナー、真飛聖演じる美堂静香にスカウトされ、様々な女性と絡みながらコールボーイとして上り詰めていくというもの。松坂の冷めた表情の中にある未知なるものへの好奇心が対照的で、最近の役者としての進化を感じる作品でした。 

女性にも、セックスにも興味をもたないリョウが、静香に惹かれながら女性と交わってく、ひと夏の恋模様が描かれていくのですが、コールボーイいう異質な世界が描かれ、仲間のアズマの性癖や買春する女性たちの境遇が興味深く描かれていて、スキャンダルでありながら、ピュアに惹かれる面白さがありました。また、男と女の性への思考の違いを改めて感じる作品で、続編の逝年の映画化も実現してほしいなと思います。

 


金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋・刈谷市美術館

2018年10月11日 | 【美術鑑賞・イベント】

刈谷市美術館で開催中の「金魚絵師 深堀隆介展」を観賞しました。動画は先に開催された平塚美術館の展示動画です。

 

深堀隆介は、近年メディアでも数多く取り上げられ注目される現代美術家です。氏の作品は、アクリル樹脂の上に描かれる金魚。多数層に樹脂を流し込むことで、静止動画にように金魚が立体的に浮かび上がる手法が特色です。

今回の展覧会は、地元愛知県での開催、家族の来場者が多くいつもの美術館とは異なるアットホームな雰囲気がありました。樹脂の上に描く2.5Dアートと称する氏の代名詞となった作品が升やカップ、ブリキ缶など様々な入れ物に金魚が描かれた作品のほかに屏風やパネルなどのドローイング作品も並び、金魚アートの世界が広がります。また、写真撮影可能なブースには、屋台の金魚売りや弥富の金魚養殖のような世界が広がっていました。

アクリル樹脂に描く金魚の世界は、やはり多数の金魚の群れを樹脂多層で描く方がリアリティーが強調されるように思います。事実、升や小さな器に描かれた一匹の金魚作品では、立体感は表しにくいように感じ、作品に差異が生まれたていました。

この業界にいると、画家の作品には駄作もあれば秀作もあります。売却済の個人蔵と作家所蔵の作品が一堂に並ぶとその差は歴然です。今後は技術を磨き、その差を埋めていくことで、さらに評価は高くなると思います。

しかしながら、氏の一匹の金魚との出会いにより、生まれた「金魚救い」への愛とご恩返しの斬新な手法と発想は、国際的な評価につながり、日本文化の象徴でもある金魚への貢献につながります。作家の今後の活動に期待します。

 


映画 教誨師(きょうかいし)

2018年10月09日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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死刑囚に向かう教誨師を描いた大杉漣さん最後の主演作「教誨師(きょうかいし)」を観賞しました。

名バイプレイヤーとして知られる大杉漣さんがプロデューサーを務め、最後の主演作となった人間ドラマが10月6日より公開されています。

今回の作品は、急逝された大杉さんの最後の主演作で、僕の記憶の中では、死刑に立ち会う刑務官を描いた映画やドラマはあるものの、拘置された死刑囚と面接できる唯一の民間人として対話し悔悟を促し、そして死刑執行にも立ち会う教誨師を描いた作品はなかったと思います。

教誨師は、僧侶や牧師がその役を担いますが、何と無報酬の完全ボランティア。今回はキリスト教の牧師、佐伯として大杉さんが演じていますが、原作には触れておらず、おそらく浄土真宗の実在の教誨師の証言をもとに亡くなったあと刊行された堀川惠子著の「教誨師」を基に監督の佐向大が脚本されたのではと思います。

舞台は拘置所の面会室。6人の死刑囚と教誨師との対話だけの静かなドラマです。死刑囚役には、光石研、古舘寛治、烏丸せつこ、五頭岳夫などのドラマや映画で活躍する名脇役に、若手の玉置玲央、監督の自主映画に出演した演技経験のない小川登が死刑囚を演じ、それぞれの死刑にいたる経過が対話による少しずつ浮き彫りになり、そして、彼らが抱える心の闇が明らかになってきます。同時に教誨師の佐伯の過去が死刑囚と向き合う機縁となっていきます。

コンクリートの無機質の空間で机を介し座る教誨師と死刑囚。刑務官は、ただ立ち会う存在。ある時は、耳を傾け、ある時は、寄り添う、時に問答のような会話が続き、翻弄される。会話だけの人間ドラマに、人間としての本性が露わになる異質の存在感を放つ作品でした。

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DVD マザー!

2018年10月05日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。ジェニファー・ローレンス主演の日本公開中止の2017年の衝撃作「マザー!」です。

ブラックスワンのダーレンス・アロノフスキー監督による問題作。第74回ヴェネティア国際映画祭で上映で物議を醸し、日本では上中止となった問題作。TUTAYAにて先行レンタルされましたが、今回もアマゾンプライムにて視聴しました。問題の部分は、観賞者にお任せします。

内容は、ジェニファー・ローレンス扮する妻とハビエル・バルデム扮する詩人の夫の住む古い一軒家に、不信の訪問者が訪れ、その後に訪問者が増殖し、夫婦を破滅の道へ突き進むサイコ・ミステリー。こう話すと、静かにじわりじわりと恐怖が襲うように感じますが、妻の妊娠によりブランクから脱出しベストセラーを生み出してから、展開がホラー張りの恐怖に爆発します。

その恐怖は、どこか、キャリーのラストを彷彿とさせ、何かサイコミステリーにオカルト、ホラーとごった煮的展開に思わずゲップしてしまいました。その衝撃には賛否両論あると思います。ホラーやミステリー好きには大丈夫かと思いますが、特に欧米人にとっては観るに堪えない内容なのは確かです。でも、その様相は地獄絵を観るようで、日本での公開中止は、R指定などすれば問題無かったのではと思います。

僕としては、夫の自己満足による善意の行動が、自らのモラルまでも破壊され愛情対象を失う愚かさと、子を宿した妻の母性愛とその対象を失ったときに悲しみと怒りの爆発が予想以上に表現され、好感は持たないものの監督の意図は十分理解できました。

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映画 スカイスクレイパー

2018年10月04日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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ドウェイン・ジョンソン主演のアクションパニック作品「スカイスクレイパー」を観賞

マッチョ俳優ナンバー1のドウェイン・ジョンソンが高さ1000メートルを超える高層ビルを舞台に家族の救出に挑む全編アクションシーン満載のパニック作品で、かなり見応えのある内容でした。

舞台は香港の超高層ビル。元FBIの人質救出隊のリーダーだったウイルは、危機管理コンサルタントしてビルの管理に携わることに。ところが、犯罪組織の侵入により火災が発生し、タワーにウイルの妻と二人の子供が取り残されてしまいます。

初っ端からFBI時代の爆破事故でスタート。しかもドウェイン・ジョンソン扮するウイルは、事故で片足を失い義足の身に。そこから、タワ―への決死の飛び込みに、次から次へ障壁が襲います。

そこは元WWEの人気レスラーロック。ワイルドスピードでの演技に磨きをかけ、彼にしかできない凄いアクションに挑んでます。息を呑み足もすくむ地上1000メートルの超高層ビルシーンでのアクションの連続は、時間を忘れてのめり込むこと間違いないです。

ダイ・ハードシリーズのブルース・ウイルスとは異なる屈強なキャラクターですが、この作品はドウェイン・ジョンソンしかなし得ない偉業だと思います。

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映画 検察側の罪人

2018年10月02日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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原田眞人監督、木村拓哉と二宮和也共演のサスペンス映画「検察側の罪人」を観賞しました。

ここのところ膝の調子が悪く映画館に行けない日々が続いてましたが、徐々に良くなってきたので昨日のファーストデーで観賞。他にも観たい映画が目白押しですが、予告でも観たいと思っていた今回の「検察側の罪人」を観ることに。

映画ファンの中では、あまり評価が見られないにも関わらず、キムタク&ニノ効果か。ロングラン上映されてます。

今回の作品、雫井脩介の原作を原田眞人監督が映画化。木村拓哉と二宮和也を検事の上司と部下に、事務官に吉高由里子を起用。キャスティングも原田組の常連から異色のキャスティングで豪華です。

物語は、都内で発生したある事件をきっかけに、木村演じる検事の最上と二宮演じる部下の沖野の対立を描いています。最上には、大学時代に忘れられない未解決事件があり、そこに、ある容疑者が浮上し、検事としての正義と人間としての正義の狭間で沖野と対立していきます。そこに吉高演じる事務官や裏社会も加わって、事件は思わぬ方向へと進んでいきます。

学生時代の同僚の事件やさらなる容疑者の浮上など練りに練られた構図は、最後まで飽きることのない展開でした。

原田作品としても、重厚感あふれる異色の作品として評価されるものだと思います。

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